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自分のことをあけすけに書くということ

ちょうど2年ほど前、世間では引きこもりと呼ばれる人たちの前でプレゼンをする機会があった。まあまあ評判は良かった。

そのとき、「君はあれだね、自己開示が素晴らしいよね」的なことを学校の先生だった人に言われた。その時は素直に「まあぼくみたいな営業の人間は君らみたいに無条件に話を聞いてもらえる立場とちゃいますからな。なにかしらのテクニックはありますよ」としか思わなかったんだけど、あのプレゼンに限らずなんでもけっこうあけすけにnoteにも書いてる。

JICA海外協力隊で2019年年明けに派遣されて今年の春先に帰国するまで435日くらい毎日noteを書いていてた。毎日書くとなるとネタが切れるからどうしたって自分の話になる。自己開示せざる得なくなる。

自己開示は大事ですよといろんなところで言われる。

どこの馬の骨ともわからない人を初見で信用できないし、そんなよくわからない人に自分の話をするのは抵抗がある。だから、話を聞いてもらいたい、話をしてもらいたい側はまずは自分のプライベートなことなんかをさらっと話す自己開示をやる。警戒心を和らげるために。自分はこんな人間ですよと知ってもらうために。信頼関係を築くために。

冒頭のプレゼンでは、親しみをもってもらうためとより具体的にイメージし易いように自己開示をテクニック的に使った。こういうのを営業経験があれば息を吸うように無意識にやっていることだと思う。なにも特別なことではない。

ぼくはこのnoteでわりとあけすけに自分のことを書いている(もちろん、第三者のプライバシーは配慮してるし、守秘義務はこれでもきっちり守っている)。

それはなぜかというと、具体的な話がしたいというのと、こんなインターネットの片隅でひっそり書いてるところのわざわざやってきて読んでくれる人がいるのでその人たちの期待に応えたいというのがある。できれば、ぼくのnoteから彼ら彼女らが望んでいる情報を得られることを祈っている。

要するに、誰かの役に立ちたいと尊大なことを思っている。自分からガンガンいけるような、積極的に発言して自己アピールにも余念のないタイプではないからこうしてひっそりと文章を書いている。

おかげさまで過去累積約20万ビューくらいあるのだけど、これはつまりは、ぼくの独り言や泣き言のようなnoteもそれなりに需要があるということなんだろうなと思う。ありがたいことです。

昔、作家の村上春樹が「善き物語を紡げなかったことに対して作家としての責任を感じる」とオウム真理教の事件があったときに発言していた。オウム真理教には当時、東大や京大、早稲田や慶応など高学歴エリートも多数入信していてその人たちが中心になって地下鉄サリン事件などを起こした。

村上春樹はそこに(ぼくのうろ覚えが正しければ)、「社会の側が若い有能な人に良い未来をみせることができなかったからカルト宗教にはまって間違った道に進んでしまったんじゃないか。であるならば、小説家として、作品を通して ”善き物語” を提示できなかったことに責任を感じます」という趣旨のことを言っていた。

それは氏のエッセイかインタビュー集の中に収録されているんだけど、ぼくはそれを読んで以来、その ” 善き物語 ” をけっこう意識してる。

ぼくが提供できる善き物語は、前例とか良く言えばロールモデル。「こんな人もいるから私でも大丈夫だ」とか思ってくれたら御の字だとも思っている。

ぼくは大学1年の19歳の時ですらTOEICの読み方わかってなかったし、大学のレベルも成績もいまいちで、卒業後はとりあえず無職になりましてなんてレールからは外れまくってるけど、就職してからはTOEIC800くらいで1人で台湾に出張するくらいにはなったし、青年海外協力隊に参加して、来年は31歳なのにイギリスの大学院に行こうとしてる。お金もないのに。

これは大学のときから仲良くしてもらってる年上の友人たちの影響でもあるんだけど、こういういわゆる世間一般とは違ったことをするなんて、身近にそんな人がいないとしなかったと思う。そもそも選択肢にも上がってこなかった。

ぼくは田舎出身だからよくわかるんだけど、こういうのって環境要因が非常に大きいと思っている。田舎だと留学行くような人っていないし(遊学ならいるけど)、まず身近にそんな人がいないからイメージがしにくい。

だから、こんなぼくの経歴でも発信することで誰かの背中をポンッと押したりできるなら、新しい選択肢を提示できるならと思って、正直にいろいろ書いてるし、その時々で何を思っていたのか、どう思っていたのかも書いてきた。基本は泣き言ばっかりだっと思うけれど。

あと、こうしてあけすけに書くことによって、自分にもプレッシャーをかけている。noteに書くってことは誰かが読んでるんだから、役立つようなアクションを起こせよ、結果を出せよ、と。

だから、自分の期待に応えるためにも、これからも精進します。

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