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差別意識は決して消えることがない! 映画「黒い司法」

 映画「黒い司法 0%からの奇跡」を鑑賞。
 1988年にアメリカで発生した実際の事件を扱ったノンフィクション『黒い司法 死刑大国アメリカの冤罪』を原作としている。

 黒人差別が横行しているアラバマ州で、18歳の美しい少女が殺害される。
 捜査が難航する中、少女と何の関係もない黒人男性マクミリアンが逮捕。何一つ証拠が無い中、ある囚人男性が無理やり犯行現場を見たと証言させられ、これを根拠にマクミリアンに死刑判決が下る。
 これを知った若き黒人弁護士ブライアンが立ち上がり、自ら事件当時の状況を調べあげ、再審に向けて奮闘する。

 冒頭にも書いたとおり、この事件の発生は1988年。つい最近ことである。
 やっぱり、まだまだ人種差別ってあるのだ。
 そして、公平な裁判も、どうやら期待できないらしい。

 この映画を「アメリカのこと」として観るようではダメだ。
 日本人にだって差別意識はあるし、私にだってある。
 「自分に差別意識はない」などという奴を私は信用しない。
 人は誰も自分の所属グループ以外のグループを簡単には受け入れらないのだ。この感覚は無意識のレベルなのだろうが、全ての人は常にこれを意識化し、克服していかなければならない。

 裁判にしても、アメリカだけでなく、日本だって冤罪事件は存在する。
 殺人罪で服役していた西山美香さんの再審による無罪が確定したのは、つい数日前のことである。
 西山さんは、病院で亡くなられた男性患者に対する殺人罪で罪を問われ、ウソの自白を強要させられ、この自白だけを根拠に有罪判決となっていた。

 差別意識の自覚と公平な裁判への戦い。
 これは人間の弱さが源泉であり、人間の永遠の課題だと思う。

 今も差別に苦しみ、冤罪で死刑に至っている人々を救うためにも、本映画は多くの人に観てもらいたい。

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