高校物理の苦手意識2

なぜ物理を忌避してしまうのか。考えたことを以下にまとめます

1つ目は数学が苦手なこと。高校物理からはニュートンの方程式や波を学ぶ際に微分方程式や三角関数を用いるが、そもそも数学が分からずにつまづいた人も多いはず。数学がわからないのに数学を活用して物理を学ぶのは不可能だ。また、私が高校生の時、数学より先に物理で三角関数を学んだ。これはどう考えてもおかしい。分かるわけがない。

2つ目は物理で登場する概念が抽象的であること。生物だったらほとんどが観察可能で絵に表すことができる。物理はどうだろうか。位置エネルギーと言われて想像するのはどんな絵だろうか。おそらく高い位置に物体がある絵だろう。その絵を指して「どれが位置エネルギーですか?」と言われたら答えられるだろうか。このように物理で大切になるエネルギーは物体そのものではない。力も図に表す時は矢印を書くが、実際に矢印がある訳ではない。間接的に観測できても、それ自体を観測できない。だからわからないのではないか。実際、高校の時の友人は「公式は分かるが何を代入すればいいのか分からない」と言っていた。ma=Fの力Fが何だか分からないのだ。

3つ目は大学受験に使用すること。大学進学が多数派になる現代では、大学受験がその人の人生を決めてしまう時もある。そんな時、より安定を求めてしまうのは仕方ない。生物や化学は暗記が重要になる。逆にいえば暗記さえすれば点数が保障されるのだ。一方物理は計算力が重要で(1)で躓くとそれ以降の問題が全ておじゃんになる。点数にムラができやすい。生物と物理の平均点を比べると一目瞭然である。そうすると、努力が形になりやすい生物や化学の方を選ぶ人が多いのは明らかである。

4つ目は、小学、中学理科の「ウソ」だ。電流と電子の流れは逆だし、いきなり摩擦や空気抵抗を考慮する必要が出てくるし、光は直進するだけではなく回折も干渉もする。あまりにも簡略化して存在をなかったことにされて教えられてきたのに、いきなり実は…と言われてすんなりと理解できるだろうか。小学、中学で次のレベルへの足掛かりを作らなければならないのではないか。

とりあえず4点挙げてみたが、よく考えるともっと多くの理由があるように思う。次回はどうすれば苦手意識を解決できるか考えたい。

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