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営業とは何か

同じ保険会社、保険代理店で、扱っている商品が同じで、定価販売のみ。
それなのに、売れる人と売れない人には雲泥の差が出ます。

良く2:6:2の法則と言われますが、上位2割の営業が、全体の8割の業績をつくっていたりします。

これはなぜなのか。そんなことを書いていきます。
以前に営業研修プログラムをつくったのですが、そのごく一部を紹介していきたいと思います。

フルコミ営業の保険会社や保険代理店の場合、他業種の営業にみられるように、担当業務がどうだとか、担当エリアがどうといった概念はありません。
どの営業でもどんな提案でも、どんなエリアにも出張して仕事ができます。

それなのに、億単位の数字をあげる方もいれば、ほぼゼロという方までいます。

学歴や学閥、資格、親がどんな大物(コネ)かも関係がありません。
何が業績を左右するのか。

それは、第一に”心”です。

売れている営業はメンタルが強いです。
営業の仕事は確率の世界です。どんな超一流のプランナーでも、100人お会いして、100%の即ご契約は難しいです。
つまり、売れている営業は、その数字の裏には、圧倒的な数の未決案件があります。売れている営業ほど、たくさん断られてきたという事実があります。

普通の営業は、受注できなかったことにダメージを受けやすいです。
売れている営業は、とにかくポジティブなので、この方が決まらなかったのなら、確率的には、次は預かれそうだといった風に、とにかく前向きです。
また一歩成功に近づいたと考えています。なぜこの方は決まらなかったのか、その原因の解決策が見い出せれば良いのです。

売れている営業はとにかくストイックです。ハードワークを厭いません。
仕事が大好きなので、部活や趣味のように没頭しています。
好奇心が旺盛なので、新たな人との出会いを楽しんでいます。

営業の仕事は新たなアポイントメントの連続です。
中には、ドタキャンということさえあります。
普通の営業はドタキャンされたよとイライラします。
売れている営業は、ありがたいと思うものです。

売れている営業は予定がたくさんあります。
デスクワークは朝や夜にしかできないことも多く、日中の予定のキャンセルは、未着手の仕事に充てらてることができる貴重な時間となります。

私の新人営業時代は、リモートワークというものはなく、全てが訪問でしたが、月に168件ほどの訪問をしていた時もあり、昼食や夕食は数分で、誰よりも早く出社して会社の電気を付け、誰かが出社してくるころには営業に出て、夜は誰もが帰る頃に帰社して、夜遅くに電気を消して帰るといった、まさに寝食を忘れて仕事に没頭していたのですが、そんな日々の中でのアポキャンは、お客さまに電話ができたりする貴重な時間となりました。急ぎで対応したい仕事がたまっていた時に、そんなアポキャンがあると、営業の神様からのプレゼントとさえ思っていました。

営業の仕事をするにあたり、自分は何がしたいのか、なぜこの仕事をしているのか、目的は何か、そのための目標は何かなどを考え抜くことも大事です。なぜ?なぜ?を追求していくとマズローの欲求段階説の最上位の自己実現、自己超越にたどり着きます。

会社や上司から単なる数字目標を与えらえて、それをやるだけでは、会社の歯車になってしまいますし、会社の社長杯などの表彰も、言われた数字を追うだけでは、ゲージの中の歯車を回し続けるラットレースになってします。自分オリジナルの目的、目標を持つべきです。誰もやったことがない大型契約を預かり、ギネス(会社のレコード)を更新するでも良いです。
やらされるではなく、やりたいことをやるのです。

売れている営業と普通の営業では動機付けから違うということです。
会社の売上は、営業が1件1件お預かりしてくる数字の積み上げです。
営業は会社の顔、顧客にとっては営業は会社の代表なのです。ある意味で社長より重責を担っています。

営業は命懸けです。目の前のお客さまをお預かりできなかったら、お客さまに斬られて命を落とすとなれば、覚悟ができて本気の営業になります。
幸いなことに、今は戦国時代の侍ではないので営業で命を落とさずに済みます。
(こちらがお客さまを斬るということではないです。念のため。)

よく営業で、とるという言葉を使う方がいますが、私は絶対に使いません。
頂く、預かるです。営業は、お客さまからお金をもらうことではなく、頂く対価以上のバリューを提供する、価値と価格の交換です。

ビジネスというのは、お客さまが面倒だな、何とかしたいなと思うことを解決して差し上げて、それに見合った対価を頂戴することです。
価値を提供していることに自信を持つべきです。

お客さまが、数十万、数百万、数千万、億のお金をキャッシュで持っているよりも、提案されたものを購入した方が、自身の課題や問題解決ができ、何かがより良くなると確信し、それをキャッシュよりも高い価値があると判断し、交換するということです。

営業は、商品の説明員ではありません。
ストーリーテラーです。
スティーブジョブスも、ストーリーテラーです。

例えば、携帯ショップで、iphoneを買うか悩んでいる人がいる時に

・店員Aさん これは月額いくらで、M1チップが入っていますと話す人は説明員。これはwebsiteやロボットに代替できます。

・店員Bさん ○○さんにもしドラえもんがいたら、お願いしたいことって何です?お孫さんにたくさん会いたい。なるほど。お孫さんと動画で話ができたらどうですか?娘さんから毎日、孫の写真が送られてきたらどうですか?動画や写真も通常の使い方ならいくらでも保存できて、動きもサクサクです。という話をするのが営業です。これは心の琴線に触れる話となれば営業でなければできません。

あなたはどちらの店員さんから、買いたいですか?

ただ説明をして売れるなら、websiteをみて買ってもらえば良いので、営業はいらないですが、世の中そう簡単にモノは売れません。
人の購買活動は、論理と感情です。人は感情でモノを買います。

営業とは舞台演出家であり、脚本家です。
ZOZOの前澤さんも、お客さまにサプライズを提供し続けてきたと言っています。
こんな話をしたら、喜んでもらえるかな。こんなことをしたら、サプライズになるかなといった創意工夫をし続ける仕事が営業です。

営業は、アイデアクリエイターです。
常にイマジネーションし、それを実践するのです。
これほど面白い仕事はそうありません。
営業はビジネスアーティストです。

目の前のお客さまに、紙芝居のような起承転結のストーリーを展開したり、ジェットコースターのように、急降下を体験頂いた後に、急上昇で天まで昇るといった体験をして頂いたりと、お客さまの脳裏に、商品やサービスを手にされた後の世界をイメージングして頂くことが大事です。

こういったことがしっかりできると、保険は絶対に入りませんからという方が、お話をした数時間後に保険に入ります!となったりします。

保険に入る気は全くないという顧客に、潜在的なニーズを顕在化して差し上げ、結果としてご契約をお預かりすることができます。お客さまから、「私にとって本当に大切なことは、愛する家族を守ることでした。それに気づかせてくれて、解決策を提案してくれてありがとうございます。」となったりします。

営業は、商品やサービスを手にしたあとの顧客の変化を、ストーリーでいかにお伝えできるかが大事です。

それをするには入念な準備がいります。
営業とは準備力です。特に大型プレゼンでは、事前の徹底的な準備と想像力が、結果を左右します。プレゼンをする前に勝負は始まっているのです。
どれだけ準備をできたかで結果は、ほぼ決まっています。

例えば、私が過去に大口のお客さまとゴルフに行くことになった際のエピソードをご紹介します。

アンダーでまわるような社長とのゴルフで、私ができることといったら、まずは事前調査、準備です。ゴルフに詳しい先輩に色々と教えを請いました。この社長はラウンド前に練習場でじっくり打ってからラウンドすることを知ったので、早朝に社長をクルマでお迎えに行き、まずは練習場に向かいました。ドリンクやバナナ、おにぎりなどをお渡しし、楽しく練習。

そこからゴルフ場へ。ゴルフ場についたら、自分のことは猛ダッシュ。決してお待たせしてはいけません。自分が遊びでゴルフにきているわけではありません。いうなれば舞台の黒子。

当たり前ですがカートを運転したり、ドリンクは☆や○、1、Aなどと印を付けて、どなたのドリンクかわかるようにしたり、ティーショットの際は、ティーがどこに飛んでいくのか見逃さない。そして即拾ってお渡しです。

仮に社長がミスショットもしても満面の笑みでポジティブに励ますことです。

社長と社長の会社の役員とのゴルフでしたので、私のその日のゴールは、彼らが仲良く脇あいあいとしているシーンを写真におさめることでした。

自分はアイアンやウェッジ、パターを持って、打ったら走る。すぐ終わらせる。
良い写真が撮れるべくロケハン。そこでパシャリ。

社長はその日、ベストスコアの68を出されました。
そんな記念の写真。私のスコアは社長の倍くらい…

お風呂も速攻で出て、社長や役員の奥さまに、季節のお土産をお渡しして
車でご自宅にそれぞれお送り。

その日、私は写真を即プリントして、手紙を書き、社長の会社のポストに、消印のないお礼の手紙と、写真を同日に直接投函しました。

翌朝、社長から連絡があり、その後、大型ご契約をお預かりしました。

ゴルフがド下手でも、このようにできることはたくさんあります。

目の前のお客さまに、自分は何ができるのかを常に考え行動することが営業です。お金をかけるよりも、想いや気持ちが伝わることが何よりも大事です。

その後、その社長からはとあるイベントにご招待頂き、席に着くと、「私に何かがあったら妻を頼みます」とメッセージが添えてありました。

社長や役員の方からは、「この人はすごいから」とたくさんの社長仲間をご紹介頂きました。

役員の方からは、渡したいものがあると言われ、家族への想いを綴ったお手紙を託されています。お預かりした後に、大量のレターセットをお渡しにあがり、毎年、ご家族への想いを手紙にしましょうと提案しました。依頼、毎年、お手紙をお預かりしています。

営業とは、顧客と仕事を超越した人間関係を築くことが醍醐味です。

真の営業は、顧客の成功を想う心を持っています。

仕事を通じて、思わず涙があふれるような感動をご提供できたり、頂けるような真の営業の仕事をぜひ楽しんで頂きたいと思います。










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