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ミッドライフの婚外恋愛

ゴールデン・ウィークはのんびりと…なんて思ってたけど、この一週間、なかなか長く感じた。GW前半と後半の間の平日、部下たちとたくさん面談をして、自分も上司と面談をして、なんとなく人生を考えるモードで休みを迎えちゃったからかもしれない。

昨日は10代から仲の良い、大好きな女性たちと、昼からテラス席でたくさんお酒を飲んで、酔いすぎないように同じ量の水を飲んで、あっという間の数時間を過ごした。年齢も出身地も違う彼女たちとは、なんでも話すけど、やっぱり婚外恋愛の話は出来ないままだ。

よく話に出てくる、叔母さんがいる。友人の、親はまだしも叔母さんに会ったことあるって珍しいと思うけど、私もご飯をごちそうになったことがある。叔母さんは、いまのパートナーと7.8年付き合っていて、すごく仲睦まじい。彼と定食屋に行ったら、別々なものを頼んでひと口ずつ分け合ったり、遠くまで出かける用事が出来た時、せっかくなら車で行こうとサービスエリアや日帰り温泉を見つけて楽しむ。芸術家同士なのに、高尚さを鼻にかけたりもしない。ささやかな“楽しみ力”がある。

そういう話を聞くと、ほんとに慈しみ合って安定してる二人には、わざわざ相手のことをどんな風に好きか伝えるとか、自分に酔ったみたいな愛情表現とか、まったく不要なんだなと思う。一方、彼から今日連絡が来ただの、来ないだの、言い方がそっけないだの、一喜一憂している自分に内心苦笑した。

前に彼が「トウコがさ、この関係には別れる別れないとかないよねって言ってたでしょ。へんな話、半年とか、一年とか会わなくても、あんまり気持ちは変わらないんじゃないかとも思う」って言ったことがある。「例えばどちらかの体調が悪くなったり、環境が変わったりしても、元気にしてるかなあって思ったりしてさ」って。その時は、半分わかるけど、半分わからんって思った。「わからん」の半分は「元気にしてるかなあ、」みたいな言い方が“きれいなフェードアウト”に感じてムッとしてしまったのだ。そういうのって大抵、片方だけすっきりした気持ちで過ごす。もう片方は、事情を汲んで、我慢して、飲み込んでるだけだよな……、いい話みたいに別れるの嫌だ〜!って思った。

時間を経て、彼の体調が悪いいまは、けっこう言ってることがわかる。別れ話として言ってたわけじゃないことも。いまの彼は無理して時間を作って私に会う気も持てないだろうし、性欲も減退してるだろう。私は、心配しているようで、内心、続けるために頑張ってくれるかどうかで愛情を測ってる気がした。不倫に誠実ってのも、そもそもヘンだけど、私のほうが不誠実だったかも。

「長旅でした。明け方実家についたよ。トウコもゆっくりしてね」「今日は朝から山登りした。髪ボサボサの俺です」「僕が育った場所だよ」と、帰省中も一日一度、写真や動画を送ってくれる彼は、どう考えてもやさしいので、もっと長い目でいようー。

さっきの叔母さんカップルは、長い付き合いといっても、逆算すると、つまりは50歳くらいの時に出会った二人。人生なにがあるかわかんないよなあ、そう思えるのもいいよねーと友人と言い合った。

そして、そういう話を聞くと、彼とまだまだ若いうちに出会ったような気もする。でも、老境のパートナーのように一緒にいることを夢想するには、先が長すぎる。特にかわいい盛りの子どもがいる彼は、尚更。ミッドライフ・クライシス(中年の危機)なんて言うけど、ここからしばらく、難しい年頃なのかもなあ。まあ、難しくないお年頃なんてないか…と、思ったゴールデン・ウィークでした。

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