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パイプオルガン

僕の勤務する千葉工業大学のある習志野市には,習志野文化ホールという,市の規模にしては,立派なホールがある。ホールの客席の上手側壁には,ベッケラート社のパイプオルガンのパイプがデーンと並んでいてNHKホールを思わせる(トップ画像はフリー素材をダウンロードして使わせていただいているので,習志野文化ホールのものではない)。

先日,習志野文化ホールに行ったあとで,息子とこんな会話をした。

僕 「パイプオルガンってなんでパイプが沢山あるのか知っている?」
息子「わからない。どうして?」
僕 「パイプの1つ1つが,1つの音に対応しているんだ。」

僕 「それでは,パイプの長い方が低い音だと思う?高い音だと思う?」
息子「知っている。長い方が低い音でしょ?」
僕 「どうしてそう思ったの?」
息子「音楽室にある木琴や鉄琴の下にあるパイプも低いほうが長いよ。」
僕 「それじゃぁ,実験をやって確かめてみようか。」

 長さの異なるストロー笛を何本か作る(ストロー笛の作り方は,Google先生に聞いてください)。

 コツがいるので,はじめに音を鳴らすまでは時間がかかるが,慣れると簡単に鳴らせるようになる。一度鳴らせたら,面白がってブーブー吹いている。ストローをはさみでジョキジョキ短くしていき,音の変化を見るのも面白い。

 下の図のように,管(ストロー)内には,管のわずかに外側が腹となる波’(定常波)が生じるので管の長いほうが波長が長くなる(音波は縦波であるが,図は見やすいようにそれを横波で書いてある)。音速を波長で割ったものが周波数なので,波長が大きい音波の方が周波数の低い音になるのである。

 ところで,音速は気温によってわずかに変わるので,気温が変わると音の高さが変わる。ホールのような温度管理が容易な場所なら問題ないが,空調設備のあまり整っていない場所では,季節によって頻繁にチューニングが必要になるらしい。

 チューニングのやりかたは,いろいろあるが,簡単には管の先を縮めたり広げたりすればよい。管口付近の波の様子は複雑だが大雑把には開口端付近の腹の位置で理解することができるだろう。

 管口を広げると,管の外側の波の腹の位置が管口側にずれるので,波長が短くなり音が高くなる。管口を縮めると,波の腹の位置が管口とは逆側にずれるので,波長が長くなり音が低くなるのである。

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 千葉工業大学の吹奏楽部が毎年クリスマス付近に習志野文化ホールにて定期演奏会をやっています。是非いらしてください。


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