ベーシックインカムの実験いまいちだったっぽいねVol.32
ハイライト
OpenAIのリサーチ部門がアメリカの低所得層1000人の個人に3年間、毎月1,000ドルのユニバーサルベーシックインカム(UBI)を配って、どういう結果になるか実験してたやつ、3年の実証実験が終わってレポートが上がってきているけれど、少なくとも日本では全然話題になっていない。
それもそのはず、どうやらあんまり意味ないっぽいぞというのがでてしまったから。しっかりと全部を見たわけではないので、細かく見ていくと何か兆しがあるのかもしれないけれど。
そもそもこのプロジェクトはAIが発展して人間がやる仕事が減っていけば、職にあぶれる人が増えるから何かしら救済措置的なのが必要だよね、それがUBI社会実装しなきゃだよね。UBIがあれば、いまほんとはやりたくない仕事をしてる人も今の仕事を減らして、自分がやりたい仕事の勉強であったり将来への投資に使えるよね、あるいはもっと家族と過ごす時間を取るようになるよね、それって素敵なことだよね、っていうのを実際に試すためのものだったと理解している。
で、これがブロックチェーンでスマートコントラクトが政府に実装されれば、一定の収入以下になった世帯に自動的に現金給付みたいな仕組みが作れるわけで、煩雑な事務手続きなく手を差し伸べることができる。
で、結果は冒頭で述べたように、あんまり効果がなかったっぽい。
「っぽい」というのは、たとえば、労働時間は15分くらいしか減らなかったし、いわゆる自己投資みたいなことにもお金は使われることはほぼなかったから。ほぼ、というのは、この実験は低所得層の中からランダムに選定された1000人で、その中で所得の高い人、そうでない人が混ざっていて、所得の高い人がより良い仕事を求めて転職している。のだけれど、それってUBIがなくてもやっていたのでは….?とも思う。なにが言いたいかというと、いわゆるワープアに変化はなかった。
家族と過ごす時間も増えていない。むしろ1人の時間が増えている。趣味の時間であったり、ゲームする時間であったり、ちょっとスナック買う量が増えてたりする。
で、この実験、パンデミックの期間も被っているのだけれど、パンデミックでみんな収入減ってるわけだけれど、パンデミック後の収入の底からの伸びは、比較対象のUBIが支給されていない人の方が伸びてる。
収入ゼロへの危機感からめっちゃ頑張ったということかなと思う。
そもそも、パンデミックで各国国民にお金を支給して今インフレで苦しんでるわけで、UBIなんて実装されたらインフレで吸収されて終わるから、全国民にお金配る意味はないわけで、何が目的の実験だったんだろう感はある。
これが、エリートの万能感から来るかつての共産主義的な、ぼくのかんがえたさいきょうの~ってやつなのか、実はこういういまいちな結果になることはわかっていたんだけれど、bigtechがあまりにも儲け過ぎて格差開いているから、議員連中からなにかしらの形で地元へ還元しろと言われているのを、そんなの意味ないですよと示すための実験だったのではとも思ってしまう。
個人的に、面白かったというか興味深かったのは、周りの人をサポートするためにお金を使ってる割合が最も高かったこと。これが、いわゆるリベラルな人たちは「貧しい人たちって心が優しいからだよ!」みたいにポジティブな解釈をしてるのが目立つんだけれど、敬愛する山形浩生さんが、これはお金の匂いを嗅ぎつけた知り合いや親戚がたかりに来たからでは?みたいなコメントを残していて、ぼくも途上国開発で貧困の現場を少しばかり見てきた人間だからか、そうだろうなと思ってしまった。
いやぁ、難しいよね。貧困対策。
読書記録
web3のキャッチアップ用に読んでる。web3をキャッチアップするにあたって、そもそも〇〇ってなんだっけ的なのが気になるタイプなのと、いまweb3という波が来ているのはどういう文脈があるのかということも知りたかったので、ネット創成期から当時はこういうことに注目が集まっていて、こういうことができるようになって~みたいなところを大雑把につかめるような本を読んでいる。
最近、核融合の話であったり、WOTAの水循環の話を聞いたのもあり、「分散化」というのが本格的にテーマになっているように感じる。自分がweb3のキャッチアップを始めたから分散化に目が行くようになっただけかもしれないが。
What I did in week32 (8/5-8/11.2024)
CPA:今年全科目合格!
1月、2月、3月の目標未達
4-7月全負け。事実上進捗なし。
8月
7月からフィードバックループを短くすべきだと思い、それについてはhttps://yukinotes.com/で管理することにした。
現実、9月に受験も無理なので、11月。
今月こそFAR2とFAR3の単位取る。
読書: 月2冊は読む
今年中にブルーバックスの大学生物学の本を3冊読みたいと思っている。もっというと、ファインマン物理学も今年読みたい。
1月、2月に続き3月も目標達成!
4月、5月それぞれ1冊ずつ読了
6月は読了は結局なかった気がする。読んではいるので、いろんな情報に接していたという点は良しとする。
10冊くらい少しずつ読んでる感じなので、読了数というKPIは正しくないのかもと思いつつ…。
英語
Blog: 英文ブログ週1回は更新
ということで、投稿のハードルを下げるために、CPAの勉強状況を可視化するために、下のはてブ毎日更新していくことにした。
本: 月1冊は洋書ないし英論文を読む
今週も読めてない。反省。
ただ、いろんな記事なりなんなり毎日チェックしていて、英語に触れてはいる。
Workout / diet : 今年中に70kg代へ!
1-7月。92kg→83.7kg
8月83.7kg→84.5kg
まさかの1kg近くも増量。これはこの週、ぎっくり腰的なものになり、運動どころではなかったのと、この連休に実家に帰って食っちゃ寝してしまったダブルパンチ。
このポスト書いてる今は、スクワット再開できているのでこれから取り返せるはず。今月の目標は-2kg。これは変わらず。月末時点で81kg代になれば。
余談: 権限は結局だれが持ってるのか
ぼくは現場主義を標榜している。いわゆる三現主義を大事にしているつもりである。それで、いまの仕事を選んでいる。まずは現場でスタートアップ支援をやりたいと思った。
で、現職に就いてもうすぐ2年が経とうとしている。地方のパブリックセクターからのスタートアップ支援でいろいろ関わらせてもらっている。良くも悪くもいろんな経験をしている。
この施策に理論的根拠あるんですか、と何度か言いかけたこともある。ひょっとしたら言ってるかもしれない。
で、そういうときに、不遜にも「あぁ、ぼくに権限があれば…!」なんて思っていたのだけれど、さいきん、結構現場で決まってくことも多いのでは?と思い始めている。
欠かさず聴いてる、フリーアジェンダというポッドキャストでも「決定権持ってるぼくの仕事って、現場から上がってくる議事録の追認だけみたいになっていて、それって権限があるって言えるのか、コントロールしてるの現場の人じゃない?権限欲しい、欲しい言ってるけど必要かな」みたいなことを言っていて、とても共感した。
もちろん、それでカウンターパートが予算獲得できなかったとか、プロポで失注とか、実現しないというか自分たちの仕事にならないこともあるけれど。(そろそろバレないから言えるけれど、ぼくは今年ある自治体に大きな仕事の提案をしに行って、どういう仕組みにしたらいいですかねという相談も受けてたのに、失注した。結構な額の予算のプロジェクトだったのに)
ともかく、なにが言いたいかというと、そういう機会にぼくはようやく気づいたし、現職に就いて1年ほどは新参者であるし、日本社会だしというので沈黙は金、雄弁は銀と思って、失点しないことに重きをおいていたのだけれど、それじゃあなんというか、機会はやってこないわけで、そういう機会をたぐり寄せるためにも、思っていることは言うようにしている。
失注してるので、生き残りに必死というのもあるかもしれない。
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