インナーチャイルドとの暮らし②

 前回から時間が経ってしまった。わたしの暮らしの中に、インナーチャイルドはまだそれほど馴染んでいない。けれども確かにその存在を感じられるようになっている、と思う。

 小さな女の子はまだ話してはくれないけれど、悲しくて泣いていることが増えてきた。そんな彼女に、たくさん泣いていいんだよ、と話しかける。大丈夫だよと抱きしめる。自分がそうされたかったように。

 自分が慰め役でもあり慰められる存在でもあるというのは不思議な感覚だ。自分が言われたかったことを言って、そしてそれに少しずつ救われる。抱きしめると抱きしめられている気持ちになる。悲しくて泣いていたけれど、少し気持ちがあたたかくなって、また涙が出る。

 昔のことをふと思い出すときにそうすることが増えた。昔のことは思い出すたびに悲しくなって、悔しくて涙が溢れそうになる。だからその時の自分を探して、優しく声をかける。

 まだ日常のあいだに何かを話しかけたり話しかけられたりということは上手くいっていない。ほとんど喋らないから、やりたいこととか欲しいものとか、そういうことは分からない。それもまた時間がかかるのだろうと思う。

 今度は楽しいことにも寄り添えたらいいと思う。こちらから楽しいことを提示してみてもいい。でもまだ遊ぶよりも心に空いた穴を埋めて欲しいと思っているのかもしれない。

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