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略歴 : 東大工学部 → 外資系証券金融市場部門 趣味 : 歴史、経済史、ファイナンス…

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略歴 : 東大工学部 → 外資系証券金融市場部門 趣味 : 歴史、経済史、ファイナンス理論、ブロックチェーン 愛読書 : 道は開ける(稲盛和夫)、投資で一番大事な20の教え(ハワードマークス) 本を読んだ際の思考とまとめを投稿しています。

最近の記事

#220ヘッジファンドのアクティブ投資戦略

ベールに包まれているヘッジファンド戦略の収益の源泉として何を用いているのかを網羅的にまとめてくれた本。モメンタムとバリュー投資が長期的に通用するものだというのを行動経済学的観点からもサポートしてくれる。ファクターに関する論文に関して一通り読んでみようと思う。以下本書から気になった点を抜粋。 ・市場が十分に効率的ならば、収集できるであろう全ての情報がすでに価格に反映されているためアクティブ投資は無駄になるが、アクティブ投資家がいないと市場は効率的にならない。証券市場が非効率的

    • #219 マーケットのテクニカル分析 

      マーフィーによるマーケットテクニカル分析の本書。網羅的に書いてあり初学者から知識の整理をしたい人まで使いやすくなっていると思う。自分の中で気になった点をメモしておく。 ・トレンドのリトれーすメントは、33%〜66%までありうる。(引値でしっかりとトレンドを形成しているかが必要。) ・移動平均線としては、5-10-20でなくて、たとえば4-9-18などを使ってバリュエーションを出す。 ・適応移動平均線(相場のボラティリティに対応させて移動平均線を作る)という概念がある。フ

      • #218シュワッガーのテクニカル分析

        トレンドの確認のためにどのような作業が必要か、また他のトレーディングシステムとの差別化を図るためのエッジをどこで見つけることができるか、本書で提案されていることを試していきたい。 ・価格帯が広がっている、4週間のトレンドが広がっている、ある一定期間の高値安値を更新しているというのはトレンドが生じている良いサインになる。 ・下落してきた価格が上昇トレンドラインに接近してきた時と、上昇してきた価格が下落トレンドラインに接近してきた時は良い機会となることがある。 ・価格と移動

        • #217 トレーディングガイド

          システムトレードの基礎的な考え方が網羅的に記述してあるところが良かった。直接利用できる箇所は限られているが、テクニカルに置いて、必ず見込まれたことが達成されるとは限らないということを念頭に入れる必要があること、メカニカルにトレードすることの重要性をとく良書。以下参考になった点の抜粋。 ・アキュムレーション、上昇局面、ディストリビューション、下降局面と、相場がどの場面にあるのかを把握する。 ・アキュムレーションはセリングクライマックスにおいて始まり、その後の反動高は長続きし

        #220ヘッジファンドのアクティブ投資戦略

          #216 魔術師リンダラリーの短期売買法

          短期売買の方法に関して市場ではどのような手法が用いられているかさらに深堀をしたくて読んでみた一冊。兵法のように進退を決める早さがあり、自分が今まで取り組んできたトレンドフォロー戦略とまた違った面白さがあった。ボラが高い=ロスカットの位置を対応した場所に置く必要があるため、リターンが抑えられてしまうこともあるかもしれないが、取り入れられることは試していきたい。 ・突出高と揉みの時には、揉み合っている時に直近の高値に損切りを入れて、売りで入る。ロングを持っている場合には早めの損

          #216 魔術師リンダラリーの短期売買法

          #215売買システム入門

          売買システム全般の考えかた、設計方法、そして評価方法に関して体系的にまとめられていて、アイデアの実験には非常に面白いし、ここから形になるものも多いと思う。CB-PBシステムや、トレンドの定義に関しての学びを早速戦略に活かしていきた。 ・絞られたトレーディングの信条が反映されているシステムを用いること。 ・トレーディングシステムのパラメータの数値は堅牢である必要がある。10個程度に留められると良い。 ・1トレードあたりのリスクを限定しながら、利益を最大にする取引方法を模索

          #215売買システム入門

          #214 行動ファイナンスと投資の心理学

          市場は非効率であるという信条が自分の中にはあるわけだが、それの裏付けとなるのは行動ファイナンスであるのではないかと長い間思いつつしっかりと本を読んだことがなかったので導入書にあたる本書を読んでみた。行動経済学のメッセージの根幹にあるのは、ヒューリスティックスに基づくバイアスが市場の非効率をうむということであるが、同時に自分自身がバイアスの影響を被らないのは難しく、超過リターンを上げることは可能だが困難であるということ。逆を返せば、超過リターンは大衆心理と反するか、全く心理的要

          #214 行動ファイナンスと投資の心理学

          #213マーケットのテクニカル百科

          テクニカル分析の入門書といえば本書という位置付けであり、プライスアクションやトレンドチャネルに関して学習してきたが今一度基礎に立ち帰ろうということで読了。市場に現れる形にこういった本はページをさくが、本書はその背景で起こっていることをしっかりと説明している。見方が結構しい的になるものも多いが、引き出しとして持っておく分には良いだろう。 ・トレンドラインは、上昇の場合には二つのはっきりとした安値が必要で、下降トレンドの場合には二つのはっきりとした高値が必要となる。 ・トレン

          #213マーケットのテクニカル百科

          #212 タートルズの秘密

          ・マーケットがどのように動くか予測しようとするトレーダーではなく、マーケットの動きに対応するタイプのトレーダー ・トレンドは人により、またトレードする時間枠によって異なっていて、その違いがマーケットを形作ることにるということに注目をすべき。 ・コントラリアントレードがワークする背景としては、相場がいきすぎて、ほぼ全員がその方向へずっと進むだろうと考え始めるタイミング。 ・揉み合いは少なくとも4週間続く、長ければ長いほど、きつければきついほど(値幅が小さいほど)その後のブ

          #212 タートルズの秘密

          #211 システマティックトレード

          ロバートカーバーによるシステマティックトレードへの完全ガイドと銘打った本書は、クオンツ投資のみならず、トレードを行う全ての人へおすすめの本。戦略のアイデアの出し方、検証方法、そしてポジションサイジングに関してどのような道のりを辿れば良いかというトレードにて0 to 1へ成果を出すために必須な要素を網羅してくれている。以下本書から要点の抜粋。 ・データよりもアイデアを重視すべき。 ・ほとんどの人は損切りをしたがらないのは、自らの誤りを認めたくないというのがあるから。これがデ

          #211 システマティックトレード

          #210勝つ投資負けない投資

          個人投資家と機関投資家それぞれの観点から投資をどのように捉え実践しているかを書かれた書。ここでも投資の成功の仕方は一つではなく、それぞれに応じたやり方進め方があるのだということを思わされる。 ・投資の成功の仕方は一つではなく、勝ち方は人それぞれに存在するということ。 ・片山さんの現在の主な投資手法は、小型の成長株がその頭角を現し始める初動を捉えて集中的に投資をするというものです。 ・割安にしても、PERが将来どのようになっているかを想像して買うこと。 ・投資で大切なこ

          #210勝つ投資負けない投資

          #209実践生き残りのディーリング

          何十年相場と対峙してきた著者が記す生きた言葉には、相場の本質を語る文章が散りばめられている。特に最後の相場と人生の例えは心に響いた。相場の底で起こっているのは幸運の所有者の変更。諦めた人から前向きな人に幸運がうつっている。人生訓も非常に多く引き出せる本書から抜粋。 ・ディーラーは一国一城の主人である。自己責任であることを受け入れる必要がある。 ・ポジションの保有期間の長さが、価格変動の本質になる。ポジションが長い程強いポジションになる。 ・相場は負けたもののパイを買った

          #209実践生き残りのディーリング

          #208 続マーケットの魔術師

          トップヘッジファンドマネジャーたちがどのように投資に向き合い結果を出してきたかに関して記載された本書。どの投資家も異なるアプローチであるが結果を出してきたことには違いなく、投資に限られた一つの聖杯しかない事はなく、個々にあった手法で行うことの必要性が鑑みられる。個人的に、コルム・オシアの章が一番勉強になった部分であり、事実にあう仮説を探すこと、考えを柔軟に変えること、そしてバブルに関する知見を深められたことが良かった。以下参考になったコメントや規律をまとめておく。 ・君はト

          #208 続マーケットの魔術師

          #207魔術師達のトレーディングモデル

          テクニカル分析を横断的に学べる本。手法として新しいものはなかなかなくなってきたが、応用する際に裏にある思考がどのようなものなのかを理解することが後々大きく効いてくるのだと思う。群衆は考えずに衝動的に行動するので、一般大衆の意見は多くの場合、間違っている。しかし全て間違っているのではなく、トレンドが継続している間は大衆が正しいが、トレンドの始まりと終わりに間違う。真実は多数派よりも少数派によって発見される。これらはかなり真理に迫るコメントであり、忘れずに進みたい。 ・トレンド

          #207魔術師達のトレーディングモデル

          #206聖杯はポジションサイジング

          最高時に60億ドルものAUMを持っていたヘッジファンドマネジャーのポジション管理に関する本。公式で書けば簡単だがこれらを使いポジションをマネージしていくことによる心理的プラスの影響にも目を留めるべきであろう。 ・ポジションサイズ = 取れるリスク量/トレードのリスク額(ストップロスの位置や、平均的なエグジットまでの距離。) ・ポジションサイズ = ボラティリティ配分割合 / ATR ・複合的に用いるなら、上記の内で小さい方の値など。

          #206聖杯はポジションサイジング

          #205マーケットのテクニカル百科実践編

          トレンドの継続になり得るフラッグ、ペナントの条件や、天井や底のフォーメーションに関してその裏で働いている力学からわかりやすく伝えている。 戦略に利用できる点としては、徐々にボラが狭まりながらレンジからブレイクしたケースの解釈、市場のクライマックスの時の行動に関してどのように行動したら良いかというところがある。実践編から入ったが、入門編もじっくり読んでみたい良書。 ・株式とその発行企業を同じものとして考えてはならない、利回りを基準にしてその価値を決めてはならない、実現損益と評

          #205マーケットのテクニカル百科実践編