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40代から変わる人生「記憶の道具」26

難しい本を読むコツ

 いまキッシンジャーの「国際秩序」という本を読んでいます。難解、というわけではありませんが、力の均衡(balance of power)という考え方に至る歴史的な経緯が縷々述べられている大著です。
 権謀と混乱、戦いと血と疲弊の長い歴史の中で鍛えられた、実用的な手段としての「力の均衡」という考え方。いま大きな変局点を迎えている世界秩序を俯瞰的に理解する上でとても力になります。
 ということで、この本について「人に語れるように」したいと思いながら読んでいるのですが、そうするには少し歴史の知識を豊かにする必要があります。17世紀のフランス、ルイ13世の宰相を務めたリシュリュー。現在のドイツ地域を中心に起こった30年間にわたるカソリックとプロテスタントの宗教戦争。その解決策としてのヴェストファーレン和平条約、等々。どれもこれも聞き覚えはありますが、どんな人だったのか、どんな戦争だったのか、どんな条約でどのようにして生まれたのか、まったく知りませんでした。
 そうしたキーワードや年代を、「キオクの達人」に入れて忘れないようにしはじめました。たぶん、100件ぐらい頭に入れれば、17世紀から現代につながる外交史・地政学を理解できるようになると思うのですよね。

いまの国際秩序を理解するのに必須の一冊

 この100件という数字、200件かもしれません。50件ではなく、500件でもないという程度の意味です。私の経験では、新しい分野を理解するのに必要な知識は、数にすると大体そんなものなのです。専門書を読むための基礎知識。専門家の話を理解し、質問ができる知識の数です。これ、忘れないようにすれば1~2か月で何とかできるレベルです。
 この入門レベルをササっとクリアすると、後が楽になります。もっと深い、詳しい知識も、雪だるまをつくるように楽しく学習が進みます。
「あ~ぁ! いっぱいわからん単語が出てくる!」とイライラしはじめたら、いったん読むのは止めて、知らない単語を「キオクの達人」アプリに入れて、スキマ時間を使って忘れないようにしておく。イライラが治まったら読み進む。するとあら不思議、スラスラ読めるはずです。そして覚えたことを使って友人と話しあってみる。気づいたら新しい教養が身についているはずです。いや、ついています!


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