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磁石にくっつくスプーンとくっつかないスプーン

息子が理科の授業で磁石の勉強をしていると言うのでこんな実験をしてみた。

 家のスプーンをたくさん並べてそれに磁石がくっつくかくっつかないかを調べてみる。同じステンレスのスプーンでも磁石にくっつくスプーンとくっつかないスプーンがある。

僕 「どうして磁石にくっつくスプーンとくっつかないスプーンがあるのかな。」
息子「できている材料が違うから?」
僕 「磁石にくっつくスプーンもくっつかないスプーンは両方ともステンレスでできているよ。」

息子「じゃぁ,なんで?」
僕 「くっつくかくっつかないかはステンレスの成分によって異なるんだ。磁石にくっつくステンレスは,ステンレスの中にある電子に由来するスピンと呼ばれるちっちゃい磁石が隣同士で同じ向きに揃っているので全体的に磁石になっている(下図の左)。」

僕は概略図を描いて説明する(スピンの向きを矢印で表している)。

僕 「磁石にくっつかないステンレスは,ステンレス内のスピンが逆向きに揃っているので,全体的に打ち消し合って磁石じゃなくなっている(上図の右)。ステンレスの成分が違うと,結晶の構造が違うからこういうことが起こるんだよ。」

息子「磁石になるステンレスは,揃っているなら,磁石になっているはずなのに,なんで磁石を近づけないときは磁石になってないの?」
僕 「それはいい質問だね。この図(下図左)のように,スピンはある程度の大きさの中では揃っているけれど,全体的には打ち消し合っている。それに磁石を近づけると,近づけた磁石のほうを向いたスピンの数が多くなるから,スプーンは全体として磁石になる。近づけた磁石の強さが十分に強いときには,この図のようにそれらは全部そろうんだよ(下図右)」

僕 「磁石でスプーンの磁石の向きを一度揃えると,スプーンから磁石を離しても,スプーンはしばらくは磁石のままなんだよ。クリップを持ち上げてみよう。」
息子「本当だ,クリップがくっついている!!」

 上の写真の右の小さいスプーンとフォークは土木展に行ったときにお土産で買ったもの。左の大きいスプーンとフォークは100円ショップで売っていたのを見つけたもの。こんなにも似ていると,デザイン的に大丈夫なのか疑問だが,土木展のものは磁石にくっついて,100円ショップのものは,磁石にくっつかないという違いがある。


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