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横山π輝・茶ん国志 #1

第一幕     第二幕>>

精悍な顔付きの青年が日の落ちる紅河(まるで午後の紅茶・ストレートティーの様だ)を見詰めながら膝を抱え座っている。

通り掛かった二人の農夫が声を掛ける。
「やあ、旅人さんまだいたのか」
「いったい朝からここで何をしてるんだね」

青年は振り返りもせず、ただ紅河を見つめながら答える
「この紅河をながめてると紅茶が語りかけてくるんですよ」
「……」
「……」

「中国を開いた漢民族もこの紅河を染める茶葉と同じように遠くからやってきて……」
「話の途中でスマンがその“中国”ってなんだね?」
「え?」
「え?」


※横山π輝版の茶ん国志ですので、他の茶ん国志よりも漫画的表現が多い事に定評がありまぁす。

第一幕【完】     第二幕>>

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