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「脱サラしてカフェ」の夢と現実 Twitterに見る世知辛いセカンドライフ事情

会社員を辞めて自分で事業を興す「脱サラ」。実は密かに、いつか脱サラすることを夢見てます……という人も多いのでは。Twitterではそんな脱サラについて、夢と現実のギャップを示す話題がたびたび拡散されます。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)がお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」、今回のテーマは「脱サラ」です。

「脱サラしてパン屋」は「脱サラして漫画家」より難しい?

脱サラして飲食店などのお店を始めることは、退職後の夢としてよく挙げられるプランです。しかしいざ実現しようとなると、さまざまな現実的ハードルが。

アメリカで寿司職人をしているすけちゃん(@AgingAnarchist)さんが、脱サラしてカフェをやりたい人と考えている人に向けて、まず「空いても混んでもいない店に行って、1時間くらい座ってみる」ことをすすめたツイートが注目されました。

お店の様子を観察しつつ、客の人数や自分がお店で使った額、従業員の人数×営業時間×時給……といったポイントをざっくり計算してみると、現実的なハードルの高さが見えてくるのだとか。

このツイートに対し、「実家が喫茶店ですが、人を雇うと利益が残らない」「カフェでいつもこれ気にしながら観察してるけど、ほんとに怖い」といった反応が。起業セミナーに参加した多数のカフェ経営希望者が、事業計画の段階でこの現実を見せられプランを練り直していた、という報告もありました。

また、元小麦粉業界の営業マンだという漫画家のちば・しゅう(@chibasyu)さんは「『脱サラしてパン屋になる』という夢は、『脱サラして漫画家になる』という夢よりも過酷」だと語っています。

パン屋の開業にはかなりの設備や体力が必要となるため、副業や兼業がしやすい漫画家の方がまだ現実的だとのことです。どちらの世界も見てきた方ならではの視点ですね。

協力者選びにも判断力が求められる

独立にあたって、成功率を上げるために専門家に協力を仰ぐこともあります。しかし、どんな専門家を頼るかについても注意すべきポイントが。

都内で税理士をしている旅好き税理士(@fx_travel)さんは、脱サラをしてラーメン屋をやりたいという方の相談に乗った経験をツイートしました。旅好き税理士さんが、相談者に対して「気に入った味のラーメン屋で1年ほど勉強する」「居抜きかカウンターのお店で初期投資をおさえる」といった現実的なアドバイスをしたところ「その話は正論だけど夢がない」と言われてしまいます。

その後、相談者はコンサル業もしている製麺業者と組み、8000万円を初期投資して店を開店。ところが、お店は半年も経たずに売り上げが悪化し始めました。相談者は材料やスープも製麺業者から仕入れる形を取ったため、原価率を下げることも難しそうです。

結局、旅好き税理士さんは相談者から顧問契約を解消されたため「その後のことは分からない」としていますが、相談者のお店があった場所は今、別のお店になっているそうです。

旅好き税理士さんは「上手い話を提案されてそのまま乗れば、1億円のお金があっという間に消えてしまう」とコメント。自営業では、協力者を選ぶにあたっても、自身でしっかり判断しなければならないことが分かるエピソードです。

脱サラ願望はどこから来るのか

どうしても世知辛い話の多い脱サラネタですが、それでも「夢」はつきません。

Twitterユーザーのセーターさん(@re_sweater)が「人が来ないのになぜかつぶれない喫茶店でマスターしながら、バイトの子に『こんなんじゃ店つぶれちゃいますよ〜』と言われつつ働くのが将来の夢」と投稿すると、共感の声が殺到しました。


「誰かの人生相談聞きながら飲めもしないコーヒーついでいたい」「ガンプラ組める喫茶店みたいなのするのが老後の夢」などなど、他のTwitterユーザーから出てくる願望もつきません。

数は少ないですが、ビルのオーナーが趣味でやっているといった背景から「なぜかつぶれない喫茶店」は実在するようです。実際にそんなお店で働いていた人から、店員としてやったことは「マスターと常連の話し相手だけ」だったという報告もありました。

夢想するだけならタダ。さらにそんなお店が実在するという話まで聴くと、憧れがいっそう強くなりそうです。

まとめ

「脱サラ」の話題が拡散されると、「どんな形であれば実現可能であるか」という議論も必ずと言っていいほど出てきます。

世知辛さを知りつつも、ついつい「自分だったらどうするか?」と想像したくなる魅力があるネタだからこそ、脱サラネタは拡散されやすいのかもしれませんね。

以上「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。

この連載は毎週月曜日に更新しています。今後もTwitterでバズった、あるいは興味深いトピックを解説していきます、お楽しみに!

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