見出し画像

両回転ごま

最近は"こま"よりも"釣り"にハマっていた長男だったが,昨日,出版社のおもちゃのイベントに行き,こまの大会に出場したからか,帰ってきてからも,しばらく,こまのおもちゃで遊んでいた。

 長男が遊んでいたこのこまのおもちゃは,長男の成長もあるのだが,竜をモチーフにした左回転のこま(ロストロンギヌス)が出たころが一番面白かったな。そんなことを考えながら,こんな話をした。

僕 「このこま(レジェンドスプリンガン)は,右回転と左回転が切り替えられるでしょ。そうしたら,回っている途中に右回転から左回転に変わるこまって知っている?」
長男「知らない。そんなのあるの?」
僕 「ジャジャーン。」

 僕は机の引き出しから,1つのこまを取り出す。

僕 「じゃぁ,回すよ。えいっ。」

 こまは,右回転したあとで,だんだんとゆっくりとなり,そしてわずかに左回転をする(このこまはラトルバックという。youtubeなどで"ラトルバック"で検索すると回転する様子の動画が出てきます)。

長男「・・・。これってこまなの?」

 長男が期待していたものとは違ったようだ。

***

 このこまには少し思い出がある。大学生のころ,物理(解析力学)の授業中の雑談で,H先生が「回っている方向が変わるこまが池袋の露天商で売ってた」と教えてくれた。その日の授業後に,そんなことってあるのだろうかと思ってこまを探しに池袋まで行った。池袋で,いろいろと探し回ったけれど,結局こまは見つけられなかった。田舎者の僕にとって,夜の池袋をフラフラするのは,少しドキドキした体験だった。

 だいぶ後になって実物を見ることができた。そのときは,期待が膨らみすぎたこともあって,僕も長男とまさに同じ「これってこまなの?」という感想だった。

 いまは,池袋で探し回らなくても,通信販売で買えるので,便利な世の中になった。

***

 このこまの原理はおおざっぱに言えば次のようになっている。こまはだんだんと摩擦によって回転が弱まってくる。そうすると,回転のエネルギーの一部が,振動のエネルギーにうつりかわる。そして,振動のエネルギーの一部が(逆)回転のエネルギーにうつりかわる。こまの回転の様子を注意深く観察すると,回転が弱まっていくと,こまの振動が大きくなるのがわかる。これは回転のエネルギーの一部が重心を持ち上げるエネルギーにうつりかわる,逆さごまに似ている。

 

感想のコメントをいただけると喜びます。