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『遠野物語』現代語訳

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ゆっくり遠野物語。 ちくま日本文学全集『柳田國男』、青空文庫を底本としています。
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#昔の人

遠野物語8

黄昏時に家の外に出ている女や子供たちはよく神隠しに遭うのは他の地域と同じである。松崎村の…

mikovskaja
4年前
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遠野物語10

この男はある奥山に入って、キノコを取ると言って小屋を作って泊まっているときに、深夜に遠い…

mikovskaja
4年前
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遠野物語11

この女と言うのは母1人子1人の家で、嫁と姑の仲が悪かった。嫁はよく実家へ行って帰ってこなか…

mikovskaja
4年前
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遠野物語12

土淵村山口に新田乙蔵と言う老人がいた。村の人は乙爺と言う。今は90歳近く病気をして死にかけ…

mikovskaja
4年前
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遠野物語21

右の孫左衛門は村には珍しい学者で、いつも京都から和漢の書物を取り寄せて読みふけっていた。…

mikovskaja
4年前
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遠野物語26

柏崎の「田圃のうち」と称する阿倍氏はよく名前を耳にする旧家である。この家の先代に彫刻が巧…

mikovskaja
4年前
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遠野物語84

佐々木氏の祖父は七十歳くらいで三、四年前に亡くなった人である。この人が青年のころといえば、嘉永の頃であろうか。海岸の地には西洋人が多数来住していた。釜石にも山田にも西洋館があった。船越(ふなこし)の半島の突端にも西洋人が住んでいたことがある。キリスト教は密々に行われ、遠野郷にてもこれを信じて磔けになった者がいる。浜に行った人の話で、異人はよく抱き合いては嘗め合う者だなどいうことを、今でも話題にする老人がいる。海岸地方にはあいの子がなかなか多いということである。