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第27回 2022年後期ランキング Japan Smash Ranking ver1.0

 こんにちは、Tokiです。今回は2022年後期における日本のスマブラランキング、Japan Smash Ranking (JSR)を作成しましたので、そちらの詳細についてまとめていきます。概要は前回のSJPR ver0と大きくは変わらないため、他ランキングとの違いやランキング作成に至った経緯などは省略します。気になる方はこちらをご覧ください。

 本ランキングは先日Maedakun talkで発表されたSmash Banzukeとは全くの別物です。ご理解ください。

 ランキングについていろいろ述べていますが、結構長いですし、細かいことは興味ないという方はこちらのスプレッドシートもしくは画像でまとめてあるTop100をご覧ください。(デザイン頑張ったので見てくれると嬉しいです)

ランキングの目的

 ざっくりランキングの説明をすると、参加者数や参加者の質で大会ごとに大会の価値を決定するシーズン制のランキングです。

 ランキングは主に従来から用いられている、大会の順位からランキングを決定する手法(JPRやPGR、OrionRank,Ωrank等)と、統計学を活用したレーティング制(YON様のスマメイト方式)とがありますが、本ランキングは従来の手法を少し変えたものです。

 従来のランキング手法は獲得ポイントの上位N個を選ぶという手法ですが、本ランキングでは基本的に全大会を対象とします。ただし大会参加数が多い選手の過剰評価を防ぐ処置を取っています。詳細は後ほど。

 このような手法としたのは安定感を評価したいためです。従来の手法では大会結果上位数個を選択するという、主に大会での上振れ、爆発力を評価するという手法です。従来の手法では上位4~6大会のみを拾うため、不調だった結果は無視されます。今回の手法では上振れ、下振れどちらも拾うため、従来の手法に比べて安定感が評価されます。ただし上振れの結果が大きい影響を与えるのでランキングの結果は上位になりやすいです。

 完璧に安定感を評価できるわけではありませんが、こういった安定感を評価する目的のランキングもあってもいいじゃないかということでこの手法です。

 ちなみにレーティング方式としてはYON様が先日発表したスマメイト方式がレーティング制のランキングになります。詳細はYON様の記事を見てください。

 それぞれメリット・デメリットがあり、レーティング制は誰が誰にいつ勝ったかが重要となり、大会順位は間接的な評価になっていますが、統計学で強さを証明できるランキングです。統計で強さを証明できるというのは非常に大きな強みだとは思いますが、個人的にトーナメントを勝ちあがるのとレートを上げるのは違う強みだと考えているのでこの手法は用いません。(レーティングの計算式がちゃんと理解できない

また、YON様の発言を引用すると、

「どちらの手法も一長一短であり、シードやランキングを作成する人が好みの方を選べばよい。少々雑な話になるが、「◯◯さんは大規模大会で何度も上位に入っているから最強!」と考えるならば従来の方を、「◯◯さんはMkLeoやTweekを大会で倒しているから最強!」と考えるならばスマメイト方式を選ぶべきだ。」

YON様の「スマメイト方式でプレイヤーランキングやシードポイントを計算する」より引用

 とのことです。私はこの意見に概ね同意です。少しだけ変えると大型大会で安定して上位にいる人が最強、ただし複数人の最強を順位付けしたい時に誰を倒したかが重要になると考えています。

 ちなみにYON様のランキングは2020年3月の篝火#3~2022年12月18日までの大会、本ランキングは2022年下半期のランキングなので単純な比較はできませんが、是非ご覧ください。

 JSR ver1.0 の仕組み(SJPRと変わらない点)

 前回と変わらないところは以前説明してあるので簡単に、

  • 現在広く知られているJJPRとは異なり、シーズン制のランキング(2022年7月1日~12月25日の大会を対象)

  • 参加者の質を考慮し、大会参加者数、トッププレイヤーの数から大会価値を決定

  • Startgg以外の大会も対象

  • 国内大会2回以上参加した選手を対象

  • TOP200のみを公開

詳細は以下の記事をご覧ください。

JSR ver1.0とSJPRの変更点

  • 獲得ポイントが同じだった場合、大会参加数が少ない方を上位とする。大会参加数も同じだった場合は同率とする。

  • 招待制大会も対象。ただし上位勢が参加している招待制大会のみを対象とする。

    • 対象としたのは他の海外大会でも対象としていたため。また招待制大会に招待されるには疑似的に予選を通過しているものとみなせると考えたためです。ただし参加するだけでポイントを獲得することを防ぐために、参加人数の半分を下回る順位はポイントを獲得できないものとします。

    • また日本の招待制大会は人数が通常に比べて極端に少ないため、大会Tierが低めになるためTournament Tier Points(TTP)を1.5倍にする。

  • Top Playerの対象を前回50人だったのを100人までに変更。

    • A,B,C,D Tierの4段階で上から100pt 10人、50pt 20人、30pt 30人、20pt 40人の合計100人とする。

  • 大会参加人数は棄権したプレイヤーの数を除くように変更

    • 前回もそうするべきだったが、すべて手作業だったため不可能だった。今回はプログラムを組んでもらったため可能

  • 海外大会のポイントはOrionRank作成者:Barnard's Loop氏が作成しているOrion Statsをもとにポイントを決定

    • 海外は地域ごとの上位100人がわからないためTPPを求められない。そのためOrionStatsを参照。本ランキングで計算したB tier以上の国内大会のポイントとOrion Statsのポイントの比を求め、その値の平均値を海外大会のポイントにかけて決定。

    • ただしApex2022は上位3シードが棄権したため、ポイントを0.7倍しています。目安は以下のツイートによると、新しいOrionRankの手法であれば2600pt以下とのことなのでそうなるように処理しています。

↑ ApexがDQ処理後ポイントが下がるとの発言

↑ OrionStats

  • 国内ランキングのため海外大会の影響を通常より低めに設定

    • 今期は日本勢の海外大会参加者が多く、海外大会の影響が大きくなりすぎるのを抑えるために上記の方法で決定した海外大会のポイントを0.8倍しています。

  • ポイント減算処理の追加

    • Top Playerは大会に参加するだけでTTPが上がるため、前ランキングに載っていない選手よりも獲得ポイントが高くなりやすい。少しでもそれを改善するため、前期Top Playerだった選手はポイントを獲得できない順位となった場合ポイントを減らす処理を行う。Stier大会はベスト96、A,Btier大会はベスト64に入らなかった場合減算処理を行う。減算ポイントは選手のtierにより、例えばS tier大会でA tierの選手が97位となった場合-100pt,129位だったら100*1/0.75=-133pt。

Top200の大会参加数
  • 大会参加数が10回以上は下記の順に処理

    • 安定感を評価するために可能な限り多くの大会を評価対象としたいが、大会数が多くなりすぎると過剰評価されてしまう。それらを防ぐために大会参加数が減る10回以上を下記の手順で処理する。

  1. 大会Tierが低いものから順に除く→大規模大会の結果を重視

  2. 同Tierならば海外大会を除く→日本ランキングのため海外大会の影響を減らすため

  3. 同Tierならば獲得ポイントの低いものを除く→大規模の結果を重視するなら同Tierのポイントが低いものから除くべきだが、同Tierでは大会同士にそこまで大きな差はないが、準優勝などの好成績がなかったことになることが多く、ランキング納得感が薄かった。そのため多くのランキングで広く用いられている獲得ポイントの上位を用いるという手法の一部を利用し、安定性と爆発力のどちらも評価する中間択を採用。

 まだ課題もありますが、徐々に改善していければと考えているので今回はこのような手法でランキングを作成しています。

ランキング対象外となった上位プレイヤー

 上記のような手法でランキングを作成しましたが、残念ながらランキング対象外となってしまった選手が存在しています。そちらを以下に紹介します。

対象外となった理由
Tea選手:海外大会で多くの結果を残すも、今期国内大会に1回しか出場していなかったため。ただしTOP10以上の実力は明らかなので次回ランキングではA Tierとして扱います。

Yez選手:篝火#8で9位、SSCで25位と国内大会、海外大会どちらも一度しか出場していなかったため。獲得ポイントからC Tier以上はあると思われるため、次回はC Tierとして扱います。

Lea選手:今期はDouble Down 49位のみ。前期は21位で今期は大会に出場していなかったため評価ができていないので、前期の結果を参考にしつつ、今期唯一の大会結果が振るわなかかったことから次回はC Tierとして扱います。

のっとん選手:本ランキングの最大の被害者(申し訳ございません)。前期は97位、今期も多くの大会に出場しており、地方大会でポイントは獲得できていたものの、B Tier以上のスマバトなどで結果が振るいませんでした。10体回以上出場していたためポイントが獲得できていなかった多くの大会がポイント計算に残り、ポイントを獲得していた地方大会が除外されてしまいました。このままだと遠征と地方大会どちらもたくさん出るのが損ということになりますが、それは本意ではありません。次回は要改善。調整前や前期はD Tier相当だったため、次回はD Tierとして扱います。

Top100

 お待たせいたしました。今期Top100を紹介いたします。101~200位はスプレッドシートをご覧ください。

A Tier Top10

B Tier ~Top30

C Tier ~Top60

Rizeasu選手は2023年1月1日に有限会社キッツェミサ様にスポンサードを報告
Huto選手は2023年1月1日にGSG脱退を報告

D Tier ~Top 100

Top200まではこちらのスプレッドシートをご覧ください

今後の課題

 本ランキングの課題をここにまとめます。気付いていないだけで他にもまだまだあるかもしれませんが。

1. Top Playerが少数の大会は過剰に評価される。

 Top Playerが多く集う大会は問題ありませんが、Top Playerが少数の場合、そのTop Player以外に過剰にポイントが与えられてしまいます。また大規模大会では好成績を残せないTop Playerが単独で地方大会に多く出場して優勝をしていくとポイントを高めに獲得することになります。地方大会に強豪が遠征すること自体は良いことなので、Top Playerが何名以上参加していた場合、ポイントを高くするというような処理が必要かもしれません。

2. 地方大会、大規模大会どちらも出て、損が生じている

 今回はのっとん選手がたくさん大会に出て、逆に損をしてしまう結果となりました。現状このランキングは界隈の知名度が低いので大きな問題ではないですが、万が一このランキングで上位を取るために大会を選ぶというようなことが起きてしまっては困ります。このような事態は本意ではないので、多く大会に出ることが損にならないように修正するべきと考えています。

3. 海外大会の影響が大きくなりすぎる

 今回海外大会が20回近くあり、かつ参加人数も多かったため海外大会に参加しているか否かでランキングに影響を大きな影響を与えていました。

 日本ランキングなんだから海外は入れなくてもいいだろうという声も聞こえてきそうですが、海外大会で好成績を残している選手のランキングが低いのはランキングに納得感が無くなる気がします。過去のJPRでは海外大会を入れなかった結果、違和感のある結果になったことがあるそうなので、私は海外大会を含めるべきであると考えています。

 ただしすべての海外大会ではなく、GenesisやThe Big House,Summitのような大規模大会のみとするというのもありかもしれません。次回までにどうにかしたいと思います。

4.大会参加数の少ない選手が過小評価される

 この仕組み上しょうがないことではありますが、最も大きな問題とも言えるかもしれません。過剰評価は防ぐ処理を取っていますが、現状過小評価は見逃しています。今までの大会結果から1試合当たりの平均ポイントを求めて全員同じ大会参加数とみなすという方法もなくはないですが、その場合2,3回上振れたらその後の大会に参加しない方がよりいい結果となるということが考えられるため採用していません。

ランキングの利用について

 許可など取らずに利用していただいて構いません。ただしこのランキングデータを販売、ランキング結果から特定のプレイヤーを誹謗中傷する行為に用いるなどはお控えください。一般的な利用範囲であれば問題ありません。

終わりに

 今回は2回目のランキングを作成してみました。前回よりは良いランキングができたと思います。今期ランキングが作成できたのは大会結果の自動収集プログラムを作成してくださった、Rin様のご協力のおかげです。ありがとうございました。来期も分析・ファイター分布・ランキング作成を続けて、スマブラ観戦を楽しんでいきたいと思います。

 ここまで見てくださってありがとうございました。よろしければ今後も競技シーンの分析やランキング作成などを続けるのでフォローやスキなどよろしくお願いします。また、指摘や質問、リクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントよろしくお願いいたします。

スペシャルサンクス

Rin

大会結果自動取得のプログラムを提供していただきました。このプログラムなしではランキングは作成できませんでした。改めて感謝申し上げます。

YON

スマメイト方式のランキングの考案者。本記事におけるレーティング制ランキングの例として紹介させていただくことをご承諾してくださいました。改めて感謝申し上げます。

YON様考案スマメイト方式ランキング

大会主催者及び選手各位
 皆様が大会を開催、参加してくださるおかげでランキングの作成、日頃の大会観戦を楽しむことができています。改めて感謝申し上げます。


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