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ドラッカーの教え/成果をあげるには 7

ドラッカーの教え、「成果をあげるためには」の第7の習慣は
「会議の生産性を上げる」です。

マネージャーたちの時間の使い方を調べたドラッカーは、普通のトップマネジメントの場合、一日の半分は何らかの会議に出させられているといいます。

したがって成果をあげるには、なんといっても会議の生産性を上げなければなりません。

もちろん会議は懇談会ではなく、仕事の場にしなければなりません。

会議の生産性を上げるには事前に会議の目的を明らかにすることが必要です。

目的が違えばそのための準備もその後の成果も違うはずだからです。

私の手元にある過去のスケジュール表を見ると、2020年10月には1か月に20回の会議に出席していました。2015年11月は28回でした。

実に毎日1つ以上の会議に出席していたことになります。

会議の種類はさまざまで、1人による報告の会議、数人あるいは全員による議論の会議、主催者である私への報告の会議、経営陣による情報共有のための会議、組織改革など重要事項検討のための会議、意思決定権者への確認のための会議などなど。

それ以外にも、マネージャークラスの社員たちとの1on1ミーティングも会議に変わりはありません、これも相当回数実施しました。

私が経験した社内会議の中で、あまり成果の上がらなかった会議に「定例会議」というものがあります。毎回常に生産的であるわけではなく、趣旨は決まっているものの、具体的な議題が欠しい時にも開催している毎月定例の会議です。

皆さんの会社内にも存在していませんか?

集合して開催することが目的になってしまっている会議。

その日決まったことは次回の開催日だけだったなどという、笑えない会議。

ここで重要なこととして、会議の目的を決めたらそれ以外のことに脱線せずに集中し、目的を達したならば直ちに閉会とし、別の問題を持ち出してはならないとドラッカーは戒めています。

過去にあった生産性の上がらない会議の事例をさらに二つご紹介します。

ひとつは主催者(議長)がその場の思い付きで会議の目的以外のことを持ち出しては長時間討論(雑談)するケース。

これには本当に疲れきった思い出があり、その会議がある日は前夜から憂鬱な気分になりました。
何しろ準備をしていないのでみんなが思い思いのことを言うために、無駄に時間を使います。

むしろその雑談めいたことこそが、本当の会議目的ではなかったかと思わずにいられませんでした。

そしてもうひとつが、経営陣を前に何らかの報告をする社員が実に手の込んだ素晴らしいパワーポイントとたくさんの付帯資料をコピーして用意している会議。

この1時間の会議の準備のためにいったい何日費やしたのか、会議が終われば即シュレッダーに直行になるこのコピーの束はどれだけのコストを無駄にしているのかと聞きたくなるような会議。

こういう会議の原因はどこにあるかご存じですか?

これは私の見解ですが、社員が素晴らしいパワポを準備したくさんの資料をコピーして配布する理由は、ひとえに経営陣が現場の実態を理解していないことが原因です。

議論の本質に入る前に経営陣に現場の実情を初歩から説明しなければならないために、本来ならペーパー1枚で済むことに対して大量の資料が必要となるのです。

経営陣が日頃から現場のメンバーとコミュニケーションをとっていれば、こんな会議はなくなります。

このケースは以前お伝えした『良好なコミュニケーション環境は業績を向上させる』の正反対のケースです。

こんな生産性の低い会議、あなたの会社では見られませんか?

この章でドラッカーは、「会議には、成果をあげるものと上げないものの二つに一つしかないことを知りなさい」と締めくくっています。

あなたの会社の会議は、常に成果の上がる会議になっていますか?

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