横山π輝・茶ん国志 #エピローグ
蜀は滅びた。
劉備の母親が川に午後の紅茶ストレートティーのペットボトルを投げ込んでより約80年、天翔ける英雄たち(あまかけるおとこたち)の戦い抜いた乱世に一つの区切りが訪れたのだ。
色々な事が有った…。
蜀はまあまだマシな方だった。
趙雲が盗賊だったり、黄忠が魏の武将だった事も有った…。
諸葛亮が祭壇で大量の薪を燃やした事により上昇気流…東南の風を起こしたり、魏の蜀攻めでは氷の城を作ったりした…。
関羽が死んで赤兎馬だけが劉備の元にやって来たのはまあ有りかな…。
張飛は曹操にあっけなく殺された…。
呉は完全に麗花姫だった。
麗花姫(孫夫人)がグライダーみたいなので曹操を攻撃するシーンと呉が荊州に攻め込んだ時に炎の中で踊りながら死ぬシーンが全てだった…。
周瑜なんかしたっけ?声が池田秀一なのは覚えている…。
魏は色々凄かった、やりたい放題だった。
曹操が実は北方からやって来たローマ系侵略者に犯された母から産まれた出生を語ったのには驚いた…だから金髪なのか…。
于禁も女だったし…。
典韋は強かった…毒手裏剣?で関羽を追い詰めたし…。
まあ、色々有ったがとりあえず蜀は滅びた。
◆ ◆ ◆
その後、劉禅は洛陽に参内し安楽公に封じられた。
女たちが舞い踊る酒宴の席。
魏の武将が劉禅に聞いた
「どうじゃな?午後の紅茶が恋しいと思いませぬかな?」
「いやいや、意外と紅茶花伝も美味しい!午後の紅茶が恋しいとは思いませぬ!」
この言葉に劉禅の家来も、魏の将も流石に唖然とした。
「陛下…おひとつ」
気を聞かせた家来が紅茶を注ぎに来る。そして小声で、
「今度あのような質問をされた時はもう少し悲しそうな顔をなされて下さいませ…。陛下の為に、午後の紅茶の為に死んでいった者の気持ちもお察し下さいませ…あとスポンサーに配慮を…」
と涙ながらに言った。
「そうであった…気をつけよう」
◆ ◆ ◆
ここに諸葛亮孔明の考えた紅茶を三つに分け、力の均衡をはかりブランドをを成り立たせるという「天茶三分の計」はもろくも崩れ去った。
全知全能を使って国造りに励んだ英雄達の夢も消えた。
あとに聞こえてくるのは新製品の紅茶の足音であった。
【横山π輝・茶ん国志 ・完】
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