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葬送のフリーレンと年下だった私たち

 葬送のフリーレン、1話で老いたヒンメルが鏡を見て考え込む場面があった。それを見てなんとなく分かるなぁ、と思ってしまった。
 当然、私にはいつまでも容姿の全く変わらない友人がいるわけでは無い。しかし、分かる。なぜなら、フリーレンとヒンメルは漫画のキャラクターと読者の関係性によく似ていると思えたからだ。
 子ども時代、私はキャラクターである彼らより年下だった。そして、ふと気づけば彼らよりも年上になっていた。私は大人になり、彼らはあの頃と変わらない。けれども、私と彼らが確かに同じだったあの瞬間は確かに覚えている。
 ヒンメルが「美しい思い出の中にはいつも君たちがいた」と言ったように私の思い出の中にもいつも彼らがいた。彼らの旅路の終わりに、年下だった私は立ち会い、ヒンメルのようにかつてと変わった自分を見つめているのだ。
 だからこそ、ヒンメルの抱えていたであろうえもいわれぬ感情が分かると思ってしまった。

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