こんな僕じゃだめですか?

 もっと自信持ちなよ、自己評価低くない?優秀だから大丈夫だよ。全部僕を認めてくれているからこそ出る発言だろう。でもそれは僕のこころを切り裂く。

 それは「優秀じゃないあなたには興味ない」と言われているように感じるからだ。「卑屈にしているきみのことは好きじゃない」と。

 本当はそんなことないのかもしれない。だってひとびとはあんまり何も考えずに喋っているってことを、ここ数年で痛いほど感じたからだ。でも僕だって、深く考える前にもうこころには傷がついているのだ。

 「こんなわたしに価値ってあるのかな」と思いながら生きている。前に書いた通り、自分は自分の考えていることや才能のことを気に入っていて、良いよねと思っている。でも他人がどう思うかは別だ。特に、幼い頃家では「お前は邪魔なんだ」というメッセージを発されていたように感じていて(例えば父親の舌打ち、ため息、ドアを叩きつける音、罵声、母親の疲れたという口癖や休日に寝ていることが多かったこと)、だから今でも僕ってここにいていいのかなあ?っていつも不安なのだ。

 それで無意識に相手が喜びそうなことを言い、行動して、相手に合わせてしまう。助けてと言えずに大丈夫ですと答える。そうやってこころには淀んだものが溜まっていって、僕を苦しめる。そうやってヘドロまみれの僕のこころは、形をとどめるためになんとかにんげんのふりをし、優秀なふりをする。そして振り出しに戻る。

 自分のことは好き、と言っても、自分から出てくる発想や感性が好きであって、結局ほかのひとのあなた優秀ですごいね、と何も変わらない。もし僕がいまみたいに考えたり出来なくなったら、多分僕は自分のことを嫌いになるだろう。

 別に自分には何もなくて大丈夫、どんな自分でも好き、なんて、全然思えない。そうやって扱ってくれるひとなんて、誰もいなかったから。だからどうやったらここにいて大丈夫、と思えるのか全然わかんない。こころはいつも不安でいっぱいだ。何か、目に見える成果がなきゃ、って。

 このこころを直す方法はあるのだろうか。こころに溜まったヘドロみたいなものを綺麗に洗い流す方法はあるのだろうか。このこころにあいた穴を埋める方法はあるのだろうか。

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