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我ら帝国軍第5鎧装竜騎兵中隊

 風防から臨む空は今日も青い。その眩しいほどの青空に目を凝らす。中隊長の予測が正しければ、敵の先遣隊が見えるはずだが。

 居た。ポツンと染みの様な黒点。方角から考えても味方ではありえない。やはり、あちらさんも偵察を出していたか。兎に角も発見報告を打電。すぐさまジャミング用の護符を起動させ、気球ごと切り離す。

 敵は<黒曜竜種>が一騎。低速だが大型の種で、鱗は強固であり重量級の<鎧装>を装備していれば、生半な攻撃では歯が立たない。アレが斥候であるならば、推して知るべし。

 此方は、旋回性が高く、高高度飛行を得意とする<紅竜種>で、偵察仕様の<軽鎧装>だ。標準装備の<蹴爪>程度では有効打になるまい。しかし、逃がすわけにも行かない。斥候が戻ってこない事に気づくまでに、本隊がどれだけ距離を詰められるか。これこそが、本作戦の要だと、耳にタコができるほど、ブリーフィングで聞かされたなら尚更。

さて、ならばどう攻める?

【続く】

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