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【後編】服の呪縛と試着旅with自問自答ガールズ

はじめに


前回↓の続きです。

バーニーズニューヨークとsacai

バッグを見た後、服のエリアへ。なっ…なんて静かで厳かな雰囲気なんだ…。1人だったら引き返してた。

めのうさんが1着の服を勧めてくれる。白のトップス(sacai)で、肩にボリュームがあって可愛い。……しかし私は肩幅が広いのがコンプレックス。それが一層際立ってしまいそうで気が引けた。しかし可愛い。覚悟を決め、試着室へ。


…なんか…カッコいい…!!??

下はGUの黒のテーパードパンツだったんだけど、モノトーンでとても引き締まって見えた。肩幅は全く気にならなかった。似合っていた。こちらも、自分がそれまでの印象とは違って見えた。

このトップスに、紺のロングスカート(バーニーズニューヨーク オリジナル)を合わさせてもらう。スカートの上半分は、同じ生地で出来た大きめのフリルの装飾があって可愛い。いざ試着。ドキドキしながら、履こうとサイドのチャックを下ろす。

⋯⋯あれ!?チャックこんだけしか長さがない(履き口が広がらない)の!?

と、焦りながら両足を入れて持ち上げる⋯が、案の定、極太 太ももでつっかかった。腰でも尻でもなく太ももで!!嗚呼なんてこと!!!!

恐る恐る、すみませ〜んと、スカートを手にして店員さんを呼ぶ。⋯ すぐに1サイズ大きいのを持ってきてくれた。

自問自答前の私なら、自分の情けなさで泣いてただろう。「なんでこんなに太いんだ。ダイエット出来ない。頑張れない続けられない。頑張ること以外は何の取り柄もないクズなのに!」と。けど、それがなかったのには驚いた。ショックなはずなのに。

自分を甘やかしてなどならぬと首を絞めて過ごす日々からは、いつの間にか卒業していたようだ。

リベンジしてもう一度鏡の前へ。トップスの前の方だけスカートにインする。そして、店員さんが襟の後ろをすすすっと後ろにやる。

「こうして抜け感を

ファー!?雑誌とかで見るオサレなやつー!!(珍しいことではないのかもしれないが自分でそれをやる発想などない。)

Y´sの全身コーデの時とはまた違う雰囲気だった。けれどもすごく似合っていたし、女性らしいシルエットなのにとてもカッコ良く見えた。10歳近くも年下に見られ、侮辱されることも絶対にないと思えた。(あの時の恨みは一生忘れないし忘れてやらない。)

これは…トップスもスカートも両方欲しいな。どうしようか。でも、Y´sの服も欲しい。結局決められないまま、すぐ近くのクリニックでする眉アートメイクの時間が迫っていた。めのうさんと過ごすのも、元々この時間までという約束だった。

ご厚意で、眉アートメイク後も付き合っていただくことに。帰りの電車の時刻も迫っている為、その2店舗へ購入の為だけに。申し訳ないけど、1人で向かうのは心細かった。甘えさせてもらった。

クリニックで施術してくれるお姉さんに、今日の試着の感想を話し自問自答ファッションを布教する。話してるうちに意思は明確になった。Y´sのシャツワンピと、sacaiのトップスと、バーニーズニューヨークのスカートの計3着を買う。

早くても1時間半はかかると言われた施術だけど、1時間で間に合わせてくれた。感謝するしかない。眉の痛みなんて全く気にならないほど、浮足立ってクリニックを後にした。

近くで時間を潰してくれていた めのうさんと再び合流する。お店に行き、見守ってもらいながら購入の手続きをする。服は2店舗とも、店員さんがとっておいてくれた。ありがたい。


1着5万円以上の服を、同日に3着も購入した。2000円台の服を穴が空いたり色褪せたりヨレヨレになるまで着ていた私が。信じられなかった。

後悔は微塵もない。帰宅して若干 冷や冷やしながら着て見ても、お店で試着した印象のままだった。夫に見てもらったが、「可愛い!良いお買い物だね!!」と言ってもらえた。(※値段はまだ申告できていないので働いて収入が入ってからします。)


おわりに

今回の試着旅は、時間が限られていることもあってか、かつてないほどの怒涛の勢いだった。お店に入ってもオロオロするばかりの私に、どんどん試着のGOサインを出してくれた めのうさんに感謝します。

気付いたことがたくさんあった。まず私は、身体のコンプレックスのせいで無意識のうちに苦手を増やし、試着する物を制限していた。骨格診断でもパーソナルカラー診断でも、似合わないと言われていないものまで。

身長が低いからロングスカートは引き摺る、肩幅が広いから肩にボリュームがあるのは無理、柄物は自分の存在が消える、キラキラビジューには自分が負ける、白や明るい色は似合わない…。

他にも数え切れないほどたくさん。「〇〇はどうですか?」「これなんかどうですか?」と勧めてもらう度に、「うーん…、✖✖だから…。」と、歯切れの悪い返事ばかりしていた。

私はこんなにも、苦手なものが多かったのかと自分でびっくりした。まるで服そのものを恨んでいるレベルで。それじゃぁ、服屋さんに行きたくないわけだ。

靴とバッグの試着は、楽しかった。靴は大変だったけど、最高の物をお迎え出来た。バッグはまだ購入できていないけど、100個試着は楽しかった。

しかし服試着は事情が違った。正直100試着を楽しみにしているわけではなかった。だって、「行ったところで…。」と思っていた。

146cmという身長、標準よりも短い手足、身体の厚み、肩幅…。コンプレックスまみれの私が本来のシルエット通りに着れて、尚且つ好きで、さらに似合う服なんて。望みは相当薄かった。期待は、していなかった。

この1日だけで、多くのトラウマと苦手意識が浄化した。苦手だと思っていた物は似合っていたし、服はこんなにも気持ちを明るくさせてくれるんだと知った。こんなにも魅力的なブランドが存在するんだと知った。私にも、自信を持って着れる服があったんだ。


「バッグ試着を91個以上しても全然購入候補が見つからない。」と嘆いていた私に、あきやさんは「いつか必ず、出会える時が来ます😊焦らずにいきましょう。」とコメントしてくれた。(※ニュアンス違ってたかもしれません)

しかし、そもそも あれもこれもダメと、制限をかけていたら出会える物も出会えないのだ。

無意識に服を恨んでいた私を、救い出してくれた試着旅だった。

「なりたい」だけどころか、自分の好きすらも曖昧になっていた。ぼんやりしている私の手を引いてくれた めのうさん。本当に本当に、ありがとうございました。

そしてこんなにも素敵な自問自答ガールズとの、出会いの土台を築いてくれた あきやさんに改めて感謝を。



最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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