幸運の2泊3日
金沢にね、旅行に行ってきたんだ。
5年ぶり、2度目。
今年1年、強いプレッシャーがかかっていた仕事がようやく終わったから、先輩に甘えて休みをもらって、2泊3日で行ってきた。
普段から食べ物で行き先を選ぶことが多くて、もちろん今回も新鮮なお魚が食べたくて金沢にしたんだけど、
実は密かな目的があってね。
それは、
"千里浜なぎさドライブウェイ"を車で走ること。
そのために、金沢から輪島まで。
片道110kmのドライブ旅を計画したんだ。
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千里浜なぎさドライブウェイは、砂浜を車で走ることができる心揺さぶられる場所。
天候次第では通行止めになったりもするから、通れるかどうかは運次第だった。
でも、すごく綺麗だろうなと思って、行けるところまで行ってみようと思った。
当日の天気予報は雨。それはそれで仕方ない。
とりあえず輪島の朝市で朝ごはんを食べるために、朝6時半に出発した。
仕事行くより朝早く起きられるなんて、まだまだ若くいられてるということなんだろうかね。いや、眠かったけども。
道中、土砂降りが降ったり、カラッと晴れたり落ち着かない天気ではあったけど、なんとか朝市に到着。
輪島の朝市はね、三大朝市の1つなんだって。
「兄ちゃん!みてって〜!」
道を歩けば元気なおばちゃんたちの声が飛び交って、話をするだけで元気をもらえる市場でね。
結局あれこれ話し込んじゃって、ちょっとおまけしてもらったお店でのどぐろの干物をゲット。
そのまま焼いてもらって朝ごはんにした。
朝からのどぐろ食べられるなんて、贅沢だよね。
食後にね、とあるおばちゃんから
「兄ちゃん、お腹減ってるやろ。お刺身食べていかん?」
って誘われたんだけど、お腹いっぱいでさ。
「今朝ごはん食べたばっかりでお腹いっぱいなんだよ〜」
って返したらね。返事が秀逸だったんだ。
「刺身は別腹じゃないんか!!」
これには思わず笑っちゃったけど、そんなほっこりするような会話ができるのが面白かったな。
みんな若くて元気。
自分がおじいちゃんになっても、いつまでもああやって元気でいたいなと思った。
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朝市を回り終わってさあこれから能登半島の観光だと思ったら、突如スコールのような大雨。
とりあえず名所には行ってみたけど、もはや何も見えない状態になっちゃってね。
急遽予定を変更して、能登島に移動することにした。
水族館とか、美術館とか、道の駅で能登牛を食べたりのんびりしてたらいつのまにか天気が晴れて、虹が出てきたんだよ。
この虹がさ、ダブルレインボーだったんだ。
虹がこんなに近く、しかも二重に見えるなんて初めてでさ。
調べてみたら、ダブルレインボーは幸運のサインで見られるのも珍しいんだって。
これからいいことがあるらしいよ。
新たな人生のライフステージが始まるのかなぁなんてぼんやり考えながら、能登島を後にした。
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この日の日没は17:30の予定。
千里浜なぎさドライブウェイまで、残り1km地点。
時刻は17:00。
天気予報とは裏腹に、きれいな夕焼けが車窓に差し込んでくる。
行き当たりばったりのドライブ旅でも、時間はいい感じ。
雲はあるけど、晴れてくれた。
これだけでラッキーだった。
いよいよ砂浜に車を乗り入れると、目の前に日本海に輝く夕焼けが飛び込んできた。
まっすぐな一本道の砂浜を、潮風を感じながら車で走れる爽快感。
目の前に広がる絶景。
なんとも心洗われる場所だった。
来てよかった。と心から思った。
せっかくだから日没まで車を停めて、散歩をしたり愛用のカメラで写真を撮ってみた。
「スマホで撮った方が簡単に綺麗に撮れるじゃん。」
仕事で初めて触れることとなった一眼レフカメラを勉強しようと、中古で自分のカメラを買った直後に上司からそう言われてしまって苦笑いしたあの日の自分に言いたい。
カメラを買ったのは正解だったよ。
写真を撮りに行きがてら、素敵な景色を見に行こうと思えるようになったし、散歩もしようと思うようになったし、写真を撮るのに試行錯誤する時間は、新しい趣味になったんだ。
悩みながら進んできたのは無駄じゃなかったし、
その中でも進んだ10ヶ月のご褒美をもらった感じだ。
そんな、幸運の2泊3日。
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