「映画で未来を変えようよ 〜大林宣彦から4人の監督へのメッセージ〜」を観て

大林さんのドキュメンタリー見てみました。
思った以上に素晴らしいドキュメンタリー作品でした。
もっと四人が全面に出てくるのかと思いきや、
終わってみたら大林さんの一代記になってました。

軍国少年だった頃の絵から始まり
お父さんにもらった調子はずれのピアノを弾くラストまで、
自主映画時代の「いつか見たドラキュラ」から
CM監督時代を経て「HOUSE」「時をかける少女」、
東日本大震災以後の「やむに止まれず戦争映画を撮る時代」までが
鮮烈に描かれてました。

このディレクターはかなりの大林通で映画愛に満ちてると感じました。
最後のシーケンスは、尾道を走る電車で始まり、
調子外れの、ホンキートンクのピアノで奏でられる「別れの曲」
そして尾道水道の渡船で幕。
電車は大林映画の偉大なるモチーフであり、
渡船は「さびしんぼう」の印象的な舞台であり、
その主題歌が「別れの曲」だった。
「さびしんぼう」の中で尾美君の背中越しに「別れの曲」を弾いた大林さんが
この番組の最後に弾いたのも「別れの曲」。

「止むに止まれず」何かをすることの崇高さが
心に残るドキュメンタリー作品となりました。

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