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グレーゾーン 2


自分が持っている服は
ベージュとかグリーンが多いと
勝手に思っていたけれど、
昨年の春ごろに薄手のニットを試着していると
「Oさん、またグレーじゃないですか。
他の色のモノも着てくださいよ」
と同僚のKにたしなめられ、
その時は「え、、そうかな」と一瞬思ったものの
帰宅してから折り重なった衣類をまじまじと見てみると
「あ、、確かにグレーが多いな」
と思ったのである。

実は白、黒というはっきりした色は
インナーとして着ることはあるものの、
身につける回数は多くない。
一口にグレーといっても
白っぽいライトグレーから
黒に近いダークグレーというように幅広く、
個人的にはこれが結構便利なのだ。


人というのは、
案外他人からどう見られているのかが
よくわからないもので、
鏡に映った姿を見る自分の視点というのは
自己以外は得られないアングルであり、
他者からどう見られるのかは
もしかしたら一生涯わからないのかもしれない。

こちらの気持ちが相手に伝わらないことに
もどかしさを感じる時もあるけれど、
よくよく考えると
「悟られたりしたら逆にたまったものではないな」
という感じすらある。

他人の感情を想像することはできたところで
自分が具体的な何かを差し出せるわけではない。
出来ることと言えば、
せいぜい相手の邪魔をしないことぐらいなのか。

今よりもっと若い頃は
むき出しの正義感でもって白黒つけたがる傾向があり、
相手ではなく自分の首を絞めているのではないか
と思われる時も多々あったが、
年を重ねるにつれてヴァイタリティ自体が下降気味になり
どっちつかずの立場をとるのを増やすことで
自己を防衛しているのだろうか。



春先の夜明けを横目にして、
曖昧模糊な日々を続けている自分には
グレーの色がどこまで染みこむのか。

不安と楽しみとが同居しているのを
よく感じるこの頃です。







以上

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