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電球の明るさ

息子「電球って,どことどこに線をつなぐと光るか知ってる?」
僕 「ここと,ここでしょ?(側面と下部を指さしながら)」
息子「(少し不満そうに)やっぱり,知っているか・・・。」

僕 「さすがに,物理の先生だからね。そのくらいは知っているよ。いま,学校で電球の勉強しているの?」
息子「うん,理科で豆電球の実験をしているよ。」
僕 「そうしたら,パパに電球クイズを出してみて?」

息子「電池をこういうふうに2個つないだら,明るさが2倍になるの知ってる?」
僕 「2倍?明るさが2倍になるってどうやって測ったの?」
息子「あ,やっぱり2倍は測っていないから2倍じゃないかもしれない。学校でやった実験だと,単に明るくなるってことがわかっただけ。」
僕 「そうしたら,何倍か測ってみようか。」

僕 「こないだ,電気回路をこういうふうに,水の流れで説明したの覚えている?(下図)」

僕 「水の高さに対応するのが,電圧,水の流れる量に対応するのが,電流だったよね。豆電球に電池をつないだときに,豆電球から出る光のエネルギーは,実は,電圧の値と電流の値を掛けたもの(消費電力)にだいたい比例するんだよ。比例っていうのは,電圧の値と電流の値をかけたものが2倍,3倍になったら,光のエネルギーも2倍,3倍になるってことだよ。」

僕 「人が感じる"明るさ"は色とかによっても変わってくるから,"明るさ"じゃなくて,ここでは"光のエネルギー"が電池の個数によって,どう変わるかを調べてみよう。」

手元にあった豆電球に電圧計,電流計,電源をつないで,測定をして見ると下のようなグラフになった。

豆電球の消費電力をP[W],電圧をV[V]としたとき,これらの2つの間には

P=cV^a 

の関係がある。cは定数で,aは,だいたい1.5から1.7の値になる。

僕 「電池1個だとおおよそ1.5V,電池2個だとおおよそ3Vだから,1.5Vのときの値0.29Wと3.0Vのときの値0.81Wを使って調べてみよう。0.29から0.81だと何倍になっている。」

息子が電卓をたたく。

息子「0.81÷0.28=2.79・・・。2倍より大きい!」
僕 「電池2個で2倍じゃなかったね。」

僕 「ところで電圧を変えたときに,光の色について何か気づかなかった。」
息子「電圧の大きさを大きくすると,色がオレンジから白っぽくなる?」
僕 「これはこないだ話した星の温度の話と同じ理由だね。」


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