【J-StarX 地域の起業家育成プログラム】シリコンバレー視察(前半)
2023.11 経産省主催の起業家育成・海外派遣プログラムに参加しました。場所は、多くの偉大なスタートアップを輩出してきたシリコンバレー(カリフォルニア)です。海外へは行ったこともなかった純正の日本人、かつ去年まで製造業メーカーにエンジニアしていましたが、色々なご縁で参加させて頂くことになりました。そういう人の目線で、体験したことをプレビューしてみたいと思います。
今回のコースは、一般コースで地方からの参加者がメインになります。総勢25名での参加になりました。僕は、宮城県の富谷市を代表として、アグリビジネス創出のビジネスプラン(宮城の特産品セリ作りをしている中、草取りビジネスをかんがえていました)。また、セリ作りの労働負荷軽減のために収穫ロボットやAI導入なども胸に、英語はまったくでしたが、できる限りのインプットをして参加しました。
1.スタンフォード大学
初日、時差(日本の方が16h進んでいるので真逆)ボケの中、スタンフォード大学へ行きました。カリフォルニア空港からバスで30分ほどで到着。現地の歴史を知っている方(上さん)が、建物や由来などを教えて頂きました。
特に印象的だったのが、自然豊かな場所ということと、建物・風景の奥行・高さがMAXだったことです。思考の広がり、可能性を大切にしている感じが印象的でした。キャンパスの大きさを調べてみたら、大体、東京ドーム800個くらいとのこと。休日ということもあり、人数はまばらだった気がします。それでも、外で暑く議論する方がいたり、英語はわかりませんが、スタートアップがらみの話だった気がします。随所に、手の行き届いた手入れが見受けられ、お金がかかっていますねと聞いてみたら、次元の違う運営費予算のお話を頂きました。
最近、本を読むのが好きになってきた僕でしたが、こういう場所でインプット・そしてアウトプットしてみたいと思いました。自然と椅子(ベンチ)の数vs学習意欲・成果の相関関係、あると思いました。
2.楽天USA
DAY1、参加メンバ25名事業プランプレゼン(1人2分)を行いました。
事前に、「メンタリングシート」にて事業プラン提出があり、そのおかげで統一したレベルで皆様お話されていたと思います。雪だるまロボットを作りたい、有名人の声を既存楽曲にのせる、レーザーでロボット、などなど、テーマ色が豊かで、何より学生起業家・20代の多さに驚愕をいたしました。
(僕は、今回は最年長42歳でした。自己紹介でおじさんネタをつかったものの誤爆したのはここだけの話です)
ビジネス規模、深度は様々でしたが、今回参加メンバの熱意や目線は熱意あふれておりました。そして、運営側RakuNestのファシリテーター(Shoさん)も、絶妙な間で、うまく質問・フォローを入れて頂き、大変スムーズに進行が進んだと思います。各参加メンバのビジネスプランをお聞きしましたが、僕の中で印象が良かったと思うお話の共通事項として、ストーリー性がある内容、共通の価値観に触れるビジネスは、スッと共感できました。恰好をつけず、過去の事実とビジネスへの繋がりが整理できていると、聞いていて興味のあるプロフィールとなるんだなと学びました。
その後、投資家(Rakuten Capital)の方々より、英語で講和を頂きました。VCメンバの視点・投資するポイントなどをご説明頂き、シンプルかつ合理的な話(内容理解は大分怪しいですが)で、高い目標ではありますが、何をすれば投資したくなるのかが伝わってきて、とても参考になります。もう少し、英語で対等に話ができれば、尚、面白いディスカッションの場になると思い、ここで英語が好きになった気がします。
(I think Ilike English a little more.)
3.市街視察
DAY2、サンフランシスコの歴史やテックトレンドを肌で感じるための視察になりました。自身のビジネスプランをブラッシュアップすべく、最新トレンドをという意気込みで現地へ。
その中で、デリカ(日本人創業の総菜屋さん)の岩井社長よりお話を頂きました。現地でのお店の立ち上げ・苦労された話・アメリカで成功するポイント等々、生の声で教えて頂き、貴重なアメリカ起業体験のお話を頂けました。特に印象的だったのが、①惣菜の味をアメリカ人に寄せるのではなく、日本食としての味をもとめること、②地元の旬のものを使うこと、③アメリカ起業は来てから考えてもいいくらい価値がある、の3点。大阪人特有の商魂も感じました。また、従業員の時給$15とのことで、物価高を目の当たりにしました。お忙しい中、お時間頂き、ありがとうございました。
また、町中のモールのような店舗集合施設にも視察。
健康に興味があったので、最新の筋トレマシーンのお店に行き、体験してみました(写真:ルームランナー+IOTディスプレイ)
登録をして、いざ走り出しました。
ライブコーマースではありませんが、ライブで他の方と一緒に走ったりできる感じで、人のつながりを体験として組み入れていて、なるほどなと思いました。近くにいた、80歳くらいのおばあちゃんも、私持っているわよと話しかけてきて、わりと新しいモノ好きな方も多くいらっしゃるんだなと思いました。一方で、外で走るときの風の冷たさ、暖かさ、日の日差しなどなど、自然を体験できるかというとそうでもなかったです。外でこれをやれると最強だなと思いました。
わずか1週間の滞在でしたが、外をランニングする人、ホテル内で筋トレをする人がめちゃくちゃ多かったです。健康に気を遣う文化は、昔からあるようで、これからも不変のニーズなのかと理解しました。
今、僕が取り組んでいるセリ、これも根っこから食べられるオーガニックな食材で、安心安全なものを作る方向性・軸に共感ができる場所がカリフォルニアにもあったなと持ち帰れたのは、とてもよかったです。
*普段、あまり運動しない僕が、ルームランナー5分走った後、少し迷子になって集合時間に遅れそうで10分くらい走り、はきそうになったのはここだけの話ですw
4.楽天会員交流会
最後に、中部電力の方とお話ができる機会を頂きました。
特に、個人的に盛り上がったのは、中部電力様の農業系の取り組みで、日本最大級の植物工場をつくる計画が、僕の出身(静岡県)でつくられるとのことで、内容を聞いていよいよ日本でも植物工場がどんどんでてくる時代になったのを感じました。
(参考リンク先)
まとめ
シリコンバレーのビジネス規模の大きさ、学びの場、現地のトレンドを理解することができました。ラスベガスみたいに、ギラギラしているのかとおもいましたが、大きな商いもあれば、小さな商いもあり、色々な民族がぎゅっとつまっている中で、地産地消を大事にしたりする現場をしれたことはとても有意義でした。僕の中で、日本以外に比較する軸ができるかもしれないなと感じました。ビジネスをやるうえで、海外は遠い存在でしたが、今回、認知を得られてよかったです。
草取りビジネスをやろうと考えていて、カリフォルニアには干ばつなどの影響で、草自体があまりなかった。むしろ水が不足しているので、乾燥対策でウッドチップを使う場所が多かったです。これもカルチャーショックで、釣り堀でいう魚が多い場所で釣りをしないとなと実感しました。
そして、ビジネスプランの実現へ向けて、生の声、現場を知ること、体験することがとても大切だと再認識しました。頭で考えることも重要ながら、そこから先は行動しないと手に入らないので、足を使い、話をして、自分でブラッシュアップすることが重要だと思いました。実際、投資家さんや起業された現地のお話の共通事項として、①プロダクト、②ファイナンス(バリエーション)、③信用残高(実績)を重要視していました。
また、既存企業をながめることも重要と思いました。今回、テックトレンド視察で、お店をみる道中、おもわず「グーグルマップ」と「ワインの銘柄を調べるアプリvivino」を使いました。行きたいお店を調べる時にさっと調べられる体験だったり、たくさんワインがある中で、どんなワインか点数付けで教えてくれるといった内容、どちらも顧客の面倒なことを解決するためのもので、良さを体感しました。
3日目くらいにようやく時差ボケが治りました。朝散歩、食事、日を浴びる、これをやれば大丈夫かと思っていましたが、ベースとなる体力があることも重要と思いましたので、帰国後、運動習慣を身につけたいと思いました。
余談
「繋がり」の重要性を認識したことがあります。
今まで、宮城県に住んでいて楽天はおなじみでしたが、記事をみかけてもスルーしていました。今回、プログラム運営で楽天さん、デトロイトトーマツさんに関わり、素晴らしいプログラムをご準備頂き、こういう繋がりがあると、ファンになるなと振り返っております。例えば、滞在中に、楽天モバイルの改善の兆し?かと思う記事(周波数帯域の追加)がありました。今までなら素通りしていた記事も、つながりをもつことで、感情が動かされました。今回の25名のメンバ―、多分運営側としたらめちゃくちゃ不安がある人数だと思いますが、短期間で学びながら知り合うことで、単発でなく帰国後もつながっていたりもするので、多くのつながりができて大変感謝しております。