#166抗日遊撃戦争論

戦略に関する本を読んでいた際に参考にされていた本書。遊撃戦がどのようにして主戦と呼応しながら戦争における目的を達成していくか、毛氏の緻密な観察に裏付けられた戦略がそこにはあることを窺い知ることができる。何事を行うにも、その事業の特徴と勝ち筋がどこにあるかということを頭に入れた上で始める必要がある。

・遊撃戦争は、大きくて弱い国が、小さくて強い国に攻撃されている時に生じる。占領地区には空白のところがたくさん残るからである。

・戦争の基本原則は、できるだけ自己の力を保存し、敵の力を消滅するということ

・遊撃戦にあっては、速決性が非常に要求される。できるだけ多くの兵力を集中し、悟られないように迅速に行動し、不意に敵を襲撃し、素早く戦闘に決着をつけること。抗戦能力を強化する時間を稼ぐことができる。

・主導権というものは、いかなる天才といえども生まれつき持っているものでは決してなくて、ただ聡明な指導者が客観的状況を真面目に研究し、正確な判断を下し、事実上、政治上の行動を正しく処理することによって、初めて生まれるものである。

・行動を起こすときには、あらかじめ、できるだけ厳密な計画を立てておかなければならない。これは、全ての行動に先行する準備作業である。

・遊撃戦争と正規戦争との呼応の問題。自己の勢力を適切に配備し、時と場所の状況に応じて異なった方法をとり、敵が最も危険だと感じているところや弱いところに向けて積極的に行動を起こし、敵を弱体化させ、牽制し、敵の輸送を妨害していく。

・遊撃戦争における指揮の原則は、一方では絶対的集中主義に反対すると同時に、他方では、絶対的分散主義にも反対することであって、戦略面では集中的指揮をとり、戦役や戦闘の面では分散的指揮を取ること。


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