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私ならではの10大ニュース

今回のテーマ:2021年私の10大ニュース
by 河野 洋

今年は誰もがコロナ関連のニュースをベスト10のひとつに挙げるのではないかと思うが、ご多分にもれず、私の10位は過去29年のアメリカ生活の中で一度も体験したことのないコロナ・ワクチンを3回も接種したことだ。運良く副作用が出なかったが、感染せずに一年を乗り切れたことは感謝してもしきれない。ただ年末、陽性診断された友達と濃厚接触していたことが判明し肝を冷やしたが、その後の検査結果で陰性と診断され胸を撫で下ろす。

9位 パンデミック後、初めての有観客イベントの仕事ができたこと。エンタメ業界は閑古鳥が泣いていたが、春に屋外イベントができたことは本当に嬉しかった。やはり有観客イベントに勝るものはない。

8位 今年2つの映画祭でディレクターに就任したこと。1つは12月に開催されたボストン日本映画祭のクリエイティブ・ディレクター、もう1つは9月に開催されたブルックリン・サイファイ映画祭のアウトリーチ・ディレクター。前者は2015年から、後者は2020年から関わってきているが、こうして冠をもらえると張り合いが出る。

7位 これまた映画祭のニュースになってしまうが、5月にシカゴ日本映画コレクティブという日本インディペンデント長編映画祭を、その名の通りシカゴで立ち上げたこと。今年はコロナでオンライン開催になってしまったが、遠隔で映画祭の設立と運営ができたことは、コロナ時代を象徴していた。この映画祭はシカゴ在住のパートナーと二人でスタートしたが、20年の秋から半年間かけてオンライン会議を毎週行い、選考も全てオンラインで行なった。ある意味、映画祭を遠隔で運営できると言うことは、自分の中で画期的なことだった。

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6位 ニューヨーク、ときどきDIARYの誕生。正直、エッセイストと呼ぶほどの経験がなかったのに、らうす・こんぶさんに声をかけて頂き、福島千里さんという素敵なライターも加わって、このエッセープロジェクトがスタート。同じテーマで3人がエッセーを書くというユニークなアイデアで、これまでに投稿されたエッセーは45本を数え、実は密かに、大胆に、我々は出版を狙っている。果たして22年に実現するのだろうか!?信じる者は救われる、そうだ、願えば叶う!

5位 2003年に米国で起業した時、自社は自分のソロアルバムをリリースする目的で、レコードレーベルとして始まった。5年ほど様々なCDを出し続けたが、鳴かず飛ばずの状況が続き、会社経営存続の危機を感じ、イベント業に移行していった。しかし、18年あたりから再びレコード制作を再開し、米国独立記念日の7月4日に今年もアルバムを発表することができた。タイトルは「千客万来」という名古屋のちんどんガールズ「べんてんや」のデビューアルバムで、本作ではプロデューサーとしても参加している。ちんどん屋のアメリカデビューアルバムをリリースできたのは、後にも先にも私の会社が最初で最後かもしれない。やっぱり音楽は楽しい。やっぱり音楽はやめられない。

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4位 またまた映画祭に話が戻ってしまうが、そもそも映画祭の世界に入ったきっかけは12年に設立した日本インディペンデント短編映画祭「ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト」がだった。そもそも映画祭の「え」の字も知らなかったのに、見よう見まねで2人の仲間と始めたひよっ子映画祭。それが、なんと今年で10周年を迎えた。やればできる。為せば成る。継続は力なり。次に目指すは20周年記念だ。

3位 ベスト10の半分が映画関係になってしまったけど、超個人的な10大記事ということでお許しいただきたい。映画祭で審査をするようになって、当たり前だが、映画を見なくてはいけなくなった。たくさん観るので記録しておかねばという思いから、今年は観た作品情報をスプレッドシートで記録し始めた。映画といっても長編ばかりではなく、短編が多めではあるが、それでも今年視聴した映画は438本。単純に計算しても1日1本は映画を観たことになる。映画はドラマだ。365日毎日自分では無い他の誰かの物語を見せてもらったと考えると非常に貴重な体験をしたと思う。

2位 そもそも小中高を通して作文は苦手だったし、国語も好きじゃなかった。それでも何故か、2012年の暮れに新聞社の編集長から音楽記事の執筆を頼まれたことがきっかけで、その後100本以上のインタビュー記事を毎号(隔週)書いた。100本書き終えた後、一旦は執筆から遠のいていたものの、20年3月、別の日系新聞社からエッセーの執筆を頼まれたことから、また月一で書き始めた。その流れからか、ひょんなことから、今年の夏にオンラインで知り合った欧州在住の画家とアートデュオ「AYA-MARC.」を結成、相方の絵や写真にインスピレーションを受けて詩を書き始めた。既に100本以上の詩を書き、21年には絵と詩のアートコラボの個展を開催することも決まっている。詩人と呼ぶには程遠いし、出来はともかく、それまで考えもしなかった詩と言う新世界を見つけられたことに喜びを感じている。

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1位 これは文句なしに一年を通して、健康でいられたこと。いくらお金があっても健康は買えない。だから、きっと、これからずっと私の10大ニュースの1位は「健康でいられたこと」になると思う。

と言うことで、全くもって個人的な10大ニュースにお付き合い頂きありがとうございました。2022年もニュースが書ききれないくらい活発に活動したいと思います。

2021年12月31日
文:河野洋

[プロフィール]
河野洋、名古屋市出身、'92年にNYへ移住、'03年「Mar Creation」設立、'12年「New York Japan CineFest」'21年に「Chicago Japan Film Collective」という日本映画祭を設立。米国日系新聞などでエッセー、音楽、映画記事を執筆。現在はアートコラボで詩も手がける。

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