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「その『前にも言ったけど』ってやつ一生言わないで」 Xで議論を呼ぶ「余計な一言」エピソードの数々

誰かとコミュニケーションを取る時に、「相手が発した一言」が妙にひっかかってモヤモヤした、という経験は誰にでもあると思います。

X(Twitter)ではよく、「こんな余計な一言はいかがなものか」という文脈でのさまざまな体験談が投稿され、大いに議論が盛り上がります。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「コミュニケーションにおける余計な一言」について掘り下げます。

※Twitterの「X」への名称変更を受け、今回よりタイトルを「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」から「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」へと改めます。これからもよろしくお願いします!

夫から「一生言わないで」と言われた一言は

まずは「つい言う必要のない一言を言ってしまい、自戒の念にかられた」という話が共感を集めた例から。

起点となったのは、漫画家のまぼさんが投稿したエッセイ漫画。久しぶりに料理をする夫が椎茸を水洗いしているのを見たまぼさんは「前にも言ったけど」という前置きをした上でキノコ類は水洗いしないほうが良いことを伝えました。

すると、夫から「うんわかった、ごめんね」という謝罪とともに「あとさ、その『前にも言ったけど』ってやつ一生言わないで」と釘を刺されたそうです。

この一連のやり取りについて、まぼさんは「『前も言ったと思うんだけど』は誰も得しない枕詞ですね。自粛します」とコメントしています。

読んだ人からは「水を差しちゃう言葉なのですね。私も気をつけよう」「毎日お母さんがお父さんにコレ言ってるからすごい嫌なんだよな、気持ちは分かるんだけどさ」と共感する声が寄せられました。同時に「分かっていてもつい言っちゃう」という声も少なからずあります。

特に近しい間柄だとつい余計な一言を入れてしまいがちですが、言われた相手の気持ちをひとつ立ち止まって考えてみると不要な軋轢を避けられるかもしれません。

著者に読んだ感想を伝えてくれるのは嬉しいけれど…

同じ一言でも、立場やシチュエーションなどによって「余計」に感じてしまう人、そうでない人とで見解が異なることが分かる話もあります。

書籍の編集者をしているXユーザーが、著者に対して「図書館で借りた」「中古書店で買った」という一言を添えて感想を伝える読者がいることについて苦言を呈する投稿が拡散されました。

特に、読者が著者に感想を直接伝えるシーンでこの一言を入れることで、著者との間に「なんとも微妙な空気」が流れてしまうことがあるそうです。投稿者は「感想を伝えてくれるのはありがたいのですが」としつつも「入手経路は言わなくていいから!」と書いています。

もちろん、図書館で借りる、中古で買うなどして作品に触れることも読書体験のうちですが、著者や出版関係者など、コンテンツを作る側にとっては「できれば本屋で新品で買ってもらいたい」という気持ちがあるのも理解できます。

この投稿に対し「わざわざ言わなくても、感想だけでいいやんね…」と理解を示す声が寄せられる一方で、「気持ちはわかるけど、余計なお世話。読んでもらえたならいいではないですか」と疑問を唱える声も少なからず挙がり、議論になりました。

また、実際に書籍を出版して似たような感想をもらったことがある人からは「もちろん書店で正規価格で購入してもらうにこしたことはないけど、読んでくれて、わざわざ感想を伝えてくれたことがただただ嬉しかった」という反応も。

ひとつの投稿に対して多角的な反応や議論が巻き起こるのも、Xならではと言えましょう。

「言わないで欲しいことを言わないでくれる」関係について議論

あるXユーザーが投稿した、「親しい人間関係を作る上では『言ってほしいことを言ってくれる』よりも『言わないでほしいことを言わないでいてくれる』ことのほうが大事なのでは」という持論にもざまざまな反応が集まりました。

「言わんで良いことは言わなくていい」「的確に自分の嫌なことを言ってくる人とはどうしても関係続かなかった」と同意する声が多数あがりつつも、「言わないで欲しいことを言ってくれる友人のほうが有難い」という反対の立場の人も少なくありません。

また、「言ってほしいことと言わないで欲しいことの区別が難しい」という方向での議論もなされ、これについては「相手との関係値やシチュエーションによって判断が分かれる部分が多いので何とも言えない」「結局どちらを言ってくれる人も大事なのでは」という中立的な立場の声が複数ありました。

Xで話題になる「余計な一言」の話題を見ると、「言わないほうが良い」とシンプルに判断できるケースばかりではなく、多角的な意見が飛び交っていることが分かります。

人間関係で誰もが一度は経験したことがあるモヤモヤであり、またシチュエーションによって「自分だったらどう感じるか」が変わりうる話題だからこそ、多くのユーザーの反応とともに拡散されやすいのかもしれません。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。この連載は毎週月曜日に更新。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。記事への「スキ」「オススメ」マガジン登録をお待ちしています。

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