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異世界転生考察 前編

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 今、世間では、『異世界転生したらなんちゃら』というエンタティメントがあふれている。これは、もう異世界転生ブームと言っても過言ではないだろう。みなさんこんにちは。今回は、今、流行りの異世界転生モノで【転生】というワードを主軸に考察をしていきたいと思います。

※この記事は2100文字で構成されています

異世界転生の特徴。

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 早速、異世界転生モノについて調べていくと、まず、なろう系という単語に突き当たります。なろう系については今後、考察しようと思うので詳しく触れませんが、アマチュア小説家達が自作小説をネットサイトに持ち寄り、世間に無料で公開しているサイトだとだけ説明しておきます。
 そして、その自作小説サイトから生まれ、ヒットしたのが話題の異世界転生というジャンルなのです。

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原稿用紙投稿とかもはや過去の遺物ですな

 さて、世間に認知されている異世界転生の大まかの内容は

うだつの上がらない主人公が死んでしまい神によって異世界に飛ばされ、チート能力を身につけて難題をクリアして周囲に認められヒロイン達に囲まれ幸せな生活を送る。

というものです。

ざまぁ系など。スローライフ系なども。

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 異世界転生モノ、その最も特徴な点は、転生という単語。つまり、死んで別の世界に生まれ変わるということです。これは、なろう系以前の過去の作品からすれば少し異色だと言えます。

 最初から主人公が故人になっているからです。異世界転生以前の作品なら、交通事故にあっても意識だけが異世界に行ってるだとか、元の世界に戻る為にまだ、体は生きているだとか。主人公は、なんとか生きているケース。あるいは、元の世界に戻る為に奮闘するストーリーが多かったのですが、異世界転生モノはオープニングで容赦なく主人公を殺し切ってしまうケースが多いといえます。

 元の世界に帰るという要素は長年ストーリーの基礎技術構成だったので、これを崩すということは、発表当時、かなり反響があったのではないでしょうか?

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鉄板書籍ですよね。

 とまれ、転生モノの作品の多くは、現実世界では死んだとはっきりと明記して元の世界への帰還をあえて、奪っています。何故か?

多くの所説があります。特に代表的なのが。

過酷な現実世界に、あえて主人公が帰る動機を思いつけないから。です。

異世界転生は帰らない

 現実世界が厳しいから、異世界から帰る必要がない。現実逃避の極みではありますが、納得できる理由です。
 この理由に説得力を持たせる為なのか、転生モノ主人公の多くは元居た世界では、不幸な境遇だったりスペックが低い人間が多いです。

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ひきこもりやニートだったり。

 異世界転生モノは、現実の世界では酷い境遇にいた人間が死んで異世界に転移して幸せに暮らす。文字通り夢のようなお話です。この夢のような生活を捨ててまで、厳しい現実に帰る理由があるんでしょうか?

 伏線として現実世界に家族などを残していたとしても、異世界での幸せと等価になりえるか?

 異世界で良い結末を迎えた主人公を元の世界に戻す動機を創るのは至難なのです。

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反発案の画像も載せておきます。

 ネットでは現実世界に帰る必要性が無い理由として、もう一つ。興味深い考えがあります。それは。

現実に戻った時の成功報酬が精神的成長だけだというのは酷すぎないか?という指摘です。

世界を救った報酬

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 異世界に転生しても、転生する前の世界。前世が現実を下敷きにしている限り、常にその元居た現実が比較の対象になります。そして、この異世界の冒険を現実に置き換えた時、頭に冷や水をかけられてしまい、メリットが無さすぎるのではないか?と考えてしまうのが、この指摘です。

ちょっと例を出しましょう。
下記はファンタジーのテンプレストーリーです。

貴方が異世界に転移した。チート能力を授けられた。これをもって世界を脅かす魔王を倒して来いと言われた。貴方は魔王を倒して世界を平和に導いた。冒険の果て誰かから、貴方はこの冒険は夢だったと告げられた。元の世界に戻らなけらばならない。報酬は夢から覚めたあとの思い出と精神的な成長だ。と言われた。

現実の価値観に置き換えてみましょう。

貴方は凄い才能がある。すごいので、今から、戦争をしている国に行って争いを止めて来いと言われた。貴方は見事、元凶を断ち、平和に導いた。ミッションの果て、誰かから、貴方はこの出来事は夢だったと告げられた。元の世界に戻らなけらばならない。報酬は夢から覚めたあとの思い出と精神的な成長だ。と言われた。

 どうでしょうか?

 現実的に考えた場合、仮に異世界でチート能力を授けられていても苦労と報酬が見合わないと考えてしまいませんか?

では、逆にどれくらいの報酬なら、対価として釣り合うのでしょうか?多分、誰も、現実的に釣り合う報酬を用意できないのではないかと思うのです。

異世界転生は現実的な考察と相性が悪いのです。

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思い出はいつでもプライスレス。

以上2つが、異世界転生から帰らない大まかな理由です。さて、文章も長くなってきたので、今回はこの辺で区切ります。

 次回は異世界転生の歴史と今後の展望等を占っていこうと思います。では、またね


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