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#togグラフ ver.2 #4 解説

 当記事では #togグラフ ver.2 #3 の正解の発表・解説を行います。
 まだ解いていない方は、以下の記事を先にお読みください。

 正解だけを見たい方は、目次から「3.1. 正解」に飛んでください。

1. 問題の解説

1.1. 問題

 さて、今回の問題は下図でした。

問題 グラフ (再掲)

 今回はサンバーストが 2つ あります。
 サンバーストというのは階層構造のある円グラフのようなものです。

 なお、出題時に書いている通り、今回は色の塗り分けは装飾だけなので、問題を解く上で考慮する必要はありません。

1.2. 要素数

 サンバーストの問題においては、要素数等を数えることが重要になることが多いと思います。
 左のグラフに 1~6階層、右のグラフに 1~8階層 存在することは簡単に数えられます。

 その一方で、要素がいくつ存在するのかを、一周 (360度) すべて数えるのは大変だと思います。
 そのため、 90度だけ 数えて 4倍 する方法がオススメです。

問題 90度の要素数

 どちらも 90度 の範囲に 25個 要素が存在するので、全部で 100個 あると考えられます。
 ただし、1つ のマスが 2つ の要素を表しているとしたら 200個 ですし、 10個 の要素を表しているとしたら 1000個 になります。
 つまり、確実に分かるのは 100 の倍数であることまでです。
 しかしながら、こういう状況では一先ず 100個 に絞って考えるのが無難だと思います。

 全部で 100個 あるものといえば何でしょうか?
 「~ベスト100」等も含めたら無限にあるので、ここから絞るのは大変ですが、元々 100個 しか存在しないものを優先的に考えて、ある程度、山を張るのはありだと思います。

 また、この段階で、ジャンル表示を利用して絞るのもありだと思います。
 ただし、ジャンル説明記事に書いてある通り、表示は作問者の主観で決まっているため、解く際に信用しすぎないようにご注意ください。

1.3. 階層数ごとの要素数

 次に、階層数ごとの要素数を数えてみます。
 つまり、各要素が「何階層まであるか?」を数えるということです。

問題 階層数ごとの要素数

 問題のグラフからこの円グラフへの変換さえできれば、この "スポーツ" をそれなりに経験した方ならば、閃く可能性が十分あると考えています。

 実のところ、左のグラフの「1階層 しかない要素の数」が 7個 であることが一番重要です。
 「1」のものが 7個……といえば、何でしょうか?

1.4. 凸部の特徴

 最後に、サンバーストの出っ張っている部分 ―― 凸部に注目します。
 下図は左側は元の問題のグラフ、右側はそのグラフの黒丸部分だけ内部データに変更を加えたものです。

問題 凸部

 問題のグラフでは、オレンジ色の丸で囲まれた部分のように、凸部は必ず 2つ以上 の要素がセットで存在します。
 右のグラフの黒丸部分のように、 1要素 だけが出っ張っていることがありません。

 例えば、 0時 の方向の凸部を見ると、 2つ の要素の 1~5階層目 は同じものを表していて、 6階層目 だけ異なる特徴を持っていることが分かります。

 途中まで同じで、最後だけ異なるもの……それはいったい何でしょうか?
 あるいは、このグラフは、異なる特徴が現れる段階までを表示しているかもしれません。

2. ヒントの解説

2.1. ヒント①

 さて、 ヒント① は下図でした。

ヒント① グラフ (再掲)

 左のグラフは「あ」が 16要素 で最多、「な」が 8要素 でそれに続きます。
 また、「お」「わ」が 7要素、「こ」「た」が 6要素 のようです。

 次に、右のグラフは「ひ」が 10要素 で最多、「あ」が 8要素 でそれに続きます。
 そして、「い」「み」が 7要素、「こ」「な」「わ」が 6要素 のようです。

 ア行~タ行の文字が多く登場するものは、この題材に限らずよくあると思います。
 そのため、この中では特に「な」「み」「わ」辺りが多い点が特徴的のように感じます。

 なお、多くの方にとって、左グラフの方が分かりやすいと思います。
 「あなおわこた」や「あなわおたこ」等の形で、中学生の頃に覚えた方もいるのではないでしょうか。

2.2. ヒント②

 さて、 ヒント② は下図でした。

ヒント② グラフ (再掲)

 左のグラフのタイトルが「上」、右が「下」と明らかになりました。
 全部で 100個 存在し、「上」と「下」が存在するものは何でしょうか?

 今回、「上」には 5要素 の文字が「み」、 4要素 の文字は「か」「は」「や」「よ」があると分かりました。
 また、「下」には 5要素 の文字が「か」、 4要素 の文字は「く」「し」「よ」があると判明しました。

2.3. ヒント③

 さて、 ヒント③ は下図でした。

ヒント③ グラフ (再掲)

 3要素以下 の文字がすべて分かりましたが、ここで注目したいものは、「上」の 1要素 の文字でしょう。
 「さ」「す」「せ」「ふ」「ほ」「む」「め」。

 並び替えると「むすめ○○○○」……?
 さて、これは何でしょうか?

3. 正解の解説

3.1. 正解

 さて、正解画像は以下の 2つ です。
(パワポ力が不足しているせいで、すべてのラベルを表示することができませんでした……。すみません……。)

正解 グラフ 上の句
正解 グラフ 下の句

 正解は「小倉百人一首 (競技かるた) の決まり字」でした!
 左のグラフが上の句、右のグラフが下の句でした。

 上の句は読み上げられるものなので、読み仮名に準拠しています。
 例えば、 歌番号44 の「あふことの~」は「おおことの」として扱っています。

 下の句は書かれているものなので、本来の表記に準拠しています。
 例えば、 歌番号5 「こゑきくときぞ~」の「ゑ」は「え」と、 歌番号12 「をとめのすがた~」の「を」は「お」と、 歌番号76 「くもゐにまがふ」の「ゐ」は「い」と、それぞれ区別して扱っています。

 なお、『小倉百人一首』の表記や読み仮名はソースによって揺れが存在します。
 今回、表記は、嵯峨嵐山文華館の Webサイト にある「小倉百人一首の全首を見る」に準拠しています。

 また、読み仮名や決まり字は 株式会社EXCEED の Webサイト にある「百人一首 決まり字一覧」に準拠しました。

3.2. 解説

 『小倉百人一首』の和歌の中に、「さ」から始まるものは 歌番号70 の「寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮」の一首しか存在しません。
 そのため、「さ」と読まれた段階で「いつこもおなし あきのゆふくれ」の札を取ることができます。

 このような札は「一字決まり」や「一枚札」と呼ばれ、全部で 7枚 存在します。
 一般的に「むすめふさほせ」と覚えられることが多いと思います。

ヒント③ グラフ (再掲)

 また、「う」から始まる和歌は 2つ しかありません。
 歌番号74 の「憂かりける 人を初瀬の 山おろし 激しかれとは 祈らぬものを」と、 歌番号65 の「恨みわび 干さぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ」です。

 このような札は「ニ枚札」と呼ばれ、 5ペア 10枚 存在し、「うつしもゆ」と覚えられます。
 これらの札は、一方が既に読まれている場合のみ、もう一方の札が「一次決まり」になります。

 同様に「いちひき」が「三枚札」です。
 以上の「むすめふさほせ」「うつしもゆ」「いちひき」のいずれかを覚えている方なら、 ヒント③ で閃けるのではないでしょうか。

 また、「四枚札」は「はやよか」、「五枚札」は「み」です。
 これらが分かる方にとっては、 ヒント② が重要だったことでしょう。

 そして、「六枚札」は「たこ」、「七枚札」は「おわ」、「八枚札」は「な」、「十六枚札」は「あ」です。
 これらは「あなおわこた」や「あなわおたこ」等の形で覚えられると思いますが、その経験がある方なら ヒント① のラベルがポイントとなったはずです。

 なお、「下の句の決まり字」は、百人一首を中学校で学習しただけの方にとっては、馴染みが薄いかもしれません。

 競技かるたの初心者は、まず「上の句の決まり字」を覚えて、「上の句」が読まれてから、「下の句」を探すことが多いと思います。
 しかし、中級者以降は、「上の句」が読まれる前から、「下の句」を見て「上の句」を思い浮かべます。
 その際に、「下の句の決まり字」から「上の句を決まり字」を逆引きできると役立ちます。

 例えば「つ」から始まる札を見つけたら、「しらつゆに~」の「ら」が読まれた瞬間にそれを取れるよう、「しら」の札の位置として事前に覚えます。
 そして、「し」は二枚札なので、もし先に「しのぶれど~」が読まれた場合は、その札を「しらつゆに~」の「し」だけで取れるよう、覚え直します。

3.3. おわりに

 問題を解いてくださった方々、ありがとうございました。
 次の問題はこちらです。

 前の問題は以下です。

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