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【特許】均等論 ボールスプライン事件 ~「ボールは均等に投げる」

 特許権侵害のうち、均等侵害については特許法上の条文がなく、判例となっています。

■語呂合わせ

ボールスプライン事件

 ボール均等に投げる

(解説)
 均等に力入れて投げないと、どこかに飛んでいってしまいます。たぶん…。
 なお、ボールスプラインとは、滑らかに直線運動できる軸受なのだそうです。

■内容

 特許権侵害には、文言侵害(直接侵害。2条3項、70条1項、72条)、間接侵害(101条)、均等侵害、があるとされています。

 均等侵害の要件が示されたのがボールスプライン軸受事件です。

 判決文で示された、均等5要件は、以下のようになっています。

特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合であっても、

(1)右部分が特許発明の本質的部分ではなく、

(2)右部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであって、

(3)右のように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであり、

(4)対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではなく、かつ、

(5)対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは、右対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である。

 (1)(2)はまだ良いのですが、(3)以降で「ある」「ない」が違うのがややこしいと思いました。
(4)の意味は、そもそも容易に推察できてしまうのでは公知になってしまうからですね。


■その他

 4コマ漫画もありました。イメージを掴むのに良さそうです。

 以下のリンクにも、解りやすい解説があります。

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