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工場で作られた野菜は美味しいか

長男と買い物に行く途中に「地下植物工場」と書かれた建物を見つけた。

僕 「植物の葉っぱは,なんで緑色なのかわかる?」
息子「うーんとね。緑の光を吸収して光合成を行っているから?」
僕 「光合成なんて難しい言葉を知っているね。学校で習ったの?」
息子「はじめから知っていたよ。」

 光合成は小学4年生で習うらしいので,小学3年生の息子は,もしかしたら,「鉄腕DUSH」で見たのかもしれない(息子はこのTVプログラムが大好きでよく見ている。このTVプログラムでは農家のしごとを多く取り上げているので,農家について息子は詳しい)。

僕 「光合成に注目したのは良い目の付け所だけれど,もし,葉っぱが緑の光を吸収しちゃうんだったら,緑の光がなくなっちゃうんじゃない?」
息子「そうか。緑以外の光を吸収するのか。」
僕 「そうだね。光合成で植物は栄養を作るために光を使うけれど,そのとき必要な光は青っぽい光と赤っぽい光なんだよ。太陽の光はいろいろな色の光が混ざっている。その光が葉っぱに当たると,赤っぽい光と青っぽい光が吸収されて,必要のない緑色の光がいちばん反射されるから緑に見えるんだね。」

僕 「今日,買い物に行く途中で,地下植物工場ってあったでしょ?地下だと太陽の光が当たらないよね。どうしているか知っている?」
息子「LEDを使っている。」
僕 「あたり。LEDを太陽の代わりに使っているんだね。LEDを使うと良いことってなんだろう。」
息子「天気が悪いときも光を当てられるから,よく成長するんじゃない?」
僕 「さえているね。確かに地下植物工場だと,天気に左右されないで野菜を作ることができるね。」

僕 「けれども,LEDを太陽の代わりにすると電気代がかかるでしょ。どうやれば電気代が節約できる?」
息子「うーん,わからない。」
僕 「光合成で使われるのは青っぽい光と赤っぽい光でしょ?それから何か思いつかない?」
息子「光合成に必要な光の色だけを当てればよい?」
僕 「確かに,緑の光を当ててもほとんど吸収されないから,その光を当てても電気代が無駄になっちゃうよね。」

息子「そうしたら,地下植物工場では赤と青のLEDを使っているの?」
僕 「ウェブサイトを見ると,白い色のLEDを使っているね。」
息子「そうしたら,緑色のぶんだけ電気代が無駄になるの?」
僕 「そうだね。緑色の光が全く吸収されないわけじゃないから,緑色の光が全くなくて良いのかはわからないけれど,もっと少なくても良いのかもね。」

僕 「あと注意しないといけないのは,太陽の白とLEDの白は,同じ白でも色の混ざり方が違うんだよ。いまは太陽の白に近いLEDも開発されてきたみたいだけれどね。この工場でどういうLEDを使っているかは,ウェブサイトを見ただけではわからないね。」

 長男に太陽の光,白色LED,太陽光LEDのスペクトルを見せながら説明する。

長男「太陽の光とLEDの光を当てたときで,野菜の味って変わるの?」
僕 「それはよくわからないな。こんどLEDで栽培した野菜が売っていたら買ってみようか。」
長男「買う!買うー!」

僕 「植物地下工場は天気が悪いときも光を当てられるっていう良いところがあるじゃない。他にもよい所って何かある?」
息子「季節に関係なく作れるんじゃない?」
僕 「温度をコントロールすれば,季節に関係なく作ることができるし,わざと寒くして,甘い野菜を作ることもできるかもしれないね。」

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