発端~社会人3年目が行く、東海道五十三次珍道中の始まり~
明日暇?くらいの友人からの何気ない誘いが、人生を変える出来事に繋がったという人はそれなりにいるのではないかと思う。
あるいは、人生を変えるほど大げさなものでなくても、一生の思い出になるようなイベントのきっかけくらいにハードルを下げると、もっと多くの人にとってあるあるになるのかもしれない。
私の人生でそれは2回あって、1回目は大学2回生の時の学部の友人からの誘いで、それはちゃんと前者になった。
そして2回目は社会人3年目になる2021年の秋に同期から来たラインで、これから始まる東海道五十三次の旅のきっかけになった。
社会人になってから東海道五十三次を歩く旅というのは、コンテンツ力で見ると絶妙なラインで、飲み会で話すと必ず一花は咲くし自己紹介とかでも確実に覚えてもらえるけど、ヒッチハイクとか全国・世界一周ほどのたくましさやパンチ力はない。
この感覚を大富豪で例えるとエース二枚出すくらいの感じで、だいたいはそのターン勝ち抜けできるくらいの固さだけど、でも2とかジョーカー出されて返されることもまあそれなりにあるみたいな。
ここから始まるのは社会人3年目が同期と休日使って江戸・日本橋から京都・三条大橋まで歩いた滑稽話で、東海道を歩いたことのある人にとってはあるあるネタとか、追体験とかの感覚で楽しんでもらえるといい。国道1号線からちょっと外れてまた戻る細道さすがに多すぎがちとか。
歩いたことない人にとっては、なんとなくスマホいじるくらいの暇な時に読んでもらい、これを読んだだけで東海道を旅したように楽しめる簡易キットのようになってくれるといい。
そしてこれがあわよくば前任(十辺舎一九)を超えるくらいヒットし、印税収入で一山当てて、人生を変えるきっかけになったらなおよい。
東海道五十三次を書いたブログはたくさんある。東海道は歴史ある自然豊かな道だから、多くのブログが必然的に街道沿いの歴史とか自然とかを紹介している。
その一方、東海道を歩く人に焦点を当てたバカバカしい滑稽話を取り扱っているブログはそんなにない。
それに、旧東海道から一歩も外れてはならないという謎ルールを自分たちで課したせいで、あんま周辺の史跡とか寄れなくてそもそも語れる知識も経験もないから、これから始まる旅の話は滑稽話を中心にしていこうと思う。
なんかこの箇所、卒論でやった先行研究との浅い比較みたいな文章になってしまった。
東海道歩きのきっかけに話を戻すと、社会人3年目になった2021年9月25日の土曜日に、社員寮の隣の部屋に住んでいる同期の松田(仮名)から「中山(仮名)から旧・東海道の散歩に誘われているんだけど、明日予定ある?」というラインがいきなりきた。
社会人も3年目を迎え、さらにまだまだコロナ禍の真っただ中だったから同期と遊ぶ機会も減ってきた中で、脈絡もなく来たラインだったからいきなり感が強かった。
いきなりといえば、「いきなりPDF」ってなんでいきなりなんだろう。商品名から情景が全然頭に浮かんでこない。
情景が思い浮かばないからか、会社でも周りに商品名間違える人結構いて、ナチュラルに「なんでもPDF」って間違えてる人もいた。
ひらがな四文字の何かで思い出したんだなっていう、割と間違えた思考回路が分かりやすい間違いだけど、冷静に考えるとなんなら「なんでもPDF」の方がしっくりくる気もする。
東海道歩きのきっかけに話を戻すと、日曜に「旧・東海道の散歩」っていうくらいだから、軽く10kmくらいどこかの区間歩いて1日で終わりなんだろうなというイメージで受け取ったから、そのくらいのノリで行くことにした。
多分発案者の中山も仲介人の松田も、この時点ではどこまで行くか考えずに誘ってきた様子で、なし崩し的に京都・三条大橋まで行くことになるとは誰も予想していなかった。
「誰も予想していなかった」と書くと壮大な感じがするが、別に予想外の出来事が起こったから三条大橋まで歩く羽目になったわけではなく、東海道歩くなら最後まで行こうってなるのは全然予想できる範囲なのに、単にみんな何も考えていなかっただけ。
というわけで2021年9月26日、いつもより少し早起きする羽目になって、ちょっと眠い頭で、断ってもよかったかなとか軽く後悔しながら、電車で東京駅に向かう。
次回はこちら↓
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