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どこかへ 2011年11月のアブダビ、NY、リバモア

2011年の11月にUAE(アラブ首長国連邦)の首都アブダビへ、その後NYを経由して12月初旬にサンフランシスコの郊外にあるリバモアに行ってきました。

夜に羽田を経って翌朝、シンガポールで乗り換えました。この時にUAEの通貨であるUAEディルハムに両替しました。2万円で900UAEディルハムでした。今なら460 UAEディルハムなので、円の相対価値は13年前の半分くらいになっているんですね。

シンガポールで乗り換え
アブダビ到着の直前、眼下には荒涼とした風景

空港を出てホテルまではタクシー、他に選択肢はなかったと思います。片側4車線の道路にフェラーリやランボルギーニ、レンジローバーが飛び交ってます。
ホテルはOryxホテル。落ち着いた感じのホテルでした。洗面台のタイルのモザイクがキレイです。
この国ではアルコールを飲むことは制限されていますが、外国人に対しては大目にに見てくれています。市内のレストランでビールが出ることはないようですが、ホテルの最上階のバーであれば、ビールやウィスキーを飲むことができました。

洗面台のモザイクタイル

夜明け前に目を覚ますと、東の空が徐々に明るくなってきました。砂埃のせいでしょうか?日本では見かけない空の色です。
徐々に明るくなり、強い朝日が部屋の中を照らします。
毎日毎日同じ天気が続きます。変わり映えしない空ですが、物珍しさもあり、しばし眺めていました。当面の間、雨が降ることも雲ができることもないようです。
部屋の天井にはメッカの方角を示す矢印(キブラッと言うようです)が示されています。
窓からはモスクから流れるお祈りのようなものが聞こえます。お祈りの時間を教えてくれているのかも知れません。

アブダビの夜明け前
朝日の差し込む部屋
メッカの方向を示す矢印(天井にあります)

朝食前にホテルの近くの公園をジョギングしました。この頃は僕には珍しく朝のジョギングを日課にしていて、出張先では必ず走ってました。
少し走ると汗ばんできます。そのうち、首の辺りからシャリシャリと音が聞こえてきます。なんだろうと首筋を触ってみると、塩の結晶が大量に付着しています。汗は水分が蒸発してそのまま塩の結晶になり、汗が流れることはありません。サラッとしています。しかし、こんなに塩分を失ったのか?舐めて再吸収したほうがいいんじゃないか?とも思いました。
街中には緑を守るためのスプリンクラーがたくさんありました。砂漠の街ですから、この水は海水を淡水化して作った高価な水でしょう。それをふんだんに使って街の緑を作っています。水はすぐに蒸発して気化熱を奪い、少し涼しく感じられます。

街中至る所で水を撒いて植物を育ててます
横断歩道の標識もUAE流なんでしょう

ホテルから歩いて1時間ほどのところにアブダビ文化遺産村があり、そこまで散歩してみました。道を歩いている人はほとんど見かけませんでしたが。
そこには石油が発見される前のこのあたりの砂漠の民の生活が展示されていて、とても現代的な市街地とは強いコントラストを見せています。ラクダもいましたし、昔の産物だった真珠の品質を計るレンズのようなものも展示されていました。

古民家園から市街を臨む
文化遺産村にはラクダもいました(市内にはいません)

帰り道にあった大きなショピングモールにカルフールが入っていたので寄ってみると、パックのお寿司がありました。僕は海外では日本食を食べることはあまりないのですが、出来が良さそうなので買って帰って試食してみました。
サビ抜きで薄めの醤油とわさびが付いてました。
日本のスーパーで売っているお寿司と遜色ありません。今のレートだと1,000円以上ですが、当時は500円ほどでしたから、お値頃感もありました。

カルフールで買ったお寿司、当時500円程度でまあまあ美味しかった(サビ抜き)

翌朝からはADNEC(国際展示場)での展示会です。
中東は初めてで予備知識も少なかったので、たくさんの驚きがありました。
こんな服装をしているんだろうなあ、とわかってはいたんですが、実際にその服装の人たちがたくさんいるのを目にするとかなり驚きます。

展示会の会場、ADNEC (Abu Dhabi National Exhibition Center) 
展示会の会場入り口
会場内はこんな出立の人が多いです。

展示会場では、大量のデーツの展示とさまざまな豆類や香辛料の展示に注目しました。遊牧していた頃の生活を伝えるコーナーもあり、そこでは鷹を連れた人たちがいました。砂漠の民ベドウィンにとって、鷹は大切な狩猟の相棒であり、家族の一員だったそうです。
このときに買って帰ったデーツが美味しくて、それがきっかけとなり、しばらくマイブームになってました。ちょっと高カロリーが気になってましたが。
セミナーでは、UAEの農業の話題、輸出入の規制と安全保障の話、移民の話題もありました。すでにアジアから多くの移民を受け入れていて、ホテルでも見かけました。インド人はレセプションやバーカウンターで、フィリピン人はハウスキーピングで働いているようでした。合わせると人口の8割ほどと聞きました。そのせいか、街のスーパーではインド風の食品やフィリピンから輸入されたカップ麺などが多くありました。魚介類(エビとナマズが主)はベトナムから多く輸入されているそうです。
今はアフリカからの移民もあるようなので、どんな人口構成になっているのでしょうか?

デーツがたくさん展示されていて、目を惹きました。
豆類や香辛料も豊富です。
会場内に鷹がいて、伝統の技を披露していました

初めての場所で一人で夕食をとるのは少々億劫で、ホテルで済ませることが多かったんですが、街中のレストランにも行ってみました。
アラブ料理かと思って入ったんですが、アラブ風インド料理の店でした。いくつか食べましたが、香辛料をうまく使った美味しい料理だったと記憶しています。しかし、ビールはなかったので、食後にホテルのバーで補充しました。

アラブ風インド料理の店
羊肉の串焼きのようなもの、おいしい
多くのビルがライトアップされていました

アブダビからNYに移動しました。
NYのホテルは今はなきHelmsley、今はWestinになっているようです。
到着した日の夕方にバーカウンターでビール(Blue Point Toasted Lager)を飲んでいると、常連らしい隣の席の人が「ここのシュリンプカクテルとハンバーガーはNYで一番だよ」と勧めてきました。その日は疲れて食欲もなかったので、明日試すよと返事しました。後日シュリンプカクテルとハンバーガーを頼んでみましたが、確かに爽やかなエビとジューシーで美味しいハンバーガーでした。勧めてくれた彼は不在だったので店の人に聞いてみると、イタリア人のマネージャーで色々と食べ歩いている人だよ、と教えてくれました。

E42にあったHelmsley Hotelの窓から

Thank's giving dayを過ぎると街はXmasモードになります。ちょうど切り替えのタイミングでNYにいたことになります。
兼ねてから行きたいと思っていたグランドセントラルのオイスターバーにも行ってみました。最初に行った時は閉まってたので、翌日に再挑戦です。正直なところ、再挑戦するほどの味ではなかったです。牡蠣の種類は豊富でまあまあ美味しいのですが、サービスの質はとても値段に見合ったものではなかったです。その後、行ってません。

大好きなブライアントパークにはXmasに向けてグッズの露店が
すでに街にはXmasの装い
グランドセントラルのオイスターバー、Thank's giving dayで閉まっていたので翌日に再チャレンジ
オイスターバーの牡蠣食べ比べセット
Xmasデコレーションのユニクロ

週末にグッゲンハイム美術館に行きました。初めての訪問でした。
建物の特徴的な外観の通り、内部には緩やかな螺旋状のスロープがあり、そこを上り(あるいは下り)ながら鑑賞します。
壁だけじゃなく、真ん中の吹き抜けにも大きな展示がありました。
セントラルパークの木々は、キレイに紅葉していました。

NY グッゲンハイム美術館
NY グッゲンハイム美術館
NY グッゲンハイム美術館
セントラルパークの紅葉

東海岸のNYから1日かけて西海岸のサンフランシスコの空港へ、そこから車で30分くらい東に走るとLivermoreという街があります。そこに食品の味や香りの評価で有名なNFL (National Food Laboratories)という研究機関があり、そことの共同研究のために訪問しました。
到着の翌朝から、やはり走りました。肌寒い霧の中を走るのは本当に気持ちの良いものです。

LIvermore、早朝の紅葉
Livermore市街
NFLのキッチンのようなラボ

実験も終えて、Livermoreから車でサンフランシスコに戻り、そのまま帰国の途につきました。
空港ラウンジでお寿司があったので試してみました。正直なところ、アブダビのカルフールのお寿司の方が美味しかったです。でも、ここのブドウは絶品でした。見た目は何てことないんですが、多分僕がこれまでに食べた葡萄で最高でした。
このラウンジであの山中先生を見かけました。もちろん、お声がけするのは遠慮しましたが。先生は関空便だったんだろうと思います。

サンフランシスコの空港ラウンジで軽くお寿司


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