戸泉 邦康 / DX,Fintech
ファーストペンギンと、ゆでガエル
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ファーストペンギンと、ゆでガエル

戸泉 邦康 / DX,Fintech

私は常日頃、保険代理店の社長や幹部、その会社のプランナー陣に、見込顧客とプランナーのオンラインマッチングプラットフォームの提案をしています。

たくさんのプレゼンをしていますので、いろいろなことが見えてきます。

端的に言うと、お客さまは、ファーストペンギンと、ゆでガエルに分かれます。

ここで言うファーストペンギンとは、きわめてアナログな保険営業の既存の世界から、いち早くオンライン営業の世界に飛び込み、ブルーオーシャンの環境で利を得る方という意味です。

一方で、ゆでガエルとは、既存のアナログ営業の世界に安住し、今までのやり方に固執し続ける方です。ビジネスの世界において、現状維持は単なる後退でしかありません。

ファーストペンギンになるには勇気がいります。もちろん、ビジネスで何か新しいことにチャレンジするのは、リスクがないわけではないですし、最初は勝手がわからない。でも、今までうまくやってきたやり方だけでは、これ以上の伸びしろがないので、さらなる成長のために、新たな努力をするということになります。

保険営業は基本的にフルコミッションや、基本給+歩合で、歩合の比率が高い業界です。会社員とはいえ、独立自営家・個人事業主の集まりです。保険営業の仕事をするのであれば、大企業の会社員以上の年棒でなければ、割に合わない仕事だと個人的には思っています。活動費や経費などは基本的に全て自費ですので、見込顧客を発見するのに膨大な時間、労力、コストをかけています。ストレスもかかります。

つまり保険営業は、スモールビジネスオーナーであるわけですが、個々の営業の方はその感覚が乏しい人が多いです。1見込顧客の発見、1面談のセッティング、その先のご契約などのそれぞれのフェーズにおいて、時間・労力・コストがいくらかかったかを把握している方は少ないです。

言葉を選ばずにいえば、どんぶり勘定です。顧問税理士からあがってくる月次のPLや、年次の確定申告で把握している程度だと思います。膨大な努力をしていると、縁と運とタイミングで、適宜仕事になる仕組みですので、とても把握が難しい側面もあります。

私は長年プランナーをしており、まわりの数多くのプランナーもみてきましたので、プランナーさんにZoomでお会いしてそのお顔や雰囲気、少しお話すると、そのプランナーさんがどのくらいの数字を上げているかはおよそわかります。

保険プランナーの業界では、MDRTという資格があり、国内に7,947人ほどしかいません。専業で保険営業をされている方の上位3%程度と言われています。ここ数年では、コロナにより、従来よりも認定基準が緩和されており、以前の6割ほどの数字で認定されるバーゲンセール状態になっています。

MDRTに入っていれば、大企業の会社員よりも年棒が良いので、保険の仕事をしていることは正解だと思います。ただ、今の緩和基準でもMDRT以下の方は、はっきり言って、やり方を変えないと、厳しいと思います。

MDRT以下でも、大企業の会社員くらいやそれを超えるの年棒の方もいると思います。しかし、活動費が自費のため、年棒ではなく利益でみると、大企業の会社員の方が固定給で安定しているといえます。ほとんどのプランナーは、年棒しか意識しておらず、活動経費の管理が甘いです。つまりグロスではなくネットの数字をみていくことが大事です。

自身のデータを分析していけば、気づかなかったことが見えてくるはずです。見込顧客の発見に、仕事(時間や労力)の9割をかけていたり、想像以上に活動費(交通費、出張宿泊費、接待交際費、会議費、会費など)がかかっているという現実です。それだけ時間や労力、コストをかけて、小さな保険を預かっているとすると、案件単位によっては赤字というケースもあり得ます。その後の成約ベースでみれば、1成約にかかるコストは数万円以上になることも多いと思います。

地方の既存のお客さまのお子さんの数千円の保険をお預かりするために、飛行機、宿泊をするといった案件は、保全活動の一環かもしれませんので、それを否定するわけではありません。わざわざ来てくださってありがとうございますと、お礼のご紹介も頂けるかもしれません。

保険営業の世界で成功するにはカンタンに言えば2択です。1つは、事業保険や富裕層のAPの高い保険に注力すること(TOT・COTの大半はこちら)か、一般的な会社員・ファミリーの保険を年100件以上やっていく(MDRT)というものです。質か量ということになります。

前者はごく限られた人にしかできません。業界の上位数%だと思います。経営者や富裕層と面談でやりとりができるだけの能力、立ち振る舞い、知識、経験がいります。このゾーンへリーチできる人脈が少ないプランナーが大半です。その層の方は、面談へのハードルも高いです。このゾーンでの仕事をいずれかのタイミングでできるようにしていくことが理想です。外資系生保の上位プランナー陣はここに注力しています。市場のパイとしては小さいです。経営者マーケットの中でも、オーナー社長、キャッシュリッチ、黒字の額が大きく安定しているなどの条件で絞り込んでいけばより狭くなります。

一方で会社員の保険マーケットは無限大にあります。TAMは6,667万人です。東京駅の朝のラッシュなどに遭遇すれば、99.9%知らない人でしょうから、マーケットは無限大です。その中で100人お預かりすれば良いわけです。

保険営業経験であれば誰もが感じたはずですが、これが案外難しいものです。朝のラッシュでバーーーっといる人たちから、皆さん保険ですよー!こちらに並んでくださいと、100件一気にご契約すれば、1年の仕事完了!となるわけですが、そうはいかないわけです。ちなみに1人3万円/月なら、AP36万円。100人でAP3,600万円ですね。MDRTをクリアします。

保険営業の9割以上の人は個人保険がメインで、上記をクリアしようとしているわけですが、毎週毎週、頑張って朝から晩まで土日祝日も見込顧客を必死に探しています。それでも普通のプランナーは新規のアポ(OI、初回面談)が入れられるのは週に数件。というのがリアルなところだと思います。保険はご紹介やつながりのある方へのアプローチが基本ですので、コールドコールや飛込はあまりないと思います。人脈や知り合いの数が命です。

個人保険営業の世界は、独身プランナーはまだ良いかもしれません。時間が自由に使えます。家族に文句を言われることもないです。一方で、家族やお子さんがいるのに、毎晩会食で深夜帰り、朝から晩まで仕事でいない、土日祝日もお付き合いで人の集まりに行っていていない。こんなライフスタイルの方も多くいます。前職の外資系生保では、社長杯という年間の表彰式があり、そこには家族も招待されます。そこで多くのプランナーは、家族に、「お父さんはいつも仕事で朝から晩まで、土日祝日もいなくてごめんな。年に一度、ハワイでみんなで過ごす時間が大切なんだ。」と言っていたりします。

個人的はこのような仕事の仕方の方には違和感を感じていました。私は、このような仕事のスタイルではなく、平日の常識的なビジネスタイム内で事業保険の仕事をしているのみでした。

保険営業の仕事は過酷な世界です。ちょっとでも気を緩めたら数字は出なくなりますし、まともな数字で数年、10年以上続いている人はほとんどいません。数か月、1年で消えていく人も多いです。長くいる人も、失礼ながらゾンビみたいなプランナーも多いです。良い方々ですが、いかんせん数字があがっていません。

そんな世界で、仕事で結果も出して、家族との時間も確保して、自分の趣味の時間もなどとなってくると、個人保険営業の方は相当大変です。「なんでうちのパパは土日祝日もいないし、スーツ着ているの?」みたいになってしまいがちだと思います。大分リモート化しつつありますが。

保険営業はトライアスロンのアスリートのような世界です。ずっと見込顧客を発見し続けなくてはならない終わりなきマラソンです。新規の仕事、初年度がほぼ全てなので、保有や保全だけではどうにもなりません。新規・新規・新規....。毎年200人の新規見込顧客や面談を入れる努力をして、100人お預かりするといったイメージです。毎日新しい人との接点が必要になってきます。

毎日会食やホテルでのカフェ、かなりの移動をしているプランナーも多いです。日に1万円としても年で365万円。それが2、3万となれば、730万円、1095万円~。TOTやCOTクラスであれば、ここにかなりの予算をかけていっても、もとはとれます。

個人保険プランナーが考えるべきは

・いかに見込顧客を数多く発見できるか

・いかに数多くの保険面談を入れられるか

・いかに見込顧客の発見のコスト・時間・労力・ストレス・効率を改善できるか

・上記を継続的にまわしていく仕組みづくり

にかかっています。

面談後のスキルはもちろん高いに越したことはありませんが、それは学びや経験量、ブランディングで向上していくことができます。

こういったことを常にファーストペンギンの感性を持ち、チャレンジや創意工夫をし続けなくてはなりません。

今は数字あがっているから大丈夫とあぐらをかいていると、徐々に見込顧客が減っていき、事業資金が枯渇していき、新し事業投資もできなくなり、じり貧、ゆでガエルになります。

今、個人保険営業の方が何をすべきかはカンタンです。

それは、オンライン営業へのシフトです。

ここでいうオンライン営業とは、面談や契約をオンラインで行うという業務の一部のIT化のことではありません。見込顧客の発見の初動からコミュニケーション、プロセスの全てのオンライン化、つまり保険営業のDXをさしています。

すでに仕事の9割以上がオンライン営業にシフトできているプランナーもおり、そんな方はMDRTの2倍以上の数字をあげていたり、AP7,000万円、AC1,400万円、コンスタントな10件以上の面談、50世帯以上のお預かりなど、様々な実績が出ています。今後はさらに伸びていくでしょう。アナログプランナーとオンラインプランナーの差は、今後拡大していくと想定します。

もちろんプランナーのみならず、保険代理店経営という観点でも、オンライン営業に注力していかなければ、数年後には未来はないでしょう。特に入り口の部分の、見込顧客の発見や初動のコミュニケーションのオンライン化やそのマーケティング、ブランディングが肝です。ここがズレている会社も多いです。

プランナーの方は、どうせ保険の仕事をするなら、過酷な世界で、普通の会社員の何倍も努力をして働いているわけですから、大きな目的や目標を持ち、MDRT、MDRT終身会員、COT、TOTを目指すという意気込みで行動をされると良いと思います。

わずかなマーケティング費用で、大きなリターンが期待できるのであれば、やらない理由はないですし、自身で見込顧客を月に5,000件ほど集めることは難しいわけですから、プラットフォームを活用すべきです。医療保険の1つでも預かれれば、費用もペイできるわけです。

最後に問います。

あなたは、ファーストペンギンですか?










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戸泉 邦康 / DX,Fintech
DX,Fintech / Business Development / BtoC金融マッチングプラットフォーム事業で、金融業界を変革中。前職は外資系金融機関の法人営業(11年4ヵ月)。COT 5回、MDRT 連続11回、MDRT終身会員。年間成績で上位0.28%、全国11位。