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今月読んだ本/2020.12

最近、kindle unlimitedに入りました。定額で読み放題のサービスです。ぼくは読んだ本のメモとかを大事にするタイプでアンダーラインを引いてたり栞を挟んだりします。そうするともしunlimitedの対象から外れてしまったら参照できないなと思って、本は手元に長く置いておきたい派としてはうーんと思っていたんですが、小説や漫画の読み捨てる系なら全然良いかと考え直しました。

これで、少なくとも月5,000円くらいの節約にはなるんじゃないかと思います。そして対象の本ならお金気にせず読めるので、これはあれですね図書館を持ち歩いているような気分です。新しい分野の開拓もできそうです。

思ったより読みたい本がなければすぐ解約しますが、少なくとも5冊読みたいのがあって、その分だけでも数か月分の元取れるかと思ってます。


・読みたいことを書けばいい

久しぶりに文章術系の本を手に取ったなぁと思ったけど、内容はそんな感じではなくて、漠然と「ライターになりたい」ってファッションみたいにいうキラキラした人に釘をさす、文章を書くってことは大変なことなんですよ、楽な仕事じゃないんですよ、けど、しっかりやればちょっと良いこともありますよって内容で、なんというかよかったです。

著者は何年か前にエンタメ新党でやたらと長い映画批評をする田中泰延さん。ぼく好きで読んでましたし、そんな映画の観方があるのか、あの描写はそういうことなのか!って毎回へぇー!と思いながら読んでいました。そのやたらと長い記事を書く裏側を見た気がしました。。

ちょっと人を惹きつけるヒントも掴めたような気がします。身も蓋もないことをポップに書いてます。

なんか、カート・ヴォネガットの、

芸術では食っていけない。だが、芸術というのは、多少なりとも生きていくのを楽にしてくれる。いかにも人間らしい手段だ。上手であれ下手であれ、芸術活動に関われば魂が成長する。シャワーを浴びながら歌をうたう。ラジオに合わせて踊る。お話を語る。友人に宛てて詩を書く。どんなに下手でもかまわない。ただ、できる限りよいものをと心がけること。信じられないほどの見返りが期待できる。なにしろ、何かを創造することになるのだから。

(引用元:「国のない男」より)

という言葉を思い出した読後感でした。


・HELLO, DESIGN 日本人とデザイン

もう10年ほど前のことになるだろうか、ぼくが大学生の時、地域の課題にその地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインというのをやってる山崎亮さんのプロジェクトにボランティアスタッフとして参加しました。当時、情熱大陸に出演したてで、界隈では一躍時の人となっていてぼくも無条件に崇めていました。

その人がデザイン思考、デザイン思考と言っていて、その最良の本がティム・ブラウン「デザイン思考が世界を変える」だと言っていたんですね。はい、10年前の話です。そこに全部書いてあるって。

ぼくは素直だったので読みました。当時学生で、いまいちピンとは来てなかったですけど、背伸びして、これがデザイン思考なんだと感銘を受けました。

で、よくよく考えると、ぼく結構デザイン思考のアプローチを取ってます。

デザイン思考って何かって、問題解決の手法の1つで、課題を観察して気づきを得て解決を向かう、という当たり前といえば当たり前のことをデザイン思考と呼んでいます。

なので実際のアプローチは、
1. デザインリサーチ(観察/インタビュー)
2.まとめる(synthesis)/ 問いの設定
3.ブレスト&コンセプトづくり
4.プロトタイピング&ストーリーテリング

となるわけですね。よくみるポストイットをぺたぺた貼っていくのもその一環ですね。アイデアを視覚化して角度を変えたりみんなにシェアするっていう。

もう10年も前のことだから当時読んだデザイン思考の本がどんなだったかって覚えていないんですが、本書は、じゃあ実際にどうやって行うのかの細かいところだとか、ものを作ったり絵を描いたりするデザイナーだけではなく、コトをつくるデザイナーとしてどういう心構えで、どんなトレーニングをすべきなのかとか、もちろん実際のデザイン思考が役立ってるアプローチの事例も載せてくれているし、網羅的に書いてくれています。

本書はデザイン思考について非常にわかりやすい入門書になってます。

「自分の観察」からスタートしましょう。コツは、「快・不快」に注目することです。無意識の心の動きに気づき、言語化することが、もっとも手軽なデザイン思考のトレーニングと言えるでしょう。
自分を観察し、文化を観察する。主観を使い、要素を抽出し、構造化する。

こういうのって、まさに社会課題を解決したいと思っているみなさんの力になると思うのですが、いかがでしょう。


・Who Moved My Cheese?

今月から始まる洋書枠。

本書はめちゃくちゃなつかしい。ぼくが小学生の頃にテレビでやたら話題だった気がします。朝のニュース番組で見た記憶があるので。和訳版は「チーズはどこに消えた?」。全世界で2,800万部売れたようです。すげぇ。

ぼくのような英語学習者にとって良いのは、この本、たった94ページなんですね。平易で良い易いです。で、内容はフットワーク軽くいようねとか、変化を恐れるなみたいな自己啓発の本なんですが、それを寓話で、比喩で表現されています。

本文中にも、こんなもん小学生くらいのときに聞いたことあるような退屈なおとぎ話だみたいな風に感じますが、読んでいくうちに、あれ、これ…ワシやないか…と思ったりする不思議。

ま、It takes all the running you can do, to keep in the same place. と座右の銘としているぼくとしては本書の内容は、教訓は、何を今さらと思ったわけですが。


・新版 戦略PR-空気をつくる。世論で売る-

戦略PRとは、メディア、ひいては消費者の関心を最大化できるテーマを設定し、そのテーマを広げることで商品の売上に貢献するという「シナリオ」を描き、そのシナリオを具現化させるための綿密なチャネル設計を行い、設計にもとづき、情報の伝播を仕掛ける、という一連の流れだといえる。

たぶん日本で一番有名なPRの人の本。この著者の本は昔「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」を読んだことがあって、大変に感銘を受けたんだけど、本書のその本より8年ほど前に出された本。

新しい概念であったり、取り除きたい風評、偏見をどうやって人為的に戦略的に改善できるか(そもそもそんなこと可能か)ということに関心があって手に取りました。

PRはどんな仕事かというのは経験あるしイメージもできるので、なにか秘策があるんじゃないかと期待していたんですが、良くも悪くもそんなことは書いてないし、あらゆるメディアを目的に最適化させて効果的に意図的に露出させる(ことを狙う)のは変わらないんだなと。やっぱり泥臭いよなと思いました。

本書では世論の作り方として「おおやけ」「ばったり」「おすみつき」をどう演出するかというのと、視点を変えるというのに紙面を割いてます。

ぼくが今持ってるPRの実務のイメージとして、世論という世の中の大きな流れ、これを大河として、その川からちょっと引っ張って支流を作ったりその支流を本流に変えるのがプロというか一流の人たちというイメージです。

それをやるためにはプロジェクトの全体像をしっかりグリップできないといけない(細かな顧客体験の統一とか、どこで、どのタイミングで情報を流すとか)と思ってて、まあ、ぼくできないんですけど、紹介されてる事例とか見てると、ぼくがやってたのは川から水引いてきて稲作するレベルのことだったなと。流れを作るまでのことを考えてなかったなと。ちょっと水(世間の目)がこっちくれば良いなくらいのことしか考えてなかったなと思いました。

これが、たとえば、十分な予算がぼくにもあればできたのかと言われると大いに疑問があるので勉強を続けるわけですが。

STEP1 商品の便益に関連しそうな、世の中の「関心事」を調べる
STEP2 商品の便益を世の中や消費者の関心に合わせて翻訳する
STEP3 その2つを結びつけ、テーマを設定する。
STEP4 テーマを「ニュース」にするための材料を用意する
STEP5 テーマを広げるための具体的なPRプランを策定する


・SNSポリスのSNS入門 by かっぴー

最近というか、ずっと思ってることなんですがSNS上手くなりたいと思ってちょくちょくSNS系の本を読み始めました。今月のマンガ枠です。

著者は左利きのエレンで有名なかっぴーさん。

入門なのであれですが、こんなことをSNSでやると寒いよ、嫌われちゃうよというのをコミカルに描いてます。いるいるこういう奴ー!うぜーって笑いながら読めます。

本書を読んだからと言ってフォロワーが増えるわけではないですが、SNSにおけるお作法を本書が一番わかりやすいかなと思います。


・アンドロイドタイプワン

未来はどんな風になるんだろうなぁというヒント探しと具体的にイメージする意図を持ってたまにSFを読んでいます。小説よりはマンガを好んで。

で、本書は人工知能搭載のヒト型ロボットが家政婦とかナニー的ポジションにいる未来の話なんだけど、なるほどなぁと思うことが結構ありました。

車は自動運転にもちろんなってるんだけど、全部が全部自動運転ではなくて、自動運転区間というのがあって、その区間内は自動で運転してくれるけど、その区間外なら自分で運転しないといけないとか。

これけっこうリアルだなと。自動運転の課題はセンサーでぶつかる可能性があるものを感知することなんだけど、それって高速道路的なところと路地とでは難易度が変わると理解しています。なので、まずは高速道路の自動運転から始まるのか、そして国道、県道レベルまでは対応できるようになるのかなとイメージできました。

ま、この通り未来がやってくるかどうかはわからないですが、少なくともぼくにとっては突拍子もなくて現実感の感じにくいただのSFではなくて、十分実現可能な未来くらいな具体的なイメージを抱かせるものでした。

1話完結系のAIの遺伝子も良かった。というか非常に良いです。

物語はヒューマノイドを専門に「治療」する謎の医者を中心にまわる。さながらブラックジャック。よくあるSFバトル的なものではなくて、人情味あって、なんというか良いです。ほんとに。


・二匹目の金魚 by panpanya

この著者のマンガは以前にグヤバノ・ホリデーを読んで以来なのだけど、グヤバノ・ホリデーのときもそうだけど、誰かに良さを説明するのが難しい。小学生くらいの屁理屈いっぱいの自由研究を見てる感じ。

なんか不思議で、ちょっと怪しい雰囲気を終始持ってる。何かでそうなんだけど、何も出ない。なんというか、見えないものを見ようとしているような。見えて欲しいんだけど、見えて欲しくないような。わかるようなわからないような、不思議。

でも、なんというか、懐かしいような気がする。たぶん、自分が小さいときの世界ってこんな感じだったかも…と思わなくもない。なんだこれ。

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