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アメンボ

水に拒まれて、泳げなくなってしまった、それでも空は、いつまでも見捨てないでいた。下に落ちることを知らなかったから、落とされた時には耐性がなかった、どうしようも無かった、あとはただ落ちぶれ続けるだけだった。
求めるものは勝手に落ちてくる、それも目の前に、無限大に、思うままに。だからこそ、尊大に、傲慢に、自信過剰に振る舞うことしか出来ないで、一度それが通じないならば、脆弱という言葉を、認めないではいられない。
僕は恨んだ、僕を強き者にするための、厳しい試練を与えなかった環境を。
僕は恨んだ、それを認めて止揚するための、精神を与えなかった我が親を。

でもきっと僕は、そんなだからこうなってるのだろうな。
空に満足することが出来たら、それだけであとはもう何も、要らないはずなのに。

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