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高齢者施設における新コロナウィルス対策についてのアンケート結果

①「高齢者施設職員に対するアンケート」

4/26より、Twitterにて「高齢者施設職員に対するアンケート」を48時間に於いて実施しました。
業界内で横の連携がまだまだ少ない入所施設において、自分の職場以外の情報はなかなか入ってきづらいことかと思います。
他所の介護職はどう思ってコロナ禍の中のケアに当たっているのか、また、管理側の立場にいる方は、現場職員がどういう気持ちで日々の業務に向かっているのか、そういったことを知るために、小さなアンケートではありますが一つの参考になればと思います。

結果の通り、全体の7割以上の人が自分の職場の新コロナウィルス対応に不安・不満を抱えており、中でも「かなり不安・不満がある」が41%と、最も多い選択となりました。
ただし、Twitterの字数制限もありアンケートの質問自体があまり詳細でないこともありますので、この結果は、例えば「新コロナウィルス自体に対する不安」であることも考えられます。
ですが、そういったことを踏まえても、多くの施設介護職員が職場の新コロナウィルス対策に対して不安・不満を抱えていることは事実だと思われますので、より安心し、より納得してコロナ禍の中のケアに向かえる状況になるために、このアンケートが「現状を知る」一助になればと思います。
ひとまず「不安・不満であるのは自分の職場だけではない」ということです。

②具体的な不安・不満点について

最も重要なこちらに関しては、まだまだ情報収集が足りていません。引き続き情報収集が必要な状態ではありますが、Twitterのアンケートへのリプライや、私が個人的に聞いた話などを元にまとめていきたいと思います。

1.デイサービスやショートステイ、訪問リハビリ、家族等、外から施設内へ人が来ることについての不安・不満

Twitterのアンケート以外でも、外来者がウィルスを持ち込んでしまうことへの不安は多く見られました。
実際に福祉系の新コロナウィルス感染状況を見ても、入所施設よりもデイサービスでの感染発生が多く、デイサービスの職員は自分たちの部署にウィルスが持ち込まれるリスク、入所部署の職員は併設のデイサービスから入ってきてしまうリスクを感じている状況が見えます。
また、地域による感染者数の差もあるため、サービスの提供状況にも差が出るのは当然ではありますが、現状でも訪問リハビリ等外部サービスや家族面会を行っている事業所もあり、これに不安を感じている職員も見られます。
もちろん経営者としては利益を得る必要もありますし、ショートステイやデイサービス、訪問リハビリも必要としている利用者さんもいます。家族へ会いたい人も大勢います。
そういったことを踏まえると、一概にサービスや面会を停止すべきとは言えませんが、未曾有のウィルス禍であることを考えれば、各事業所は、職員が安心して仕事ができるように、新コロナウィルス対応について、さらなるコミュニケーションや、より説得力のある情報の提供が求められていることが考えられます。

2.施設内での新コロナウィルスに対する知識・意識差に対する不安・不満

この意見も複数あり、アンケート以外でも私個人にDMで質問等もありました。
自分は新コロナウィルス感染について非常に脅威を感じているが、職場の人は同じ温度で考えておらず、それが不安・不満につながっているというものです。
これはとても難しい課題です。新コロナウィルスやその予防、対応等については、非常に多くの情報が発信されており、しかもどんどん新しいものが出てきます。個人レベルでの情報・知識量には当然大きく差が出ますし、結果意識にも差は出ます。
例えばスタンダードプリコーションの徹底と言っても、感染の脅威を感じてないことから実際には雑に施行されているような例もあるようです。
また「事業所側が現場に正確な情報を出してくれない」という話しもあります。

各事業所で、情報の共有や感染予防に対する意識の高め方としてどういった取り組みがされているのか。また、その情報を元に実際にどういった対応を指示しているのか。
事業所内、法人内だけではなく、他所の法人等でどういった対応を取っているのかを知りたい介護職は多くいると考えられます。
他所が良くて自分のところは悪い、というような話ではなく、横のつながりを持つことで「意識を高め合う」ことや「より自分の所に合う対応を知る」ことで選択肢を広げられる状況が望まれます。

③まとめ

上記2点は今回のアンケートへのリプライや、その期間中にあった私宛のDM等の内容を含めて、多くあった回答へのものとして書かせていただきました。
これ以外にも多数不安・不満はあると思いますし、コロナ禍自体も日々様相を変え、常に情報や対応のアップデートが求められています。

また、中間管理以上の方からも、当面の対応は指示はしているが、行政からの通知や補償等の先が見えないものが多いことから、事業所内での先も明確にしづらい点や、フローチャート等は作ってはいるが、例えば実際に感染が発生したときに想定を超えることは当然考えられるので、職員のリソースも含めて読めない要素が多い話しもあります。

多くの意見を頂いた上で。
私の感想としては「わからないことがある」のは未知のウィルスでもあることからどうしようもない部分が多いと思いますが、そこが引っ掛かりとなって、それぞれの立場で情報や思い・悩みを抱えた状態で止めてしまうことはデメリットが多いと感じることです。
「現場には上司の苦労はわからない」
「経営者には現場の苦労はわからない」
これは平時からよくある話ではありますが、新コロナウィルスの蔓延という世界的な規模の災難時だからこそ
「正直に言うとこれで困っている」
「本当はこれが怖い」
「でもこれだけは大切にしたい」
「利用者はこう言っている・そういう様子がある」
等々。こういったことをそれぞれの立場で抱えてしまうのではなく、立場を超えて話し合うことは相互理解にとても大切であり、省いてはいけない行為だと感じます。
その上で「誰が言った」というのは関係なく、情報や意見そのものの価値にこそ注視し、少しでも多くの人が安全・安心にケアすることができるような環境が増えていくことが大切だと思います。
新コロナウィルスが我々の気持ちをバラバラにしようとすることに負けることなく、多くの人が協力し、より強い関係性が、ウィズコロナの時代の良いケアをつくっていくことを、心から望みます。

アンケートにご協力いただいた方、その他ご意見を下さった方、本当にありがとうございました。

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