岸田文雄というよくわからんおっさんについて思うところなど
WBC日本優勝、オメデトゴザマス。
まあWBCの話題はさておき、外交でも日本が快挙を成し遂げました。岸田首相の訪ウです。
そこで今日はその岸田首相について思うところなど。
例によって風呂入りながら思いついたネタです。すっかりお風呂NOTEですな。
1/タイミングばっちりの岸田
習近平の訪露にぶつけたのは多分わざとでしょうが、日程がここまで見事にぶつかったのはさすがに出来過ぎなので、半分くらい偶然じゃないかなと思います。WBC決勝との日程かぶりに関しては完全に偶然でしょう。全部狙ってやったんなら外交の天才とか持て囃さないとダメってレベルです。
‥‥いやまあ、そんなこと言ったらWBCのあのマンガみたいなドラマティックな展開はなんなんだよ、大谷vsトラウトで締めってなんなんだよ出来過ぎだろって気はしますが。
いずれにせよ、習近平が訪露してるタイミングで、という必要が(国際政治的にはもちろん、後で触れる身の安全的な意味でも)ありましたから。
しかし外交的には非常にインパクトありましたねえ。これによって
国際手配されたロシア・プーチンとそれに協力する独裁共産中国・習という悪の枢軸
vs
悪の枢軸と戦うウクライナ・ゼレンスキーと日本・岸田、そしてG7の自由陣営
という絵がコントラスト高めにバッチリ出力されたわけで、これが後の世で東西分断、新冷戦の第一歩だったのだ!とか言われちゃったりするのかな?という感じさえあります。
以前から岸田首相が訪ウしたい訪ウしたいと言っているという話はありましたが、さんざん待った甲斐あって最高のタイミングを掴めたようで、ここは素直に「やったな岸田ァ!」と言ってあげたいところです。
2/外交ではヤリ手の岸田
要人警護というと、とかくVIPの近くに物々しい警備を置いたり、重装甲の車両で移動したり、映画よろしく警備担当や情報機関が諜報合戦繰り広げてたり、マスメディアに箝口令を敷いたり、逆に偽情報を流布させたり、というイメージがありますが、今回はどちらかというとそういう感じではなかったですね。これはなぜか?というと国際政治的な理由です。
つまり直接的な武力ではなく、状況で自身とゼレンスキー大統領の安全を確保したわけです。いやはや大したもんです。
もちろん、万が一の攻撃にも当然ながら備えています。映像を見るに欧州某国の特殊部隊らしき人たちが写ってます、それも結構な人員と装備。
想像ですが、これには当事者であるウ国だけではなく西側諸国のバックアップ、つまり衛星やドローンなどによるロシアからの攻撃監視はもちろん、シギント(通信傍受などの諜報)、ヒューミント(人を介した諜報)などによるバックアップもこっそりかつしっかり入っているはずで、その協力要請から段取りから何から何まで、外事関係の各省庁の奮闘があったのでしょう。そしてそれを下支えしたのは、ひとえにウ国訪問を実現したいという岸田首相の熱意でしょう。
これは日本外交、岸田政権の得点として、素直に評価されるべきところだと思います。
3/本当の実力はどうなんだ岸田
外交面では元外相としての経験もあってか成果のある岸田首相。今回は見事に得点を決めました。
しかし、これが内政となると評価がガクッと落ちる。
まあ‥‥そこに関してはね、仕方のない部分もあると思うんですよ。
内政に関しては国内、つまり全員身内という状態で、直接利害に関係する特定の人々から、あまり関係ないその他大勢の人々まで、まんべんなく不利益の無いようにという無茶をやらねばならんわけで、そして現実としてそんなことはなかなかできないわけで、結果どこかしらが不満を持ってしまう、そういう構造なわけです。なので、基本内政は誰がやろうが難易度が高い。やり遂げるには圧倒的なパワーとカリスマが必要でしょう。
戦後日本でこれができたのって、それこそ田中角栄くらいじゃないですかね?まあ古き良き(と言っていいかはわかりませんが)政治家が通用するシンプルな時代だからこそ、という話でもあります。
ただ岸田首相も、小泉内閣では文部科学副大臣、福田内閣では国務大臣や特命担当大臣、第2次安倍内閣で外務大臣、第3次安倍内閣で防衛大臣と、様々な要職を経てきたわけですから、基礎能力としては決して無能ってわけではないはずなんですよね。各省との丁々発止も多く見てきたでしょうし。
以前に「岸田文雄は大根役者」と言いましたが、あれだって「わざと」やってたんなら、それこそモノホンの役者ですよ。んなことはさすがに無いかなとは思いますが。
で、本題。このおっさんの実力についてです。
有料記事でネタバレはマズいんで白饅頭先生がツイッターで触れているとことだけ扱いますが、
こういう手が打てる程度には優秀というか遠慮深謀ができるのが岸田首相‥‥と、ここまで考えてふと思いました。
4/やらなきゃいけないことはやる岸田
岸田政権、自民党が「産んだス文明」を復活させようという。つまり、必要だと思っていたからこういう政策(ぜひ白饅頭先生の記事をお読みください)を打っているわけです。
訪ウだってそうです。様々な情勢や要因から、岸田首相が必要だと思っていたから実現したわけです。
これらを踏まえて改めて考えてみると、岸田首相は、やらなきゃならないと思ったことは何が何でもやるおっさんなんだと思います。
安倍元首相の「美しい国」のような、ある意味わかりやすい美観や思想とは無縁。
しかし、日本のためにどういう選択をするべきなのか、それを実現するためにはどんな政策を採ればいいのか、それをただただ愚直に考え実行に移すクソ地味なマシーン。それが岸田文雄の正体なのではないかなと。
岸田首相は「聞く力」と言いました。そして実際、首相のもとにはあちこちから献策が集まってくるでしょう。それらを全部ちゃんと聞いていたわけです。で、これはやらなければというものを選って実行に移していた。
しかし一般的なリーダー像とはどこか違う。自分が旗振り役になるわけではなく、ただ適任と思しき政治家や官僚に投げて結果を待つというスタイルで通していた。それが政治的な保身のためか政権の安定のためかはともかくとして。
だから、傍目から見ると「なんだこのおっさん」「何もしない岸田」とチグハグになっていたわけです。
5/じゃあなぜ減税しないんだ岸田、の答え
「聞く力」によって政策を選んできた岸田首相。
ならばなぜ、多くの識者が提唱し、国民が必要とする減税や景気浮揚策を出していかないのか?
答えはおそらく「誰からもその話を聞かないから」です。
そもそも日本国内閣総理大臣に直接声を聞かせられる人間って、それこそ自民党でもそれなりの立場の人間か、政権運営に関わっている大臣、秘書官、官僚、そういった人間です。
そういう人間から
「首相!五公五民などと揶揄されるほどの税制では、もはや国民生活は持ちません!」
「‥‥わかった。」
という感じのやり取りがされないと、このマシーンは上手に動かないんです。
最近流行りのAI画像生成みたいなもんですね。国民側が正しく要求をインプットしないと、国民が欲しい政策がアウトプットされないんです。
まして自民党には財務省の手先と化した緊縮財政派の議員がウヨウヨいるわけで、状況としてもなかなかに難しいものがあるでしょう。
なので、この先岸田首相を減税や積極財政に向かわせたいというのなら、ぱっと思いつくのは2つの方法です。
1つは自民党議員に減税や積極財政をガンガン要望していくこと。物価の上昇率に比べて賃上げが足りていないといった訴えも効果的でしょう。とにかく自民党内に多数いる強力な緊縮財政派を弱体化させること、減税が票になるぞと暗に訴えていくこと、これは有効な手段になると思います。
そしてもう1つは野党にキャスティングボードを握らせること。
ですがこちらは選択肢があまりありません。維新は大阪人ばりのドケチでとにかく支出を減らそうという緊縮財政的な考えなのでNG、減税を訴えるれ新は極左暴力集団に近く危険なのでNG、立憲民主党や共産党は論外。以前から減税などを訴えていて、かつ立憲民政党と手を切ってまともになったと評判の国民民主党がくらいしかありません。
その国民民主党も、いかんせん支持率、党員数、議員数は弱小。憲法改正がらみでキャスティングボードが回ってくる可能性もあるので、玉木代表の手腕に期待‥‥というところでしょうか。
まあ兎にも角にも岸田首相を動かしたいなら、まず外堀からチマチマとでもいいので埋めていきましょうよということです。地味ですがそういうのって大事です。
6/やればできる日本
WBC決勝戦前、大谷選手が言いました。
「トップになるために来た」「勝つことだけを考えていきましょう!」
いやあ、カッコいいですねえ。
一方、静かで過酷な旅程を乗り越えて戦地に降り立った岸田首相は、ウ国への「揺るぎない支持」を表明し、日本外交の道筋をつけました。
こうやって粛々と役目をこなせるというのも、シブくていいじゃないですか。
やっぱりね、日本人ってやればできるんですよ。
長きにわたるデフレや不況のせいで自己評価は低くなっちゃってますが、世界を舞台に戦えるだけの実力は十分にあるんですよ。
だから、諦めるのはまだ早いと思うんですよね。
財務省の専横を蹴っ飛ばして、景気を良くして懐具合を温かくして、産めよ増やせよ地に満ちよ、日本よ再び!だってできるはずなんです。決意めいたやる気さえあればね。
とりあえず今年4月の統一地方選、まずここからでも行ってみません?
と思う俺氏なのでした。
さあ、明日も頑張ろう。