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略歴 : 東大工学部 → 外資系証券金融市場部門 趣味 : クオンツ運用、ブロックチェ…

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略歴 : 東大工学部 → 外資系証券金融市場部門 趣味 : クオンツ運用、ブロックチェーン、歴史、テニス 愛読書 : 道は開ける(稲盛和夫)、投資で一番大事な20の教え(ハワードマークス) 本を読んだ際の思考とまとめを投稿しています。

最近の記事

#245 期待リターンII

低金利環境下での投資戦略と銘打っているが、本書の内容はより普遍的な内容になっている。資産クラスのプレミアム、スタイルプレミアムの源泉とそれらを用いてポートフォリオを構成する際の必要となる知識が学術的および実務的にも精通した筆者によってまとめられている。期待リターンも読もうと思う。いか、本書から内容の抜粋。 ・バリュースタイルプレミアムの分けは、情報への遅れた過剰反応、価格に関係なく優良企業を投資対象とみなすことなどが挙げられる。 ・過去一年ではモメンタム傾向を示す銘柄が多

    • #244よろこびの書

      絶望の中にあって一番困難なことは希望を持つという選択をすること。生まれや境遇に限らず、現状を受け入れた上で喜びを自ら育むことの大切さを教えてくれる一冊。以下心に響いたポイントを書き出してみました。 ・喜びは幸せよりも遥かに大きい。幸せは往々にして外部の状況次第とみなされるが、喜びはそうではない。 ・窮地に追い込まれることなく困難と向き合い、胸が張り裂けることなく悲嘆を味わうのです。 ・外的な達成は真の内的な喜びをもたらしません。 ・もしもなす術がないとしたら、落胆する

      • #243アセットアロケーションの最適化

        運用する上でいつも参考になる内容を提供してくれているロバートカーバーによるアセットアロケーション最適化の本。学術的な知識が裏付けにありつつも、現実的に対処するためには何がベストであり得るかを解説してくれるのは非常にありがたく、現実的な知識が真の知識とはこのことだろう。 アセットに限らず、戦略の配分を決める際にも参考にしていきたい。 ・金融市場は複雑であり、価格を予測すること、期待リターンを見積もることは非常に困難な取り組みである。 ・私たちが知っていることとしては、コスト

        • #242増田のブログ

          CCCの創業者の増田さんが従業員宛に書いていたブログの数々が書籍になっていたので読んだ本書。自らがリスクをとり先陣を切ってきたからこそ見えてくる景色があるのだろうし、自身の言葉で紡がれた一つ一つの言葉には深みを感じる。希望ってやつは絶望を見た人にしか見えてこないのかもしれないという言葉にとても共感した。そのほか本書から抜粋。 ・甥っ子や姪から見たおじさんの増田が、彼らの生き方の参考になればと彼らと接触の機会を意識的に作っています。それがますだの責任だと思うから。 ・一家を

        #245 期待リターンII

          #241 PARANOID SURVIVE

          HARD THINGSの中で紹介されていた、生き抜くための経営という視点から書かれた本書。次なる10Xの変化が何かを自分のポジション抜きに客観的に考え続け、出てきた答えに対して適切な動作をするということは、Unlearnをし続けるということとも関連しているのではないかと感じた。自分自身も、現状のポジショニングから、次なる変化のめが出てきた時に、初期バージョンの罠に陥ることなく、自分自身をアップデートし続けることをしなければならないし、常に次なる分野に投資をし続ける必要がある。

          #241 PARANOID SURVIVE

          #240 HARD THINGS

          起業家として、投資家として活躍しているベン・ホロウィッツによる、起業家時代の数々の困難を赤裸々に描写した本書。CEOとして会社を率いることのリアルが描かれている。起業家の第一法則として、困難な問題を解決する法則はないというふうに表現していたが、その中で最善の策をとっていくことが会社の舵取りをするのに一番大切な資質になる。困難でもうどうしようもないとなった際に、その中で自分ができるベストな方法は何かということをいつも考え、実行し続ける必要がある。「苦闘を愛せ。生い立ちを愛せ。直

          #240 HARD THINGS

          #239 The Art of Learning

          神童としてアメリカチェス界を席巻し、太極拳でも優れた成果を出した筆者の意識的学習法が書かれてる本書。数々の修羅場を潜ってきた筆者だからこそかける幾多もの戦いの中での心理的要素や外的要素との向き合い方は参考になるし、ここまで詳細に言語化をすることができるだけでもプロ中のプロなのだということが身にしみてくる。学習というのは基本の型を繰り返し、その動作/所作の奥に流れるものと一体になることだというような表現があったが、自分もこの感覚をスポーツや学問から学ぶときに感じることがある。

          #239 The Art of Learning

          #237, 238 反脆弱性 上・下

          反脆弱という概念に初めてふれたが、投資戦略や自らのキャリアを創出していく際に欠かせない概念なのだと思う。変動性があるからこそ逆に強固になる、ばらつきを味方につけられる設計は、会社、チーム、人間関係にも応用のきく概念であり、これから自分が物事を見るときに鍵となる考え方を渡してもらった気がする。 ・衝撃を利益に変えるものがある。そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長する。これを反脆弱と形容する。 ・有機的なもの、複合的なものと、無機的なものの違

          #237, 238 反脆弱性 上・下

          #236 逆転の思考法

          JPM AMで30年間日本株運用を行ったかたが書いた本書。リターンを狙う上で気を衒っているようで実は自分の中にある王道ルールを確立しそれを実直に守り続けたからこその結果なのだろうと思う。これからの日本がどのようになって行くかは分からないがサイクルの存在には常に目を光らせておく必要がある。 ・1950年から1989年までは、日本の株価がアメリカを20倍近くout performしていた。1990年から2022年までは、逆にアメリカが日本を16倍近くout performしてい

          #236 逆転の思考法

          #235 一流投資家が人生で一番大切にしていること

          世界の一流投資家を一流投資家たらしめるものは何かという問いへの現実的な答えを与える事を目標とする本書。一流とそれ以外を分けるものの中には、自分の得意なフィールドを選ぶこと、意思決定のプロセスを可能な限り簡潔にする事、投資対象に関して十分な知識を得ること、自分の投資がうまくいかないとすれば、どのような原因によるものかを考え尽くすこと、継続的に学び向上すること、自分自身が(もしくは投資プロセスが)安定して同じ基準で判断することができるようにするために必要な環境を整えることとざっと

          #235 一流投資家が人生で一番大切にしていること

          #234 ビットコインスタンダード

          ビットコインという自分がこれからの人生を一番使うことになるであろう価値保存手段が生まれた背景が堅牢な経済学的視点から書かれている本書。読了は三回目程。社会実験として見ていた人もいるが、コロナを通じて政府主導の通貨政策に関して疑念が多く出てきており、インフレ政策に左右されずに価値貯蔵を行いたいという個人にとって現実的な選択肢となりうる日が一歩ずつだが近づいているのかもしれない。価値を守るのは自分自身の責任になった先に、産業革命、ルネサンスのような繁栄の時代が訪れるきっかけをビッ

          #234 ビットコインスタンダード

          #233 LIFE SHIFT

          寿命が継続的に長くなり、技術も累乗で進化することが見込まれる世の中においてどのような戦略を持って戦えば良いかを考えさせてくれる本書。挑戦する中での学びは学習期間でもあり仕事期間でもある。今までよりもますます自分の知識をアンラーンし、精錬させていくことが必要になるのであろうし、無形資産に関してもさらに目を向けていき、自分の人生をより長い期間主体的に生きていくために活用をしていく必要がある。 ・人生の寿命が大きく伸びている時代においては自分の人生設計も変わってくる。教育、仕事、

          #233 LIFE SHIFT

          #232 転がる石は玉になる

          オービック創業者の野田さんの創業に至る経緯とそこからどの様にして会社を広げていったかが実話をもとに生の話が聞ける貴重な一冊。儲かるとは信じる者とかく、すごい良い言葉だ。泥臭く努力した先に初めて見えてくる世界があるというのはその通りだと思っていて、自分も日々の積み重ねを続けそのような世界を見れるようになりたい。 ・ほうれん草に霧をかけて競りに出したところ高くうれた。その足で魚屋にとんで生の秋刀魚を買った。その夜の我が家の食卓はいつになく賑やかだった。 ・売った私、買った店、

          #232 転がる石は玉になる

          #231 ZERO to ONE

          ピーターティールによるZERO to ONE。大学生の頃に一度、2021年末に一度、そして今回が三回目の読了になる。大学生の頃は経験が伴わずこの本の面白さを感じることができなかったが、今はもう少しだけ理解できている気がする。ティールの思考を形容するときに自分が真っ先に思い浮かぶのは、明るい北朝鮮。独立国家の出立がZEROの段階で必要なエネルギーとコアに似ていて、その後ONEになるためには明るさが必要だからだろう。 曖昧な楽観主義に支配されず、明確な楽観主義を実現させるために着

          #231 ZERO to ONE

          #230ヘッジファンド

          ・お金儲けがしたいのか、もしくは自分の信条が正しいということを示したいのか。1990年代には、ソロスはどちらの人格が主体であるべきかを確信していたが、それまではどちらにも難しい局面であった。 ・従来の投資家が避けてきた新興国への資金供給手段をヘッジファンドは担った。 ・市場は振子のように揺れるのではなく、クレーンに吊るされた鉄球のように揺れて経済を荒廃させることがある。 ・中国市場が台頭し始めると、外国人のタイへの融資意欲がかなり衰えてきた際に、中銀も利下げをし、タイを

          #230ヘッジファンド

          #229マーケットの魔術師

          米国トップトレーダーが語る成功の秘訣ということで、70,80年代から現代まで活躍したファンドマネージャーがどのような道を辿ってきたかが記載されている。本書に登場する人でさえ、あまりにも負けつづけたこと、感情に任せて取引をしてしまったためにうまくいかなったことが多いというのは励みになる。まだまだ一歩めだが、志を大きくもって挑み続けたい。あとは、情報の非対称性を探して大きくかけることが非常に大切であるし、自分のエッジをどのように見つけ生かすかということに頭を捻り続けなければならな

          #229マーケットの魔術師