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障害者団体の啓発活動も次の段階へ!

少し前に、セントビンセントの啓発活動を主にやってる視覚障害者団体の偉い人とぼくの派遣されている視覚障害者協会の偉い人が集まって、といっても参加者はぼくを入れて7人ほどだったんだけど、ミーティングをした。

いくらイベントをしてもちっとも障害の理解なんてされないし、「だって目が見えないと実際問題、何もできないでしょ」というのを払拭できないのだそうだ。

そうだろうなぁと思う。

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派遣前に市長を訪問したとき、JICAから担当者の人が付き添いで来てくれた。ぼくは応募のときセントビンセントを一切志望してなかったということをネタにしていて、「わし、そんなことできるて一言でも言うたか⁉」と要請である視覚障害者の所得向上について笑いとばしていたのだけど、もちろんその担当者の人は「いやいや、本人はそう言っていますが、我々はベストな人選だと思っています。」ともっともらしい訂正を入れたあと、

たしかに、従来ですと障害者支援という文脈では、リハビリや介護などばかりでしたが、今回の oka さんの案件ではビジネス的要素が強く、所得向上を目指すというので、かなり珍しい角度からの案件で、今後のモデルケースにもなるのではないかと我々も期待してるんです。

みたいなことを言った。結構覚えている。なぜなら、おいおいワシの期待値上げるなよ、普通のサラリーマンやったんやぞと、この人はとんでもないことを言う人だと思っていたから。

で、実際に来てみて、彼らの活動を見てるうちにいろいろこれじゃ世の中は変わらないだろうなあと思うようになってきた。

つまりは、障害理解はいつまで経っても進まないだろうなと。

たとえば、セントビンセントの場合大きなイベントとして年に2回ほど障害者コミュニティがいっしょになって首都キングスタウンの繁華街を行進している。

これ自体は素晴らしい。道を通行止めにしないといけないから警察の協力も必要だし、ポリスバンドにも参加してもらってるし近隣の学生にも参加してもらってるし、調整がいろいろ大変だろうと思う。

障害者自身の達成感も結構あると思う。最後にはスタジアムに集まって、議員や大臣が来てくれてちょっとしたスピーチもしてくれているし。新聞にも毎年取り上げられているんだろうと思う。

けど、これだけじゃだめだろうなぁと思う。世間の障害者に対する偏見を変えるには。

と同時に、徐々にだけれど、ぼくのようなビジネス側の人間が送られた理由もなんとなくわかってきた。

なにか現状に対する突破口が欲しいんだろうなと。

ぼくが感じた課題というのは、啓発活動の次の段階のアクションを彼らは知らないんだろうなと。

たぶん欧米の援助機関かなにかが啓発活動はこうするのよって行進を始めたのを律儀にずっとやってるんだと思うんだけれど、手段と目的をもう一度おさらいする必要があるなと思う。

大きく分けて、PRには3つ段階がある。認知を獲得する段階、考え方を変えてもらう段階、行動を変えてもらう段階。

認知を獲得するというのは、とにかく知ってもらうこと。こういう人がいます、こういう境遇の人がいますというのを知ってもらう。

セントビンセントの人たちがやってる行進も認知を獲得する段階の活動。

だからいつまで経っても、目が見えない人がいるんだ、片足ない人がいるんだ、で終わってしまってる。

もちろん、これはこれで必要な活動なわけだけど、長年やっているのであれば知名度は十分あるとみて良いわけで、どうやって世間の障害者に対する偏見(なにもできないでしょ?)を取り除くかを考えないといけない。その段階に来てる。

その必要性を感じたので、彼らがモノづくりをする様子と世間の人に訴求し易すそうな文言を選んで発信してきた

同時に、彼らのエンパワーメントにもなると思った。障害のあるなしに関わらず、働くことは収入を得るだけでなく社会とつながる役割があるから、目が見えなくても働ける仕組みがあれば、これまで働くことを諦めていた人の背中を押すことになるし、自分たちも社会の構成員だ、誰かの役に立っていると思えるだろうと思ったからだ。

目が見えないんだから、周囲から聞こえてくる声だけが彼らの後押しになる。だからSNSの投稿を見てくれた誰かがどこかで、彼らにちょっとのことで良いから声をかけてくれればと思った。

だって、彼らの交友関係は限られているように見えたし、その交友関係の大きさというのは、目のみえない人たちにとっては、そのまま彼らの世界の大きさでもあると思ったから。

そうした、色んなことを考えつつのさぐりさぐりのぼくのPR活動も、テレビ取材を受けることもできたし、

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あなたの投稿キャッチ-で良いよとか、フレンドリーでお堅い文章じゃなくて良いと思うとかいろいろお褒めいただいていて、一定の成果はでてるんじゃないかと思う。

つまり、少なくとも間違ってはいないんじゃないかという自信を得た。

これまで、ぼくはいろんな人から意見を求められたり、こっちも手伝ってよと言われてたり、暗に匂わせてきたりされてきたけど、巧妙に断ってきた。

本業の視覚障害者協会で成果が出せてなかったのと、自分の考えがここでワークするのか自信がなかったからだ。

けれど、本業の方も協会単体の活動だけじゃスケールしないというか、あまり効果が得られないんじゃないかという思いもあり、ぼくが任地を離れた後でも継続的に活動してもらえる仕組みを残したいエゴもあり、いろんな人と協力して、可能なかぎりいろんなところに口出ししていこうかと思う。

どうやって障害への偏見をなくなせたりするのかっていうのは、まだはっきりしたアイデアはないんだけど、結構いろんなことができると思う。

欧米だと、結構チャリティーウォークやマラソンをやってて健常者と障害者の交流の機会の創出とファンディング、路上の人たちへのPRを一度にできる仕組みでうまいなと思う。交流の機会があれば、「全然自分たちと変わらないな、ちょっとルールが違うだけで」みたいな理解が深まるから。

4本脚の椅子じゃなかったらバランスとれなくて座れないと思ってたけど、3本脚の椅子でもバランス取れてるな、問題ないんだな的な(わかりにくいな…)。

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