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簡単にできる! AI学習モデル作成サービス

AIを試したいけど、ハイスペックなPCやグラボを用意したり、Pythonを覚えたり、様々なフレームワークやライブラリをインストールしたり、、、ちょっと敷居が高いな、という人の為に、自分で簡単にAI学習モデルを作ることができるサービスを紹介します。

これから紹介するサービスは全てブラウザを使い、クラウド上で行えます。しかもプログラム不要です。

「AIにチャレンジしたいけど難しそう」と、ためらっている方。
誰でも簡単に自分でAI学習モデルを作ることができるので、是非チャレンジしてみてください!


1.Google Teachable Machine

Googleが提供するWebベースのAI学習モデル作成ツールです。

専門知識やプログラミングは不要で、以下のAI学習モデルを自分で作ることが可能です。

  • 画像分類

  • 音声分類

  • 身体の姿勢(ポーズ)分類

学習させる際に画像を取り込む必要があるのですが、PCのインカメやWebカメラを起動させてくれます。簡単且つすぐにAIを体験できる反面、できることは限られています。AIを体験してみたい人や教育向けのサービスという感じですね。

また、自分で作成した学習済みのモデルはPCに保存し、ローカルの環境で実行したり、自分のWebサイト上で実行させることも可能です。
※ただし、この場合はPythonやWebサイト作成の知識が必要になりますが、やり方も公開されていると思うので、是非チャレンジしてみてください。


2.Google Cloud AutoML

こちらもGoogleが提供するAI学習モデルを構築する為のサービスです。
機械学習の知識が無くても、自動的に学習モデルを構築できるツール群が揃っています。

様々なツールが揃っていると書きましたが、そのなかでもVertex AIが機械学習の構築やトレーニングデータの管理、デプロイが一気通貫でできるツールになります。そしてなんとこのツール、最近ChatGPTの登場で有名になった生成系AIモデルもサポートされています。

開発時の例

Web上で活用する為、操作ハードルが低く、プログラミングが分からなくても扱えます。作成したモデルはGoogle Cloud RunというGoogleが用意したサーバ環境上にデプロイして運用させることが可能です。
(※実際にデプロイし、運用するには多少のプログラミング知識が必要になります)

実際の業務で十分使えるAIを自作することができるのでお勧めです。


3.Google Cloud Vision API

こちらもGoogleが提供するサービスですが、今までのサービスと大きく違うのは、既に学習済みのモデルを使うという点です。自分で学習モデルを作ることはできません。あくまでもGoogleが事前に学習させたモデルを読み込み、推論実行する為の、画像認識に特化したサービスです。

しかしながら、この学習済みモデルが非常に強力で、画像からテキストを検出したり、画像を分類したり、物体を検出したり、人の顔の感情を検出したりと、様々な学習済みモデルが揃っています。
どういうことができるのか知りたい人は、上記公式HPにAPIを試すデモがあります。

デモ画面

実際に運用するには、Google Cloud Shellで実行、もしくはローカル環境にクライアントライブラリをインストールし、実行させます。この時、Pythonなどのプログラミング知識が必要になります。

用途さえ合えば、実際の業務でも十分に使えます。


4.Microsoft Azure Custom Vision

こちらはMicrosoftが提供するクラウド上でのAIモデル作成サービスです。

トレーニング中の図

「2.Google Cloud AutoML」のMicrosoft版だとお考えください。ドラッグ&ドロップでモデルを構築できる為、プログラミングは不要です。
Googleのと比べて、多少の機械学習の知識が必要となる場面もあるかもしれませんが、日本語のマニュアルが充実している為、取っつき易いと思います。

では、Google Cloud AutoMLの「Vertex AI」と「Microsoft Azure Custom Vision」と、どちらがいいのか? これは一概には言えません。大まかなサービスは同じなのですが、細かいところではそれぞれ一長一短があります。実際に会社での業務や、自分のやりたいことに合ったサービスを選ぶのが良いと思います。


5.SONY Neural Network Console

SONYが提供する、ディープラーニングを用いたAI開発サービスです。
私が1番お勧めするサービスです。Cloud版だけでなくPCにインストールして使うデスクトップ版もあります。

プログラミングができなくても、ドラッグ&ドロップで直感的にAIモデルを構築できます。画像だけでなく、音声やその他一次元データのディープラーニングモデルが簡単に構築できます。学習させる為のデータセットの管理も非常に簡単です。

LSTMを用いた言語モデルの構築

私がお勧めする理由は、マニュアルや解説動画が充実しているからです。特にSONYが出している公式Youtubeチャンネルは神レベルの分かりやすさだと思います。

この「Neural Network Console」の使い方の解説は勿論のこと、ディープラーニング自体の解説も充実しています。このサービスを利用しない人であっても、「これからディープラーニングについて学びたい」と思う人にとっても十分に観る価値のある動画が多数用意されています。コメントも称賛だらけです。

Youtubeで解説されている方が、SONYでディープラーニングの開発研究を続けてきた小林由幸氏なのですが、この方の解説が非常に分かりやすく、また声も凄く良い! 声のファンの方もいるようです(笑)

引用:SONY HPから https://dl.sony.com/ja/story/


さいごに

如何でしたでしょうか。
機械学習やプログラミングの知識が無くても、自分でAIモデルを構築できるサービスを5つご紹介しました。「1.Google Teachable Machine」以外は実際の業務でも十分使えるサービスです。

気になる料金ですが、「1.Google Teachable Machine」以外は料金が発生します。たいていは「使った分だけ支払う」という形態なのですが、課金の仕組みはそれぞれ違うので、細かい料金形態はご自身で調べていただけたらと思います。因みに、無料で使える期間なども存在します。

どのサービスも、料金がそんなに大きく変わることはないと思いますので、自身の取り組みたいテーマや使いやすさの面で決めるのが良いと思います。

これを機に、自分でAIモデルを作ることにチャレンジしてみましょう!


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