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Kさんが退職した理由。

僕がとても尊敬していた同僚のKさんが今日、退職した。

Kさんは3年前に僕の職場に入職してきたのだが、一緒の部署で働いたのはわずか一年弱と短い期間だった。

それでも、Kさんの考え方や、在り方に感銘を受けざるを得ない毎日を過ごさせてもらった。

退職は非常に残念だが、退職にいたる経緯があまり良いものではなかったのはもっと残念だ。まぁ、それもある意味で、Kさんらしいといえばらしいのだが。

Kさんは僕よりも9つも年下で、同僚というより後輩にあたるのだが、
仕事は結果が全て、実力ないやつはすっこんでろと言わんばかりのパワー戦士だった。

はっきり言ってしまえば生意気なやつだったし、仕事上で疑問に思った事は、先輩だろうと上司だろうとガンガン突っ込んでいく。

さらに突っ込んで、その場で答えられないやつとは話す価値がないと言わんばかりに、自分と対等な人間を求めているようにも見え、さらにそいつをバキバキに叩き割りたい人だ。

正直にいえば、僕も最初Kさんが苦手だった。

年下のくせに、いきなり僕の仕事にすごい口を出してきて、面食らった日を今でも思い出す。

「ちょっと聞きたいんすけど、あれどうなってんですか?何であんな事やってるんですか?」

とか、

「あの件、ちゃんとチームで話し合っていますか?話し合っていたらこんな事になっていないと思うんですけど。」

とか、・・・なんだこいつ、なんで年下のやつにオレがここまで言われなきゃいけないんだ、と脊髄反射で僕の中でKさんへの拒否感が一気に噴き出た瞬間だった。

でもKさんに言われた事は、全部が全部ではないが、図星のところが多く、僕自身が今の職場で長く働いているが故に甘えてきた部分でもあった。

それに、何よりも大事なことは、

今まで、そんな事を面と向かって言ってくれた人はいなかった。

それからの三年間の僕は、どこかでKさんを見返してやりたい気持ちで働いてきたような気がする。

でも僕がそう思うくらいなので、周りの人間もKさんとどう接していいかわからなかったのではないだろうか。

そんな人間だったから、職場で浮いている所もあったし。周りから好かれているかどうかで言えば、正直嫌われていたのではないかと思う。本人も自分で認めていたが。

ただ、Kさんには、圧倒的に実力があった。

もちろん、
実力があれば、多少人間性に問題があっても許されるのか?
実力があれば、何を言っても許されるのか?

と、聞かれれば、

答えはNOだ。

世界はそれを許さない。たった一度の失言や過ちで、頂点から叩き落された有名人を僕らは何人も見てきてる。

残念ながら、どんなに実力がある人でも、いや、ひょっとしたら実力があって、結果を出して頭一つ抜きんでた人にほど、僕らは清廉潔白な人格を望むのかもしれない。

Kさんが退職にいたった理由は、彼自身が引き起こした結末と言えなくもないけど、僕を含めて周りの人間がKさんを扱いきれなかった結果だとも思っている。

やっぱり、残念だ。

こんばんは。
最後まで読んでくれてありがとう。
今回は本当に個人的な思いで書きました。

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