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貝を作ろう

 次男のリクエストで図鑑NEO Padのための写真を撮りに,水族館に行った。次男はコレクター資質なのかもしれない。

 長男は単に魚を眺めるだけだと退屈してしまうので,彼には貝の形をよく見てみるように言っておいた。

 エビやカニは,脱皮をすることで形を変えずに成長することはできるが,からだの表面が固い殻でおおわれている貝の場合は,古い殻を脱ぎ捨てることはできない。そのため,貝は脱皮をしないで形を変えないで成長するために,いまの形になったらしい。

 アサリやハマグリのような2枚貝の断面図を見てみると,下図のような
形になっていることに気がつく。この形は相似の三角形を組み合わせになっている。これは,貝が成長に伴って,貝殻の外縁の部分を増築し,相似の三角形をどんどん大きくしていくことで,形を変えないで成長していくからである。

 このようにしてできた貝殻の断面の曲線は実は対数螺旋という形で書くことができる。貝の種類によって螺旋のピッチが異なる。ピッチが小さいと巻き貝にピッチが大きいと2枚貝になる。

 螺旋のピッチをおよそ17度にすると,黄金螺旋という名前の特別な螺旋になる。黄金螺旋は有名なので見たことがあるかもしれない(下図)。

 僕は絵のセンスがからっきしなので,本当かどうかはわからないが,黄金螺旋にしたがって構図を考えると写真や絵が上手になるという話もある。葛飾北斎「神奈川沖浪裏」やレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」に黄金螺旋を重ねると,構図が黄金螺旋とよく一致するという。

 貝に話を戻そう。貝を作るには,ある辺と別の辺とが共通になるような相似の三角形を準備すればよい。これは簡単には,図のように直角三角形から,小さい直角三角形を切り出すことで準備することができる。

 で,下がそれらを貼り合わせて作った息子の作品。絵のセンスは僕に似てしまったかも知れない・・・。

 螺旋の話は少し難しいかもしれないけれど,工作だけなら,三角形を習う3年生ぐらいがちょうど良いと思う。

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