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酒と真

真実をワインの中に探すな
酒は幾多の偶然を運ぶもの
ときに雑音を消去して、
それゆえ真実の類音を響せる

けれども雑音を絶っただけ
真実そのものの量は変わらず
それゆえ結局描けるものも少ない
果てしない問いかけを
なにに照応させると言うのか

真実を根本から太らせろ
それが声や表情や言葉になるように
ワインの中に探すな
覚めていろ、決して急がず
半ば眠るように
同じ静けさを宿して
半ば走るように
同じ熾烈さを宿して
その混交のなかに
一つの形を描け

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