見出し画像

「転売ヤー」を撲滅するにはどうすれば?Twitterに映し出される「高額転売」事情

トレーディングカードからプラモデル、ゲーム機まで、人気商品には必ずといっていいほど高額転売を企む「転売ヤー」と呼ばれる存在が付きものです。Twitterでは企業や販売店がさまざまな対策を行い、転売対策に苦心している様子をうかがうことができます。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいでわかる週刊Twitterトレンド」、今回は「高額転売」に関する話題を掘り下げます。

「イベント成績を見せて」コンビニが行った転売対策に賛否両論

企業や販売店が行う転売対策は近年、工夫を凝らした内容になっているようです。例えば、最近の人気商品であるポケモンカードゲーム(以下、ポケカ)については、販売店のコンビニでこんな対策が。あるTwitterユーザーがカードを購入しようとしたところ、店員が「ポケカのトレーナーズウェブサイト(公式サイト)上の、イベントに参加した成績を見せて」と求めてきたというのです。

店員の要求は大会に参加するほどのプレイヤーでなければ対応できない内容で、高額転売が目的の購入者には太刀打ちできるものではありません。

Twitterユーザーからは「転売対策としては完璧!」と絶賛する声もあがったいっぽう、「コレクターや初心者は買えないのはうーんって感じ」「子供に頼まれて買いに行ったから困るな」と指摘する人も。販売店が苦心して考えた転売対策であっても、方法によっては商品を求める購入者の範囲を狭めてしまうおそれもあることがわかります。

「サイン本の価格を暴落させよう!」作家が自ら取り組んだ転売対策

書籍の転売対策として著者自らが行った事例もあります。直木賞作家の今村翔吾さんは、自身のサイン本が定価の10倍以上の価格で転売されていることを知り、ならば数を増やして価値を下げようとサインを書きまくるという戦法を思いつきました。転売ヤーへの怒りから「暴落させよう!」と発奮し、1万冊以上の自著にサインを書いたのです。

今村さんの行動にTwitterは大盛り上がり。「数が少ない(貴重)から値がつり上がるんだもんね」「プラモとかアーティストのグッズも、再販や追加生産ってマジで効果ある」と、需要と供給のバランスを正すことこそが最大の転売対策であると再認識されたようです。

「転売ヤー」の存在は業界全体の疲弊をまねく

「転売はなぜダメなのか」というテーマも、Twitter上でたびたび論じられています。あるTwitterユーザーは、人気のプラモデルが転売される事例について「模型店にとってむしろ在庫を全部買ってくれる優良客なのでは?と言われたらノーだよね」とツイート。

実際にプラモデルを作る人(モデラー)なら一緒に周辺消耗品を購入しますが、転売目的でプラモデルだけ買っていく人からはその売り上げが見込めないので、転売ヤーは迷惑な存在でしかないというのです。

ツイートを受けて、さらに他のユーザーは「モデラーがお目当てのプラモデルを定価以上の値段で買わざるを得なくなると、消耗品や別の商品を買う資金力が失われ、結果的には業界全体の売り上げが落ちる」という負のループに陥ると指摘しました。

一連のやりとりを見たTwitterユーザーからは「ゲーム機は周辺機器が、トレカはスリーブとかのアクセサリが、と言う感じでそれ以外のモノを買ってもらうことでお店は成り立ってる」「2000円のガンプラ買ったら、同額かそれ以上の工具塗料消耗品買うよね」と納得する声があがっています。

品薄が解消された「PS5」転売価格が定価割れに

高額転売が問題となっていた商品の需要と供給のバランスが整ったことで、転売ビジネスが成立しなくなったという話も出ています。「プレイステーション(PS)5」は2020年の発売からしばらく生産が安定せず、高額転売が横行していました。

ところが最近になってようやく増産体制に転じて手に入りやすくなった結果、2023年4月時点でフリマアプリを確認すると、転売価格が定価の6万円を下回っていることが観測されているそうです。

Twitterユーザーからは「(時間はかかったものの)よくやった」「なかなか購入出来ず苦労した身としては、やっとかぁ、という思い」「転売品はもう見向きもされないわな」などの感想が集まりました。これを機に高額転売される状況がなくなっていくかも、との安堵感が伝わってきます。

まとめ

高額転売は、欲しい人が手に入れづらくなるだけでなく、業界全体をも衰退させる恐れがある悪質な行為。転売ヤーが撲滅され、正当な価格で買えるという状況が当たり前になって欲しいものです。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。この連載は毎週月曜日に更新。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。
記事への「スキ」「オススメ」マガジン登録をお待ちしています!



この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?