#146 実践版孫子の兵法

戦に臨む上での必要な条件を淡々と述べていく孫子の中には、実は非常に熱いものがあるのかなとこの本を読んでいて思う節があり、孫子の頭の中、発想の源に少し触れることができた気がする。生き残れ、必ず生き残れ、そして機会を探し続けろ、そうすれば必ずチャンスはある。勝てないなら一時は逃げる。逃げても、粘り続けていれば、必ず勝機は訪れる。人生をトータルでみた時に、必ず勝てるために、努力をし続けよう。

・不敗の態勢を作ることはできる。一方で、勝機を見出せるかどうかは、敵の態勢によってくる。勝利のチャンスを待つためには、失敗を避けなければいけない。

・呉王がお気に入りの妃二人を失った際に軍隊が規律を持って動き出したように、弱さや脆さを前提に考え、失うものを先にイメージすることが、用意周到さにつながり、人から具体的な行動を引き出すことにつながる。

・勝ちやすきに勝つ。

・依存する脆さを嫌い、徹底して避けることに尽力すること。想定が起きても、目的を達成できる手配をしておくこと。

・最高の戦い方は、事前に敵の意図を見破ってこれを封じることである。これに次ぐのは敵の同盟関係を分断すること。次には次には戦火を交える事。最低の策は城攻めに訴えること。

・最初は処女のように振る舞って敵の油断を誘うことだ。そこを脱兎のごとき勢いで攻め立てれば、敵はどう頑張ったところで防ぎ切ることはできない。

・勝利する条件がない時は、守りを固めなければならない。逆に、勝機を見出した時は、すかさず攻勢に転じなければいけない。時間の価値はいつも同じではない。賢者は機械のレバレッジという観点から考える。主導権を握ることのできる時間帯にリソースを投下することが大切。

・機会のない時間に、機会に近づき掴む力を蓄えておく。司馬遷は、戦場で捕虜になった将軍を擁護して捕まったが、それを史記の執筆という機会に変えた。機会は自分たちで作り出すもの。

・戦争形態は水のようでなければならない。水は高いところを避けて低いところに流れていくが、戦いも敵の態勢に応じて変化しながら勝利を勝ち取る方法を模索すべき。

・戦力の過半数の帰趨は組織の優劣で決定される。仕組みを整える、目標を共有すること、将軍の器量を広くすること、勝てる戦に送り込み、勝利を手にするように手配すること。

・戦上手は勢いに乗じることを重視し、一人一人の働きに過度に期待をかけない。

・混乱の中には統制力を、臆病の中には勢いを、弱を強に変える体制を作り上げることができているか、トップの立場にある人は常に考え続けなければならない。


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