【他人は自分の鏡】2way
下記の曲を聴きながら読んでもらえるといいな
(ONE/ Amir)
https://music.youtube.com/watch?v=IvKIiRKmnSY&si=zQcpudW355s-a9W8
他人は文字通り「自分を写す鏡」なのだと、ダリルおじさんという人が言っていた。自分以外の全てがそうだというのだ。…意味が分からない。
家族や恋人は、特に自分の嫌なところを写し、自分に近いほどその傾向は強くなるのだという。
自分にとってのその人は、なんならその為にいるようなものらしい。
生まれる前のまだ魂の状態で、その2人は〈良き人生〉の為に互いが〈イヤな自分〉をうつし合う役を演じると、約束するらしいのだ。
ちょい怪しい話に聞こえてくるが、自分の体験に当てはめて見る事にした。
オレは奥さんとの関係が悪かった。うつ状態だったからだ。奥さんは知らない所で「オレの姉」と連絡をとっていたらしい。
オレは常々「姉は天才で、子供の頃から頂点に立っているような人だ。同性の後輩から大量のラブレターをもらうような人だ」と自慢していた。
オレの奥さんはすぐに〈どうしていいか分からなくなる〉タイプの人だった。
オレと姉は〈どうしたらいいか直ぐに分かる〉タイプだった。だからオレとの事を相談すれば、何とかして貰えるんじゃないかと思ったのだろう。
目的も分からず、伝えず、電話をして、オレに対する「悪口」にならない程度に見せかけた〈グチ〉をただ聞かせていたようだ。
ある日オレは、実家に里帰りした。駅に迎えに来た姉が、夫婦間の問題を抱えているオレに、車の中でこう言った。
「あなたは結婚に向いていないんだよ」
今思えば、この言葉の受け取り方は100通りくらいある。つまり、オレの心の状態次第で変わるということだ。
その時のオレの心の中は
(結婚に向いていないとかなぜ分かるのか、オレが家族を守る為にどれだけの努力をしてきたのか知りもしないで、オレでさえ分からない事を、何を根拠にしているのか、表面で見ている事を根拠にしているなら、それは間違いだ!だってオレの気持ちは何ひとつ貴女に伝えていないんだから!そもそも自分をジャッジ出来るのは、自分しかいないんだよ!)
長い長い呪いの言葉が心の中で、洪水のように押し寄せて来て、家族を呪うこの状態がとてもイヤだった。
当時、オレは家族というつながりを守るため、何日も徹夜で仕事をして頭がおかしくなって、ウツになって、2年後に妻に暴力を振るってしまった。
そうまでして守りたかった家族なのだ。
それは、とてもではないが「向いてない」で片付けて欲しくないし、それはオレの全存在をかけて絶対に認めてはいけない言葉だった。
しかしだ、今考えると他のとらえ方が100通りほど思いつく。
(なんとなく言ってみただけ)
(オレの事を心配してくれている)
(もっと自由に生きるって手もあるよ)
(どのくらい悩んでるのか軽くつついてみるか?)などなど
その後、姉は続けた。
「子供が幸せじゃないのはダメだよね」
オレはまた言葉に詰まった。心の中ではこうだ。
(また得意のジャッジだ!オレはまだしもオレの子供の〈幸せ度合い〉までジャッジされている!貴女はあの子の笑顔をどれだけ見たことがあるのか!オレは何万回も見ているあの笑顔を知っているのか、家族を引き離そうとしているのか!)
…更に強烈に呪った。最もネガティブな反応を反射的に選んでいた。
仕事を失い、自尊心を失い、自分を恥じていたオレは、自動的にその反応を選んだ。
姉がどういう意図で言ったのかは姉しか分からないし、通りすがりの人がたまたま聞いたとしたら、何の意味も持たない言葉になるだろう。
その言葉は、受け手によってのみ意味付けされる。
オレの中にある〈呪い〉の感情は、姉の言葉(オレから見た姉)というカタチで、反射して、オレに返ってきて、そのまま〈呪い〉は写し出された。
これは、どのような気分でいるかにより、受け取り方が変わるということだ。
あの時の車内で2人に起こった事実が、今この文章を書かせている。過去が未来を作り今に至る。そして、今が過去と繋がり過去を変え、その過去が別の新しい今を作る。
そう考えると、あの車内の最悪の空気が、険悪な呪いが、まるで神殿の中で何かの儀式をしていたような気がしてくる。
そして、今、オレの中の「姉を呪った」記憶は、「姉と呪いの儀式をした」記憶に変わった。
そして更に今「姉と神聖な儀式をした」に変わって行く。
うまく言えないが、コレが「他人は鏡」の正体だ
だから、いとしい我が姉よ!あの時の醜いあなたは、決して醜くはなかった。醜いのはオレだった。
あなたは、昔も今も変わらず美しいのだと思う。
貴女はオレで、オレは貴女だ。オレの覚醒していくサマを文字を通して体験しながら、貴女は覚醒していく。
そしてそのサマを見ながら、オレは覚醒していくんだ。
追伸
先日姉から「大好きだ!」的なメールが来た。「あなたはすごい」と感動しているのだ。
姉よ、確かにオレを大好きかも知れないが、それは「自分が大好きだ!自分を誇りに思う」と同じ事だ。だから気持ちがいいのだろう。
オレも姉が大好きだ。つまり自分のことも大好きだ。コレからオレはたくさんの大好きな人を作り、「〈大好き〉を写す鏡」を演じていこうと思っている
ちょっとしつこい文だったかな?
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