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Fort Worth Teen Scene The Major Bill Tapes vol.2

以前にあげたLarry & The Blue Notesと同じThe Major Bill Tapesシリーズです。

個人的にはこのVol.2を先に手に入れていたんです。
それもかなり早い段階でした。理由はテキサスと入っていたから。
思い出深い一枚といえます。

Fort Worth Teen Scene The Major Bill Tapes vol.2 

まずはトラックリスト

A1	Electric Love–	Gotta Get Back To My Baby
A2	Electric Love–	This Seat Is Saved
A3	The Elite –	My Confusion
A4	The Elite –	I'll Come To You
A5	The Elite –	Bye Bye Baby
A6	The Elite –	One Potato
A7	The Ron-Dels–	Lost My Love Today
A8	The Ron-Dels–	Lose Your Money
B1	The Livin' End –	Your Kind Of Love
B2	The Jades –	I'm All Right
B3	The Jades –	Little Girl
B4	The Jades –	Don't Bring Me Down
B5	The Jades –	Mercy Mercy
B6	Charles Christy & The Crystals–	For Your Love
B7	Charles Christy & The Crystals–	I'm Down
B8	Larry & The Blue Notes –	Night Of The Phantom

Vol.1とは異なり、複数バンドのコンピレーションとなります。

The Elite

The Eliteは同じ高校の同級生三人で結成されました。当時17歳。
もう一人のメンバーは週末限定のメンバーでした。
彼らは当時地元で行われていた十代のバンドのコンペティションに次々と勝利していて
Fort WorthにあったTeen-a-Go-Goというクラブの箱バンドでした。
メンバーはその後別々のバンドに加わっていったようです。

そんな彼らのリリースした曲はほぼ収録されていますが、
特に有名なのはOne Potatoですね。
あのSurfin' Birdみたいなやつで、ウマウマいってる曲です。
これがデビューシングルだったんですよ。

それ以外ではMy Confusionがなかなか良いです。
シンプル、ソリッドなガレージナンバーです。ギターが歪んでいないのも好青年っぽくていいですよね。

トワイライト系に人気がありそうなI'll Come To You、オルガンが入ったゆるいBye Bye Babyも決して悪い出来ではなく、
もっとたくさんの曲をリリースして欲しかったバンドですね。

The Ron-Dels

久しぶりにこのアルバムを通して聴き直して見て、一番心に沁みいったのは彼らでした。あれ、こんなにいいバンドだったっけ?という感じですね。

もう少し詳しく調べてみようと思ってFuzz, Acid and Flowersで確認してみると、意外とリリースは多くありました。
重複するものを含めて9枚のシングル、これは立派な数です。

If You Really Want Me To, I'll Goという曲、カントリーっぽい感じで、
まあね。ほら心温まる曲なんです。
特別好きとか嫌いではないけど、カントリーってだけでなんか引いてしまうのですが、
これが全米で97位のヒット。
これが成功の第一歩。

ただしThe Ron-delsの成功ではなく、歌手Delbert McClintonさんの。

あまり興味はないので読んでないのですが、カントリーとかブルースとかのスターになったようです。

肝心のThe Ron-delsはヒット曲の後はパッとせず。
コンピレーションアルバムに収録の、ぼくの好きなLost My Love Todayなどはありますが、売れません。

この曲軽快なフォークロックといえば簡単なのですが、何かが違う。
その後の話などを加味すると、微妙なルーツミュージック感なのかもしれません。
The Byrdsのような洗練されたものではない、ローカルバンドの良さだと思われます。テキサスだからこそのローカル感とでも言いましょうか。保守の地盤と言いましょうか。

しかし、不思議なもので、後年になっていくとそのバランスが失われていきます。
あまり面白みのないカントリー、ブルースがルーツのポップスになってしまっていました。
つまりLost My Love Todayが不純物だったと思われます。
そしてその方がガレージバンドらしく個人的には好きだけど、一般的にはそうでもないのは商業的に証明されています。
なんともよじれた問題です。

困惑のThe Jades

The Jadesには困りました。
当初このアルバムで一番のお気に入りはThe Jadesで、よく聴いていました。アルバムの中で一番わかりやすく、十代の男子の耳を捉えるにはもってこいだったのですね。
そうして気に入ったThe Jadesですが、問題は彼らの音源を探そうにも、同じ名前のバンドが多いのです。
しかも、テキサスに二ついるという被り具合。

具体的にはこのアルバムがFort Worthと言っているのですが、DallasにもThe Jadesがおりました。
こうなってくると土地勘がないとよくわかりません。

そんな時に見つけたのが、
The Jades of El Campo & Huston
これは・・・、また別なのか?

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ジャケットを見る限り、絶対に違うバンド。特に右端。
でももしかしたら・・・、万が一があるかもしれないと購入して見ました。

はい、結果はいうまでもなく別のバンドでした。音も全然期待していたものではなく。
これはEl Campoというところで組まれたThe Jadesというバンドで、のちにPure Jade Greenと改名したとか。

色々調べていて見つけたのがこのアルバム。

うわー、これいいわ。
いつの日か出会えるといいですね。

念のため調べるとYouTubeにこの曲だけあった。

あなたが想像するよりずっと遅い。涙はゆっくりと、流れるものなのですね。

The Jades

話をコンピレーションアルバムに戻しましょう。
I'm All Rightはギターリフだけでもう満足するくらいのガレージナンバーです。
とても好きな曲なのですが、共感を得たことはありません。
なぜでしょう。友達がいないからでしょうか。

Mercy Mercy、Don't Bring Me Downといったカバー曲もかなりレベルが高いです。
オルガンが印象的に入っていて、どちらもかなり前に出てきます。
Don't Bring Me DownはThe Animalsの忠実なカバーといった感じです。
でもそれよりもずっとオルガンがうるさい。あなたの想像よりも少しだけうるさい。

通して聴いて見ると、このボーカルもかなり魅力的ですね。
イギリスっぽい、独特の軽妙さがある声がいいです。
Little Girlではしゃがれた声を一生懸命出していたりします。
結果として彼のおかげでかなり高得点なガレージバンドに仕上がっています。

音源

このコンピレーションアルバム自体は見当たらなかったのですが、
Spotifyにある、Fort Worth Teen Sceneというコンピで結構カバーできています。(全3作)

そして、そいつを今聴いている。次はそちらでね。


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